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【共同通信杯2024】東京芝1800mの特徴と馬場傾向(トラックバイアス)

共同通信杯の好走傾向=先行有利

共同通信杯(東京芝1800m) 過去5年好走馬直線進路

直線平均進路:8.1頭目÷大外平均:13.4頭目=馬群内直線位置:60%
4角平均位置:3.6番手÷出走平均数:12.0頭=馬群内道中位置:30%
好走馬上がり3F平均タイム=33.85秒

3歳冬に行われるクラシックの登竜門レース。過去10年30頭の好走馬のうち、13頭が皐月賞・日本ダービー・秋以降のクラシックGⅠや古馬混合重賞や混合GⅠで結果を残している馬ばかりで、このレースで好走する馬は世代のトップクラスばかりに該当している。
これからのクラシック戦線を追いかける上で超重要事項となるこのレースを仕留めるヒントを考察していきたい。

“ほぼ”ワンターンの3角コース

東京芝コース図

東京芝1800mは2角奥に斜めに引かれている引き込み線からスタートし、160mですぐに2角を迎える。これを除くとほぼワンターンでしば1600mと一緒のようだが、スタートからすぐにコーナーを迎えるためにここで隊列がある程度決まってしまいペースが落ち着くといった特性が出る。
一度決まった隊列、落ち着いたペースが向正面→3~4角→直線と続くために展開は終盤での加速力くらべ、上がりの瞬発力勝負になりやすい。
コーナー角はあまりキツくない上に向正面も直線も広く長いために器用さは問われず、上がりの速さや世代限定戦になると完成度が能力が問われるコースだ。

後半加速だから距離短縮優勢

東京芝1800m前走距離別成績

レース全体のスピードを要する事なく、後半での加速力・瞬発力・ギアチェンジ性能といった能力が問われるレース展開になれば、必然的に距離を短縮する馬に優勢となる。
過去3年のコース全体の前走距離別成績を見ると、200m延長する1600mと400m短縮する2200mの好走率はあまり変わらない。実際には大半のコースがマイルだと当舞台と同じワンターン、2200mは全てツーターンの周回コースのため根本的なコース形態はマイルの方が近しいように感じるものの、結果はそうではないことがとても興味深い。

馬場が解れて上がり上位優勢

2月3週目上がり上位着順結果(丸数字は着順)

共同通信杯が行われる週は芝の生育が芳しくない冬場な上に開催3週目で芝の傷み、解れがみられてくる時期。程よく芝が解れるが故に直線での末脚が生かされやすい馬場状態が毎年繰り返される。
過去5年、共同通信杯が行われた週の上がり3位以内の成績をまとめてみたが、全55Rで上がり上位が絡まなかったのはたったの2Rのみ。複数の馬が圏内だったのが39R(70.9%)と超高確率で上がり上位馬が絡んでいるのだ。
ペースが緩むという展開的な側面だけでなく、芝が傷む(=解れる)といった馬場状態の側面も上がりの重要視を高める要因となっている。

当週の馬場傾向

<トラックバイアス>
2019年 日曜:5.6/月曜:5.4
2020年 土曜:6.9/日曜:8.3
2021年 土曜:6.8/日曜:6.0
2022年 土曜:6.1/日曜:8.7
2023年 土曜:5.6/日曜:4.7
※数値はその日の3着内馬がL1Fで内ラチから何頭分離れた場所を走ったかの平均値

先述にもある通り、Dコース開催3週目で内側を中心に芝の傷みが顕著となり、それまで見られていた内有利のバイアスは限りなく消失傾向に近い。コースのどこからでも好走馬が出る「馬場差無」で力があればどこからでも構想が可能な年が多い。
今年は先週日曜日に猛烈な内有利が見られたが、これは土曜夜から降った雨が内側から乾いた影響があったことが理由で、経過による馬場状態ではないだろう。
関東地方は月曜昼から降雪/積雪となったため馬場は相当な水分を含んでいると推測する。週末まで馬場が乾かないことも想定しておきたい。

注目馬

◎ジャスティンミラノ
前走新馬は危なげない勝利。上がり33.4の鋭い脚はこの舞台にもあるだろう。この舞台と同じ“ほぼ”ワンターンの東京芝2000mを勝利、その2000mからの距離短縮で、上がりスピードも兼ね備えていると考えれば上位推奨せざるを得ない。

○ベラジオボンド
前走はコースにクセがないために実力を発揮されやすい阪神芝1800mの新馬戦を快勝。上がりタイムは33.9秒で末脚もあって申し分ない。人気を背負うであろうジャンタルマンタルと芝1800mの持ち時計さは0.1秒と遜色はなく、それでいて注目が薄いのであれば狙ってみたい。

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