人生は「内定」を集める就活ではない。
ガタン。
電車が揺れるとともに、僕の意識も揺れた。
僕はいつも通りSNSを流し見ていく。
沢山の人たちの色々なボヤキが、まるで記号のように意味を感じらせることなく上から下へと流れていく。
僕は記号の1つに目を止められる。
「大手企業も内定辞退8割越えも…」
あー、やっぱりこういうものか。
今は就活生も企業も心理戦が飛び交うようだ。
自分で事業を立ち上げたこともあり、人を集める大変さもわかる。
「どっちが悪いとかではないんだろうなぁ」
そんなことを思いながら、就活の日々を思い出していた。
就活中、僕は大学にいくことはあまりなかった。
ありがたいことに早くから動いてきたので、素敵な企業に沢山会えたし、1社に絞った僕の就活は無事に終わっていた。学校のお世話にはならなくていいかなと少し強がっていた面もあったが。
そんな僕は、久しぶりに友人と大学に来ていた。
時期が時期なので、黒い服に身を包んだ大学生を校内でちらちら見かけることも多かった。
もちろん僕らは、スーツを来ていない。笑
大学には多くのラウンジスペースが用意されており、いくつかある中の白い島に腰をかけることにした。
すると、2人組の男子大学生が僕らのそばに寄ってきた。
「君たち就活生?俺たち大学の就活支援団体のメンバーなんだけど、今度セミナーやるから来ない?あ、こいつ内定20個は持ってるんだぜ。就活うまくいく方法なんでも教えてあげるよ」
僕らは呆れて、「結構です」と断った。
なんで、そんなに数を集めたがるんだろう。
色んな視野がなさすぎる。
企業も遊んで内定を出しているわけじゃない。
就活生の僕でさえ理解していた。
その内定の数は実績の数でなく
自分を偽った数にしか
僕は思えなかったんだ。
でもきっと内定とは、就活生からは
正解がない中で、自分が認められた証なんだろう。
何が良いかわからない中で、唯一自分が正しかったと認められる証拠なんだと思う。
今日はそんなことを書こうと、黙々と仕事をした終わりにみんなとオフィスのガラス窓の前で足を止める。
「スゲェな、今日の景色めっちゃ綺麗やん。けい今日のnoteにここの写真使いなよ」
そう言いながら、なんだかんだいじってくる同僚たち。
いつも僕のnoteを見ていてくれる友達たち。
ふざけてでも、僕が書くこと発することを認めてくれる人が周りにいる。
そんなものでいい気がするんだ。
そんな思いの横で、景気はいつもより少し綺麗に写っていた。
僕は思わずシャッターを切る。
人生は「承認」という内定を数える就活じゃない。
死ぬまでどれだけの人と、自分のまま向き合えたかなんじゃないかと本気で思ったりするもんだ。
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