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6月5日、6日 新馬戦

6月5日と6日で東京と中京で新馬戦が行われました。
その新馬戦のラップタイムと評価を書いておきたいと思います。
評価は来年のクラシックやG1に向けて見た時の評価です。
そのために短距離路線向きであろう馬の評価は低めになります。
マイル以上にG1が偏っているためにそのあたりはご了承ください。
そのために必ずしも1着馬が一番高い評価になるとは限りません。
個人の主観なので競馬専門誌の評価とは異なると思います。

ではいきましょう

6月5日 東京5R
晴れ 良馬場
クッション値 9.3
含水率
4C 16.5
G前 16.6

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ペースはスロー
レース評価 B+
次走以降の参考度 B
良馬場ではあるもののクッション値や含水率からすると少し柔らかい状況
この前のレース時には芝は稍重の状況、ダートは重だったことを考えればスピードだけでなくパワーも求められる状況
馬場状態、ペースから前有利

1着 コマンドライン
父  ディープインパクト
母  コンドコマンド
母父 Tiz Wonderful
兄弟 アルジャンナ、トレデマンド
評価 B+
兄や姉が460キロほどの馬体だったがこの馬は512キロ
春の時点で550キロだったのでそこからだいぶ絞ってきた印象
レースはスタートを決めて道中4番手
直線に入り追われるも加速に若干手間取るがスピードに乗ると最後は持ったままで後続を突き放し完勝
ただし、馬場状況、相手関係を考えたときに今回の結果を鵜呑みにするのは危険かも
器用さは欠ける印象でいかにも東京向き
中山のような小回りの瞬発力勝負になると厳しいかも
適正距離は1600~1800mの印象も世代戦なら2000mまでは持ちそう

2着 コンクパール
父  American Pharoah
母  A Z Warrior
母父 Bernardini
兄弟
評価 C
アメリカンファラオの産駒は基本海外だと芝、日本だとダート向きに出ることが多い
その理由は明確で海外(アメリカ)だとダートの方がタイムが早く、日本だと芝の方がタイムが早い
特に日本だと芝は瞬発力を求められるレースが多くその瞬発力勝負に対応しきれない馬が多いから
このレースで見てみると稍重に近い状況の馬場状態を味方にし逃げて直線早めに仕掛ける
勝ち馬にすんなり交わされるも3着には2馬身差をつける
瞬発力勝負は厳しい
スピードの持続力はあるタイプなので芝では今後も勝ちきれない状況が続く可能性が高いがダートではよさが生きそう
距離的には1400~1800がベスト

3着 フェスティヴボス
父  ノヴェリスト
母  フジチャン
母父 ネオユニヴァース
兄弟 ボクイケメン
評価 C
ダート向き
良馬場のスピード勝負には厳しい
器用さにもかける印象
芝で勝ち上がるのは難しい印象

6月5日 中京5R
曇り 良馬場
クッション値 8.5
含水率
4C 14.5
G前 15.7

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ペースはスロー
レース評価 B
次走以降の参考度 B-
良馬場ではあるもののクッション値や含水率からすると少し柔らかい状況

1着 クラウンドマジック
父  エピファネイア
母  クラウンドジャック
母父 ヴィクトワールピサ
兄弟 リオンジャック
評価 B
タイミングが合わず出遅れ
道中は無理せず後方から運び直線外に出してから鋭く伸び勝利
出遅れがなければもっと楽なレースができるだろうし好位から運べるようならば末脚はもっと生きてくるはず
芝向きで距離はある程度こなせそう

2着 ラクスバラディー
父  ドゥラメンテ
母  リッチダンサー
母父 Halling
兄弟 バウンスシャッセ、ムーンクエイク、コントラチェック
評価 B
道中好位置から運び直線も勝ち展開からゴール前勝ち馬に交わされる
距離的にはマイルがベストそう
将来的に成長すればかなり強くなりそう
次走にも初勝利できそう

3着 スズカワールド
父  ワールドエース
母  カカリア
母父 ヨハネスブルグ
兄弟 スズカガーベラ
評価 C
いいスピードはありそうでもっとスピードが生きる良馬場の1400mあたりで見てみたい
走り方からコース的には直線の短いコース向きかも

6月6日 東京5R
小雨 良馬場
クッション値 9.5
含水率
4C 14.7
G前 13.4

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ペースはスロー
レース評価 B+
次走以降の参考度 A
土曜日より馬場は良くなったものの依然としてある程度のパワーも必要な状況
牝馬限定戦ではあったがメンバー的には土曜日の新馬戦よりも上
リアアメリアの半妹やステラヴェローチェの半妹、アドマイヤミヤビの全妹など揃う好メンバー
2-4着馬も近く勝ち上がってくるであろうレース
来年の桜花賞に複数頭出てくるレースになる可能性は低くない
あと、個人的にですが・・・
新馬戦というのは非常に重要で特にレースぶりが重要だと考えています
(勝ち方ではなくレース内容という意味です)
例えて言うと1頭だけ能力がずば抜けてて圧勝するよりも強いメンバーと戦って2着や3着の方が価値があるという意味
(勿論厳しいレースで勝つに越したことはありません)
今年のダービー馬シャフリヤールもそうですよね?
初戦でノースヒルズのヴィヴァンと厳しいレースをしたからこそいまのシャフリヤールがあると思うのです
そういう意味でもこのレースの上位馬にとっては非常に得がたい経験をしたと思います

では実際にG1勝ち馬の初戦の着差を見てみましょう
(芝G1馬、芝デビューに限ってます)
・エフフォーリア   1着 0.1秒
・グレナディアガーズ 2着 0.1秒
・シュネルマイスター 1着 0.1秒
・シャフリヤール   1着 0.0秒
・ソダシ       1着 0.4秒
・ダノンザキッド   1着 0.5秒
・ユーバーレーベン  1着 0.0秒
・コントレイル    1着 0.5秒
・サリオス      1着 0.3秒
・デアリングタクト  1着 0.2秒
・ラウダシオン    1着 0.2秒
・レイパパレ     1着 0.3秒
・レシステンシア   1着 0.2秒
・アドマイヤマーズ  1着 0.0秒
・クロノジェネシス  1着 0.3秒
・グランアレグリア  1着 0.3秒
・サートゥルナーリア 1着 0.2秒
・ダノンキングリー  1着 0.0秒
・ダノンファンタジー 1着 0.3秒
・ラヴズオンリーユー 1着 0.2秒
・ロジャーバローズ  1着 0.2秒
・ワールドプレミア  1着 0.0秒
・アーモンドアイ   2着 0.3秒
・インディチャンプ  1着 0.0秒
・エポカドーロ    3着 0.5秒
・ケイアイノーテック 1着 0.3秒
・ステルヴィオ    1着 0.3秒
・タイムフライヤー  2着 0.1秒
・タワーオブロンドン 1着 0.4秒
・ダノンスマッシュ  2着 0.0秒
・ダノンプレミアム  1着 0.7秒
・ノームコア     1着 0.6秒
・フィエールマン   1着 0.0秒
・ブラストワンピース 1着 0.2秒
・モズスーパーフレア 1着 0.1秒
・ラッキーライラック 1着 0.2秒
・ワグネリアン    1着 0.0秒

どうでしょう?
意外と厳しいレースをしている馬が多いと思いませんか?
基準としては0.0~0.3秒といったところでしょうか
着差にすると1馬身半差以内ということになります
もちろんコントレイルやダノンプレミアムのような例外もいますけどね
ただし、コントレイルの場合2戦目で乗ったライアンムーアが最後までビッチリと追い気を抜かせないことを教えたという面もありますが・・・。

では話を戻して上位馬の評価にいきましょう

1着 クレイドル
父  クロフネ
母  オーマイベイビー
母父 ディープインパクト 
兄弟 ステラヴェローチェ 
評価 A
道中好位置から運び直線もしっかり伸びる
最後まで交わさせず好内容
ステラヴェローチェと違い父がクロフネになったぶんマイラー色は濃いそうで距離の限界はありそう
順調にいけば桜花賞やNHKマイルで見れそう
長くいい足を使えるタイプだと見れるので瞬発力勝負にならなければ・・・

2着 レディナビゲーター
父  ハーツクライ
母  レディスキッパー
母父 クロフネ
兄弟 アドマイヤミヤビ
評価 B+
スタートでワンテンポ遅れる
道中は中団で運び4コーナーから外を回り直線大外から伸びる
リアグラシアを競り落としクレイドルに迫ったところがゴール
結果的に出遅れが響いてしまう形になった
姉アドマイヤミヤビはオークスで3着の後屈腱炎で夢半ばで引退となったがその姉もデビュー戦は2着
姉同様に距離は伸びても良さそう
オークスまでにハーツクライ産駒特有の成長の谷間が来なければ・・・

3着 リアグラシア
父  キングカメハメハ
母  リアアントニア
母父 Rockport Harbor
兄弟 リアアメリア
評価 B
スタートを決めて先団後ろでクレイドルを見る位置取り
直線馬場の真ん中から追い込み体制
姉ほどの爆発力はなくじわじわ伸びるもレディナビゲーターに交わされ3着
ただ、この馬が悪かったというよりも上位2着馬が現状力が上だった
距離的にはベストは1400mあたりになりそうでマイルはギリギリ
1400mならもう少し弾けるかも

6月6日 東京6R
小雨 良馬場
クッション値 9.5
含水率
4C 14.7
G前 13.4

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ペースはスロー
レース評価 C
次走以降の参考度 C
上位に入った馬たちがレース前の血統面からもダート馬の印象
メンツを見ても正直レベルが高かった印象はない
G1戦線に向けてという意味では関連度は高くない

1着 ビーオンザマーチ
父  モーリス
母  ヴィクトリーマーチ
母父 アグネスタキオン
兄弟 サトノファイター
評価 C
兄はダートで2勝、障害で1勝
スタート後鞍上が促し先団後ろのインにつける
直線で馬場の真ん中に出し加速
最後内に少しよれながらも耐えて1着
距離がこれ以上伸びるのは良くなさそう
パワーはありそうでダート短距離の方が合っている気もするが・・・

2着 サトノストロング
父  ストロングリターン
母  アンコールピース
母父 ネオユニヴァース
兄弟 シャドウセッション
評価 C
スタートは好発その後無理をせず楽に中団外に付ける
直線入口で内にいた馬と接触するも力負けはせずそこからしっかり伸びるも差しきれず2着
血統からはダートの印象でダートなら道中もっと楽に好位置を取りに行けると思うが・・・
人気がなかったのもおそらくその影響だと思われる
芝だと距離的に1400mがベストかな

3着 マニカルニカ
父  エピファネイア
母  シャクンタラー
母父 ゼンノロブロイ
兄弟 初仔
評価 B-
スタート後無理に追わず後方待機
馬のリズムを重視することが多い福永騎手らしい騎乗
エピ産駒らしいいい足を使い追い込んでくるも3番手に上がったところがゴール
母が芝の1800mと2000mで勝利を上げていること、父がエピファネイアということを考えればなぜ1400mでデビューすることを選んだのか疑問
この距離でのデビューを選んだのがノーザンなのか、クラブなのか、調教師なのかは分からないが・・・
距離はせめてマイルはほしいし、もっと言えば中距離でもっと良さが出ると思う
あと、随所に幼い面を見せているのでその辺も成長して欲しい
※中距離なら化ける可能性あり

6月6日 中京5R
曇り 良馬場
クッション値 8.6
含水率
4C 14.1
G前 14.0

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ペースはミドル
レース評価 C
次走以降の参考度 C
勝ち馬がうまく自分の得意な形に持ち込んだ印象
基本的には中京の特性通り前有利
メンバー、レース内容共に平凡

1着 ブレスレスリー
父  アメリカンペイトリオット
母  ハッシュ
母父 コマンズ
兄弟 コートゴシップ
評価 C
日本では珍しくDanzigの3x4のクロス持ち
スタート鞍上に促され加速し先頭にたつ
その後一度も先頭を譲らず自分の形に持ち込み勝利
ただし、ラップタイムで見るとラスト1ハロンがその前の1ハロンと比べ0.6落ちの12.2
距離的にマイルは厳しそう

2着 スタニングローズ
父  キングカメハメハ
母  ローザブランカ
母父 クロフネ
兄弟 バンゴール、ロサグラウカ
評価 C+
道中は先団につけるも行きたがる面を見せる
直線入口の登り坂では顔向けの悪いところを少し出し多少寄れていたが登りきってからはしっかりと前を向いて走る
最後までじわじわと差を詰めるも1馬身1/4差で2着
全姉が1600-1800で計5勝を上げている面も加味すれば1400mは短いのと今回のペースはこの馬には合ってない
次は距離延長で見てみたいのと精神的に成長の余地を残す
あと、もしかすると平坦コースのほうがいいのかも

3着 マイネルレノン
父  ダイワメジャー
母  コスモルーシー
母父 マイネルラヴ
兄弟 レオンドーロ
評価 C
スタートを決めて先団につける
直線もしっかり伸びるも前との差はつまらず3着
母が短距離馬、父がマイラー量産のダイワメジャーからこの距離を選んだんだろうけどもう少し距離がある方がいいのかも
次はせめてマイルで見てみたいのともっと積極的な競馬のほうが合っているのかも

以上が6月5日、6日に行われた新馬戦5Rの評価になります

個人的にはコマンドラインよりもクレイドルとレディナビゲーターの方に期待したいと思います
そしてコマンドラインの新馬戦で感じたことはノースヒルズはコマンドラインの能力を測りにきたなという印象
ノースヒルズの今年のエースはサンセットクラウドかトゥデイイズザデイの2頭のどちらかだと思います
その2頭が今後戦うかもしれなく、前評判の高かったコマンドラインに対し能力を測り、競走馬としてのタイプなどを知るために放たれた刺客がコンクパールだったと思います
そういう意味でノースヒルズがこのレースでどのような印象と手応えを感じたのか非常に興味深く思います
ただ、ノーザンもキズナ、コントレイルとディープの後継や代表産駒とも言える2頭を出しているノースヒルズを意識しているでしょうし、昨年ノースヒルズの期待馬だったヴィヴァンの新馬戦にシャフリヤールをぶつけてきたように、ただ手をこまねいているようなことはしないと思うので今後もこの関係性には注目が必要だと思います

ではまた来週のレース回顧でお会いしましょう

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