20240401:2024年のエイプリルフール
私とエイプリルフール
エイプリルフールという風習はほとんどの企業、人間にとって鬼門なんじゃないかと思い始めてから数年が経った。
その理由は単純で、「人を不快にさせない嘘をつき、ネタばらし後にがっかりさせない」というのは非常に難しいからだ。さらに最近のエイプリルフールの性質を鑑みると、ここに「人を驚かせるようなインパクトがある」というのも条件になってきているように思う。
単に嘘をつくだけならほとんどの人ができる。ちょっと頭を使えば「人を不快にさせない嘘をつく」こともほとんどの人ができるだろう。朝ご飯にパンを食べてから「今日は朝ご飯にご飯を食べた」とでも言えばいい(TPOによってはこれで不快になる人もいるかもしれないことは留意する)。
やはり「人を驚かせる」となるとこれは本当に難しい。
マイナスな嘘→ネタばらし後に相手を安心させることは出来るが、嘘をついた時点で不快にさせてしまう。また「やりすぎ」てしまうリスクも高い。
プラスの嘘→相手に「ぬか喜び」をさせてしまい、ネタばらし後にがっかりさせてしまう。
普通に考えればこうなる。
まして、SNSなどの不特定多数に閲覧されるような場所で嘘をつけばその分リスクも高い。そう思うと、よっぽどすごい戦略でもなければ嘘なんてつかないに限る。冗談がわからない人だと思われる方が低リスクだろう。
少なくとも私はそう思う。
ソシャゲとエイプリルフール
特にソシャゲ界隈ではエイプリルフールはイベントの1つとして扱われていることが多い。この場合はもう「イベント」として割り切ってしまっている以上、あまりリスクは高くないと感じる。
高いのはリスクではなく、エイプリルフールに向けてコンテンツを作るためのコストだ。4/1が休日でない場合、コンテンツを遊ぶユーザの大変さも跳ね上がる。
しかし、これに関しては数年前がピークで、今はやや落ちついているように思う。落ちついているというか、エイプリルフールが1日で終わらなくなったと言った方がいいかも知れない。これならせっかく手間をかけて作ったコンテンツがたった1日で消費されずに済む(消費しきれないこともあっただろう)。その代わりエイプリルフールという概念は破壊されるが、それで困る人もそういないだろう。
エイプリルフールという名目でいつもと毛色の違うイベントを開催できるという点でソシャゲの運営側もユーザー側もWin-Winの関係を築けているところが多いのではないかと思う。嘘から出た実形式でエイプリルフールコンテンツが正式なコンテンツになる場合も少なくない。
まあ、これはFGOなどの例外もある(相変わらず1日限定のアプリを実装している)が、これを悪く言っているわけではない。
その他企業とエイプリルフール
マンガ・小説関連のコンテンツではいわゆる「嘘予告」みたいなものが多い。今年は物語が思わぬ展開に進む予告などの「コンテンツ内完結型」、他作品とのコラボを予告する「コラボ型」、舞台化やアニメ化を予告する「メディアミックス型」などを見かけた。
※ ちなみに、コラボ型に関しては相手に許可を取ってやっている場合、コラボしたいは既に成立しているため、既に嘘ではなくなっているという矛盾もある。
その他としてはメーカー系は「嘘商品告知」で、VTuberでは「性転換配信(?)」などをやっているのを見かけた。この辺りはあまり詳しくないので、間違っていたらすみません。
エイプリルフールと許される「嘘」
これは「嘘はつくが、騙さない」というのが大切だと思う。
具体的に言えば、見てすぐに「これは嘘だ」とわかるようにしておく。嘘新商品の告知なら発売日を1000年先にしておくとか、嘘舞台の告知なら会場を嘘劇場にしておくとか、それくらいのわかりやすさは欲しい。
というか、ハッシュタグで「#エイプリルフール」ってつけておくくらいでちょうどいい気がする。
これで面白くないと思うようであれば、それはもう「騙す側」の気持ちになってしまっていると思う。企業としてエイプリルフールというイベントに乗るのであれば、顧客である「嘘をつかれる側」の気持ちになって企画を考えないとどう考えても失敗するリスクは高まる。
騙されたと感じている人に対して「よく見れば嘘だってわかりますよ」と説明したところで「馬鹿にしてる!?」となるのがオチだし、そんなことになるくらいなら「#エイプリルフール」のタグをつけておいた方が安全だ。
また、「がっかりさせない」ために「嘘告知」の後に「本告知」を持ってくるタイプのイベントもそこそこある。それはもう嘘ではないのだが「エイプリルフールに嘘をついていない」ことは悪ではない。
まとめ
だらだらと書いてしまったが、私はエイプリルフールアンチというわけではない。
ただ、自分の好きなコンテンツや人間がエイプリルフールで炎上して欲しくないという一心でエイプリルフールの嘘について一生懸命考えてしまった。エイプリルフールにしか見られないまさしく「四月馬鹿」的なコンテンツは好きだし、良いイベントとしてこれからも盛り上がっていって欲しいと思っている。
また、一番大変なのはエイプリルフールとは関係なく、新年度の「本物の」告知をする人だと思う。「#本当」ってハッシュタグがついているのを見たときには「マジかよ」と声が出た。
おまけ(今年見たエイプリルフールコンテンツ)
あんさんぶるスターズ!
映画『恋する♡すくらんぶる』の俳優にESアイドルが!?
八神千歳先生とのコラボ(?)。
魔法使いの約束
マフィアパロ「アルテレーゴの掟」開催。
普通にイベントを告知しているため、嘘感は少ない。
メギド72
メギド73になった。
後日「何か」があるらしい。エイプリルフールをずらすな。
ジャンププラス
怪獣8号と忘却バッテリーのコラボ。
アニメ化作品繋がりのコラボ?
SAKAMOTO DAYS
公式Twitterアカウントが「SHISHIBA DAYS」「OSARAGI DAYS」になる。
ボボボーボ・ボーボボ
舞台化発表。
嘘告知の後に本当に舞台化することを発表。
他にも見たけど、思い出せるのはこの辺りだ。やはりボーボボの舞台化が印象的すぎる。
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