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「話を聴く専門家」が語る、人の悩みを聴くコツとは?

「お話や悩みを聴く活動をしています」

そう話すと、必ずと言ってもいいくらいに
よくある質問が来ます。

「人の愚痴や悩みを聴いて精神的に疲れませんか?」


話を聴く専門家。
メンタルケアスペシャリストの私は
SNSで年間約300件の相談を受け
また、オンラインライブコミュニケーションサービスLivelyTalkのホストとしてお話聴きや悩みに寄り添う活動をしています。

人のお話や悩みにどっぷりと浸かり
それでも続けられる「コツ」を
今日は書き記したいと思います。

やっぱり…疲れます。

まず、先程の質問です。
「人の愚痴や悩みを聴いて精神的に疲れませんか」

その答えは、
疲れます、です。

それは疲れます。
なので、一日で聴ける時間というのを自ら設定しています。

どんなに長くても一回一時間。

それ以上は惰性になってしまい、集中力も欠けてきます。
結果、クオリティが下がり
良い「聴く」ができなくなります。

声や表情の見えないメッセージ

メッセージのやり取りは、もっと早く集中力も切れる事が多いです。

それは、声や表情がない文字だけで
相手の気持ちやその裏にある思いに触れないといけないので、神経と思考は常に全集中です。
そしてメッセージは声に出して話すよりも時間が長くかかる事が多いです。
文字入力に時間がかかるということと
話すよりも気持ちをさらけ出しやすいので
お話聴きの時間が長くなることが多いのです。

集中力が切れる前に
一度目線を外し、休憩がてら少し歩いて移動などして、少し気持ちを離してからもう一度メッセージに向かったりするなど
工夫もしています。

「聴く」心構えとは。

聴く時間を決め、集中力を保つ聴きかた。
その他に大切なのは、聴く心構えです。

相談者の人生の一部を共有してもらい
それを共感して認めてあげること。
お相手の心にある感情を自らが味わうこと。
それが「傾聴」だと言われます。

しかし、
傾聴もしすぎるのはよくありません。
それは、自分が苦しくなるからです。

同じ思いを共有して、自分の事のようにしてしまう。
それを繰り返していくと、心に疲れやダメージが蓄積され
ある日突然爆発します。
それは時限爆弾のように。

そうならないためにはどうするか。
それは「他者と自分を切り離す事」が
大切だと考えています。

お相手の感情を味わいつつ、共感し
時には涙を流して話を聴くこともあります。

でも、それはお相手の人生であって
私自身の人生ではないのです。

お相手は「話を聴いてもらえること。わかってもらえること」
それがほしいのです。

どんなにつらく悲しいお話でも
それはお相手の人生。
私の人生ではないのです。

そうやって他者と自分を切り離す
心構えが必要なのです。

少し冷たく感じるかもしれませんが
より多くの人の悩みや想いに寄り添い
そして勇気や元気をつけてもらうための活動です。
そのため、自分が倒れてしまったり
心が折れてしまうことはあってはならないこと。
だからこそ、他者と自分を切り離す事が
大切だと考えています。

自分の人生に戻る努力

この先の話は
お話を聴く事を仕事にされていたり
よく人の話を聴いてあげているという人によって、だいぶ変わってくると思います。
なので、私自身がやっていること
心がけていることを書き記します。

私自身も話を聴いていて、見えない位置からパンチを喰らうような
そんなダメージを受けて疲れてしまう事もあります。

そんな時は、自分自身をお相手と切り離し
「自分の人生に戻る努力」をします。

それは、
美味しいものを食べたり
歌を歌ったり
お笑い番組で大笑いしたり
とにかく寝たり。

自分自身が「生きてるな」と感じていること。
それをする努力をしています。

そうすることで、自分自身を取り戻し
リフレッシュした状態で再び「話を聴くモード」のスイッチを入れられるようになります。

「話を聴く」は世界を良くしていく理由。

つまり、大きくまとめると
・聴く時間(集中力が保てる時間)を自分で決める
・お相手の人生と自分自身の人生を切り離して考え、自分の人生を謳歌できるように努力する。

この二点がとても大事だと考えています。

今の現代社会はストレス社会だと言われて久しいですが
それよりも怖いのは
孤立、孤独社会だと言うことです。

他者から認められたい。
成果(結果)を出したい。
社会と「同じ」でないといけない。

そのような縛りのような社会から
自分の意思とは関係なく離れてしまった人。
落ちこぼれてしまった人。
「同じ」であることに苦痛を感じる人。

それらの人たちが現代の世の中にはたくさんいて、声をあげたくてもあげられなかったり、声をあげることを禁じられて苦しんでいる人たちがたくさんいます。

その人たちを救うのは
「話を聴くこと」だと思います。

話を聴くと疲れてしまう。

そんな経験がある方に、この投稿が届いて
私もやってみよう!となったなら
どこかの誰かの孤独を無くしてあげられるかもしれない。

そう思って、この記事を書きました。


どこかの誰かに届きますように。
そう願っています。


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