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-5月19日|ジョン・クラッセン『ドクロ』

現在書店フロアで開催中のパネル展のお知らせです。
絵本作家、ジョン・クラッセンの新作ファンタジーは、少し不気味な物語。

お話は、隠れ休む場所をもとめ彷徨う小さな女の子のシーンからはじまります。雪降る中、不安いっぱいに暗い森を進むオティラ。
と、森深くに古い屋敷を見つけます。
ガンガンと、戸をたたき「こんにちは」と声を呼びかけると窓から覗いていたのはなんと頭蓋骨。そして…

オティラは何から逃げていたのでしょう…。

ドクロと始まる静かな交流、そしてお屋敷の素晴らしき魅力。

オティラは何から逃れてきたのでしょうか。
ドクロを恐れないオティラと、丁寧な言葉を使い来客を無碍にしない紳士的なドクロの存在。
この世の怖いものは死者ではないのかもしれません。ダークで歪に見えるキーワードも、ジョン・クラッセンのユーモアのひとつ。
落ち着いた語りのお話と、淡くくすんだ色彩が織りなす心温まる物語をどうぞお楽しみくださいませ。

柴田元幸さんの署名入りの書籍も入荷しております。
MONKEYのバックナンバーコーナーも併設

版元であるスイッチ・パブリッシングのWEB特設ページより


日本でもロングセラーとなった『どこいったん』、権威ある児童書の賞である米コールデコット賞と英ケイト・グリーナウェイ賞をW受賞した『ちがうねん』など、その著作が世界中で親しまれている米カルフォルニア在住の絵本作家・イラストレーター、ジョン・クラッセン。そのクラッセンが昨年発表した新作絵本『ドクロ』を、翻訳家・柴田元幸の訳により刊行。

原書The Skullは2023年7月に刊行されるやいなや、ニューヨーク・タイムズ誌の絵本ベストセラー・リスト週間第1位を獲得。同年の米老舗書評誌カーカス・レビューによるカーカス賞最終候補や、ウォール・ストリート・ジャーナル誌ベスト・ブック・オブ・ザ・イヤー(児童書部門)にも選出されました。少女と“ドクロ”との交流を描いた本作『ドクロ』には、洗練されたデザインやイラストレーション、機知に富んだユーモア、温かくも不気味なストーリーなど、クラッセンらしいエッセンスが詰め込まれています。
巻末には、本作執筆の不思議な顛末が綴られた著者あとがき、作家と作品の魅力を解説した柴田元幸による訳者あとがきも収録。

 

ジョン・クラッセン Jon Klassen
1981年生まれ。カナダ出身の絵本作家、イラストレーター。2012年刊行の『ちがうねん』は、権威ある絵本の賞であるコルデコット賞とケイト・グリーナウェイ賞をダブル受賞。他に『どこいったん』、『そらから おちてきてん』、絵のみを担当した『木に持ちあげられた家』(テッド・クーザー作)など。その著作は世界各国で翻訳され、親しまれている。ロサンゼルス在住。

柴田元幸 Motoyuki Shibata
1954年生まれ。米文学者、東京大学名誉教授、翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウンなどアメリカ現代作家を中心に翻訳多数。著書に『ケンブリッジ・サーカス』、訳書にジャック・ロンドン『犬物語』、マシュー・シャープ『戦時の愛』など。2017年、翻訳の業績により早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。文芸誌『MONKEY』の編集長を務めている。

担当 原口

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