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「過去を振り返る」ことは、人に温かさを与えるものだと思う。

過去を振り返るのは、あまり好きじゃない。
現状から逃げているような気がするからだ。


それでも最近は思い出してしまう。
こんな時期だからかな。


今まで僕は、点をつないできた。

色んな事に手を出してみて
去年より、昨日より…とやってきた結果


長く居た場所があまりなかったな。


そう感じる時が最近多い。

飽き性だし、やっていることが一通りできるようになると他のことに目がいってしまう。

そんな性格だったので、色々な場所を転々とし、後輩や先輩と長く慕える人が大学に入ってからはできなかった気がしていた。

もちろん後悔したことはない。
どうせそっちの道を選んでも、今僕がいる道を羨むに決まってる。

ただ、引退や卒業シーズンには
どうしても羨ましく思ってしまう時もある。


僕が1番居場所として
あの瞬間最高だったなと思うのがいつかと言われれば高校生のあのライブだっただろうな。


空間だけで繋がりを感じた夏。

それは6年前。
僕は、ライブハウスに来ていた。
同世代の高校生たちがギターやベースを抱えて、続々とやってくる。

そんな僕…僕らもバンドの大会に出場する1組だった。


黒光りする床。
ステージの照明にあたって光る銀色の柵。
ステージには、ギューンと音を鳴らせる黒いアンプが並び、そこだけ特別に存在するような、そんな空間があるかのような。


「あぁ、これからあそこで歌うんだ」
想像しながらワクワクしていた。

一般の人が入れない控え室は、出演バンドの荷物でごった返していた。そして、部屋の角にあった小さな冷蔵庫には、協賛のエナジードリンクが壁のように敷き詰められていた。


僕らはそれを取り、他のバンドのリハーサルを眺めていた。


200〜300人はいただろうか。僕らの番が来た。僕らのライブは、それはそれははちゃめちゃだった。

ライブハウスのスタッフさんには、先に許可を取って返しに足をかけるのが僕の個人的なこだわりだった。

熱い。汗が水蒸気になり、ライブハウス全体にモヤがかかって見える。


ステージといえど10〜15センチほどしかないが、そこから見える景色は同じ場所とは思えない感覚だった。そこに立つ人だけが、特別だと言うことを語ってくれるようなそんな感覚。

そして最後の曲。
僕は正直あまり覚えていない。


でも最高だったということだけは覚えてる。


景色が白黒に見えて、なんなら歌詞も考えずに、勝手に口が歌っていたような感覚だった。


暑いなぁ。スポットも空気も。


それでも気持ちよかった。
目の前では敷き詰められた人たちが、手を挙げ叫んでいた。

メンバーのみんなはどうしてるかな、と右を見たとき、ギタリストと目が合った。汗だくになりながら僕たちは笑っていた。


「お前話していないのにきっと同じこと考えてるだろ。笑」


そんな思いがお互い伝わるような気がした。
思わず2人で背中を合わせ、格好つけていたっけな。


この瞬間だよ。
人と繋がることの気持ちよさを覚えたのは。


この世の中には無駄なものが多い。
ほとんどのものは無くてもきっと生きていけるだろう。


だが、そういうものが大事だと思う瞬間は、これまでどれだけあっただろう。


歌うように軽やかに、そして楽しく。

誰かとそんな瞬間を共有するのは
ステージだけじゃなく、これから立つ全ての場所がいいな。


あー、やっぱりチームっていい。
みんなで感じるグルーブ感って最高だよね。



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