「TARGET frontier」で実際に牝系分析する方法をお伝えします。この方法はあくまでも簡易的なものなので、ファミリーナンバーや名牝系で分析する、という高度な牝系分析を試したい方は「TARGET frontierで牝系分析してみよう（上級編）」をお読みください。

①牝系を辿ってサンプル数を確保しよう

「TARGET frontierで牝系分析してみよう（初級編）」で牝系分析がマイナーな理由として、十分なサンプル数が確保できない、ということを挙げました。

種牡馬なら産駒が数百～数千頭いるので、その産駒をまとめて分析することでその種牡馬の特徴が掴みやすい。一方、牝馬は多くても10頭前後しか産まないのでその産駒をまとめて分析してみても、その牝馬から産まれた産駒がどのような特徴を持つのか掴みにくい、ということです。

そこで牝系分析は、サンプル数が少なければ増やせばいいじゃない、ということでサンプル数を増やして牝系分析を行います。

つまり牝系を遡って、たとえば、おばあちゃんからの産駒（子と孫）をまるっとその牝系として分析します。お母さんからには10頭しか産駒がいなくても、おばあちゃんからなら子供と孫の2世代分のサンプルが確保できます。

このように牝系の場合は、いとこ、またいとこ、おじさん、おばさん、おおおじさん、おおおばさんなども含めた形で十分なサンプル数を確保し、同牝系として分析を行います。それによりその牝系のおおまかな特徴が（種牡馬ほど顕著ではないにしろ）掴むことができます。

②TARGET frontierで実際に牝系分析してみよう

今回は白毛で有名なソダシのおばあちゃん、シラユキヒメからの牝系分析を行います。

TARGET frontierでソダシの血統表を出して、シラユキヒメの欄の上で右クリックし、「シラユキヒメからの牝系子孫（ファミリーライン）を展開する」をクリック。

シラユキヒメの娘、孫娘など、シラユキヒメの牝系に連なる牝馬が表示されるので、ここで上部の「検索」から「各繁殖牝馬からの産駒（登録馬のみ）の一覧）」をクリック。産駒の年齢範囲の指定を聞かれるので、デフォルトの状態で「OK」をクリック。

これでシラユキヒメ牝系に属する産駒一覧が表示されます。全32頭なので、サンプル数としてはちょっと心もとないのですが、サンプル数が少ない場合は、さらに牝系を遡って、たとえばシラユキヒメのお母さんのウェイヴウインドを起点にして調べてみるなど試行錯誤してみてください。

産駒一覧が表示されたら、ウインドウ右上の「一括戦績」をクリックし、次にレース条件を指定します。シラユキヒメ牝系の芝1200mでの競争成績を知りたい場合はそのように指定し、シラユキヒメ牝系の特徴をざっくり掴みたい場合はとくにレース条件は指定せずに「次」を押してレース検索します。

これでシラユキヒメ牝系産駒の競争成績が一覧表示されます。この競争成績を分析することで、シラユキヒメ牝系がどのような特徴を持っているのか掴めます。

競争成績一覧が表示されたら、「項目集計」をクリックします。続いてその横の「騎手」をクリックすると様々な項目が表示されますので、ためしに「距離」をクリックしてみましょう。

シラユキヒメ牝系産駒の距離別の成績が表示されました。これを見ると、出走が1800m以下に集中していることが分かります。と同時に1900m以上は出走自体が少なく、特に2200mを超えると2着が1回あるだけで、後は凡走していることも分かります。シラユキヒメ牝系のソダシにはオークスの2400ｍは長かったと牝系サイドからも分かる訳です。また同牝系のメイケイエールは1200mのスプリンターズSで出走し、7番人気4着と好走しましたが、牝系から好走する下地は十分にあったと言えます。

このように牝系を分析することで、父系からは分からないことが掴めることも少なくありません。

③TARGET frontierでの牝系分析の限界

TARGET frontierで牝系分析方法をお伝えしましたが、TARGET frontierではこのレベルの牝系分析が限界です。

ソダシは、2-w号族に属していますが、「まるっと2-w号族の特徴を知りたい」とか「スカーレットインク系に属する産駒を牝系名でピックアップしたい」といったことがTARGET frontierの標準機能ではできません。

そんなのはイヤだ！もっと牝系分析を極めたい！という方には、とっておきの秘策をご用意しましたので、ぜひ「TARGET frontierで牝系分析してみよう（上級編）」をお読みください。