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少年ジャンプ2024年8号感想

前号が合併号、しかも土曜発売だったのもあってめちゃくちゃ久しぶりにジャンプを読んだ気分!!!実際、これだけ期間が空くのって年末年始くらいなので全く落ちつきませんでした。

また、今回は時短のため、試しに音声入力で感想を書いてみています。とはいえ、音声入力したものをある程度は整形するのでどれくらい時短になるかはわかりませんが……。

2024/01/23発売
表紙:アンデッドアンラック
巻頭カラー:アンデッドアンラック
センターカラー:キルアオ
センターカラー:姫様“拷問”の時間です(出張読み切り)
センターカラー:あかね噺
読み切り:姫様“拷問”の時間です(出張読み切り)


巻頭企画

今回はMONSTERSの配信に合わせて細谷佳正さんと花澤香菜さんのインタビューが載っていたんですが、読んだ感じアニメも期待できそうだったので楽しみです。これをアップする頃にはAmazonプライムで見られるようになっていると思うので、落ちついたときに見る予定です。感想も書けるといいですね。

また、電子版定期購読者限定のジャンプのロゴフィギュアを結構いいなと思っているんですが、なにに使うか全然わかんないので結構悩んでいます。普通に赤ロゴ版が欲しい。ただこれ、3,500円だと思うと買う前に冷静になってしまう絶妙な値段設定なんですよね。

応募締め切りが2月中旬なのでもうちょっと悩もうと思います。これ買うよりも普通に坂本のフィギュアの方を買った方が良いんじゃないかとも思う。

アンデッドアンラック

No.191 Top=Bull=Sparx

巻頭集合イラスト、こんなに仲間が増えた(増える)んだ!!!と感慨深くなれてよかったです。全ループでは見られなかったような笑顔の人が多いのもうれしい。しかしここにルインがいるのはやっぱりこいつも仲間に……!?と緊張感がありました。嫌なわけではないんですが、あの状態からどうやって仲間になるのか、全然想像できないので今後が楽しみ。

なんでショーンだけちょっと薄くなってるんだろう、もしかして死んだ!?って思ったんですが、普通に不可視で透けてるだけですね。ショーン最近透けてるのがデフォルトになってない!?

ここにちゃんと安野雲がいるのも胸熱。でも実際、安野雲はみんなと時間もずれてしまっているし、今ループではそもそも否定者になっていないっぽいのでラストバトルではどういう立ち位置になるんでしょうね。このまま自分の人生を全うするのがが一番幸せなのかも、とはおもうんですがリメンバーを使うことになったら記憶を取り戻す可能性はあるし……。まだ再登場の可能性はあるんじゃないかと思っています。そこから戦いには直接参加しないけど、最後に作品を書くことになるとかそういうのはありそう。かも。

本編の方は1話まるまる敵の円卓側の話だったのに結構驚きました。

ただ、アンディが実際にどうやって彼ら(絶対理)を止めていたのかというのが全然想像できていなかったし正直その辺はさらっと流されるかと思っていたので、そこをしっかり描いてくれていたのはうれしかったです。合わせて裏円卓(?)にもちゃんとゲームとしてのルールがあるっていうのがわかったのも世界観の補強としてよかった。

敵の第1席、イケメンだ……。そしてこれが「死」のマスタールールだと思っていたんですが、台詞的に違いそう。使っている能力を見ると「魂」あたりのマスタールールなのかもしれないって気はするんですが、まだ明確には語られない感じ(私の見落としだったらすみません)。

ここに来て「器」って単語が頻出するようになってきたので、この先の戦いで結構重要な概念に……、少なくともマスタールール上位10人とは対になる「器」がユニオン側にいるんじゃないかとは思うんですが、ここもまだはっきりしませんね。こういうの考えてるときが一番楽しいので、しばらくこの辺りを反芻していようと思います。

とはいえ既に「言語」がいる時点でその否定者ってなに?非読?みたいな気持ちになっているので、そうきっちり器がいるとも限らない可能性はありそう。

まるまる敵側だったので、今回で時間軸が進んだってシーンはあまりなかったんですが、雰囲気的にすぐ次のクエストが来そうではあるので、この後の戦闘がどうなるのか楽しみです。

夜桜さんちの大作戦

作戦210. 保護者ひふみ

1話経っても長男が復活しなかったのが普通におもしろくて笑ってしまった。

しかし旦陣営の子どもたち、純粋だけどそれ故に悪みたいな、そういう価値観が違うキャラクター的なのかなって予想してたんですが、普通の感性の普通の良い人の可能性が出てきましたね。これがうまく和解の方に繋がってくれればいいけれど、そう簡単に行く気もしないので不安。それどころかこのタイプだとこの後、悲しいエピソードになってしまう可能性もあるので本当に不安。

とはいえ夜桜はそこまできつい展開にはならないかな~、とでもそもそも太陽の設定とかだいぶキツかったよな……、という気持ちの間でブランコを漕いでいる状態です。

そもそも旦側の兄弟がどういう存在なのか今のところ分かっていないし、今回の猫耳もキャラクターデザイン上の問題なのか実際に尻尾などが存在する特殊な人間なのかも謎ですね。

ひふみとあるふぁ、それぞれの修行をサクッと終わらせて敵の本丸に向かう流れだと思ってたので、今回ここに結構尺を割いているのは意外。

ちなみにマンガとは関係ありませんが、J新世界漫画賞の審査員としてコメディー描写についての話、疲れが出ないようにツッコミや客観的な視点でコメディを挟んでいっているという話をしていたのがなかなか興味深かったです。

ONE PIECE

第1104話 “ありがとう、お父さん”

先週の「ごめんね、お父さん」からの「ありがとう、お父さん」のサブタイトルの続き方は泣いてしまうでしょ!!!になりました。ONE PIECEってサブタイトルのセンスも抜群に良くて本当にすごい(今回はそうでもないけど、扉絵とかけてそうなときもあったりしてすごい)。

そして扉絵がかわいい。一見サンジってこういうシーンで男側に嫉妬して怒ったりしそうなんですが、実際女の子側が幸せそうにしているとにこにこ見守ってる、ってところが本当に……、本当にそういうところだよ!!!ってなる。サンジのやさしさがよく表されていてすげ~いい扉絵だなと思いました。あとやっぱ普通にかわいい。

本編の方、くまの一撃が当たらなかったらさすがにつらすぎるので、絶対に当たってくれと願いつづけて2週間、ついにくまの拳がサターン聖にクリーンヒット。当たらないかもという振りはなく、当たったけど一切効かなかったとかそういうのもなく、見開きで五老星をぶっとばしたところ、本当に最高でした。ダメージもしっかり入ってそうだったし……。

しかしサターン聖のこの態度見ても海軍はちゃんとサターン聖側につくというのも歪な構造した世界なんだな~というのも再認識できました。

くまの本来あり得ない「復活」を「愛の力」として片付けることはできたと思うんですが(そう言えばサンジの愛の力もどうなってるんだろう)、あくまでもバッカニア族の特性という理由付けをしているのがONE PIECEらしいなと思います。

FILM REDの音声版SBSで「この世界観において不思議なものは悪魔の実のみ」という発言もしていたので、その辺り(世界観)にはこだわりがあるんだろうな……。

また、サターン聖をふっとばしたあと、くまがちゃんとボニーを抱きしめているところもいい。普通に泣いてしまったし……。

サターン聖のタフさ、相手を動けなくする能力と合わせてなにかの実の力だとは思うんですが、そこはまだ明かされず。体の治り方とか見るとロギアっぽさもありますが……。

また、ここに来てちゃんと、麦わらの一味の目的は敵の撃破ではなくここから逃げることだというおさらいもありました。まあ、確かに過去編にいた時間が長かったのでそれはそう。

そしてここにきてある意味一番不憫なことになっているのは黄猿。正直ここでサターン聖のこと裏切るんじゃ……と思っていたんですが、ちゃんとサターン聖側へ。とはいえ思うことはある様子なのでベガパンクに「悲しい男だ」と指摘され、自分ももっと濃いサングラスをかけてくるべきだったと発言。この辺、目を失った藤虎と同じ気持ちになっちゃってるじゃん!!!になってだいぶ悲しかった。

書いていて思ったんですが、黄猿はもうここまで来てしまったら今まで自分が信じて従った末に奪ってしまったもの、守れなかったものはなんだったのかって話になってしまうと思うので、そりゃ気楽に裏切ったりはできないなと思いました。本当にかわいそう。私までつらいきもちになってしまった。

そして〆はバスターコール。このバスターコールというのがどういう意味かっていうのは既に作中で語られていることなので、単語だけでその深刻さが表せるのはいいですね。

思ったより数倍長いエッグヘッド編……、まだまだ気になることが満載です。

キルアオ

page 37 ミツオカ決闘サーフィン対決

これ言ってて思うけど、なんだかんだ一番おかしいのはこのミツオカ決闘制度だと思う。

そして本編はと言うと、相変わらず人の気持ちに対して誠実なマンガだという印象。

ギャル姫からの好意も最初は結構ノリ的なものだと思わせておいて、 フットサルの勝負から好きだったっていう話をここでするのはズルいでしょ!!!なんか急にギャル姫ちゃんを応援したくなってしまった。

それに対して十三は彼女の気持ちを最初から本気だと受け止めていたってことがわかり、いい話だな~、になって行くのかと思いきや「だからこそ、最初から自分が好きになってもらえるはずがなかった」という絶望につながるのはおおっとなった。いい話に持って行くよりも真剣な気持ちに説得力があったと思います。

勝てるかわからなかった勝負に関しては、「素人が勝つには一か八かの大技を決めるしかない」というベタな解決方法に留まりましたね。キルアオがバトルマンガやスポーツマンガだったらオチが弱すぎる!になるところでしたが、今回そこは話の主軸ではないのでさらっと進んで行く。

このままギャル姫が孤立して悪者になったままになるっていうのもちょっと後味悪いな……って感じだったので、ここからのノレンの激励のまっすぐさには救われました。話の引きとしても、ストレス具合の高いところではなく、続きが気になるけど落ち込み過ぎないラインで、そういう部分の技巧点がやたら高いマンガだなと感じます。

SAKAMOTO DAYS

DAYS 151 南雲VS楽

サブタイトルからして南雲と楽の戦いで1話丸々使ったって感じでした。体感5秒

ストーリーとしての進みはあまりなかった回ですが、戦いを通して南雲、楽、それぞれの在り方というか、バックボーンが感じられるようになっていたように思います。

南雲の方は武器を細かく変形させながら戦い、ラストの「嘘」へと繋げる「器用さ」を見せ、「強いな」「今まで僕が殺ってきた誰よりも」や「昔の坂本君みたいだな」というモノローグで過去の戦いを感じさせて来たし、楽は楽で殺し合いをゲームのプレイと同じように感じる冷めた価値観を示してきて、それぞれの立ち位置の違いが示されていたのがよかったですね。

攻防が激しく、最後の2ページまでどっちが勝つかわからないくらいの派手な戦いは見ていておもしろかったし、実際本当にここで決着がつくのか!?というハラハラ感も残しつつ次回へ。奥の手を先に見せた方が負けるっていうのはある程度定番ではあるので……。

しかし、この透明な刃、材質が気になります。あんまり深く考えるものでもない気がしますが、透明マントのような光学迷彩を刃物に纏わせるのは難しそうだし、強化ガラスとかそういうものをイメージすればいいのかな~。

ちなみに、武器を組み換えながら戦うと言えば烈火の炎にそういう武器があったので、きっとバラバラになるんだろうなと思いながら読んでいたんですが、まさかの透明化だったので驚きました。当らずしも遠からずってところだと思います。

僕のヒーローアカデミア

No.412 史上最狂のヒーロー

ちょうどSAKAMOTO DAYSの直後に1対1のバトルが並んだので、それぞれの作品の違いを感じながら読んだんですが、やっぱりSAKAMOTO DAYSは戦闘中、紙面上に文字がめっちゃ少ないですね。SAKAMOTO DAYSはあくまで「アクション」と言った感じで、ヒロアカの方はその戦いにおけるそれぞれの技巧というよりも、その戦いの意味やそれに至る意志、そういったものに力を入れているんだろうなと感じました。同じ戦闘シーンでもこんなに方向性が違うんだ……、思えて興味深かったです。

死柄木をというか、デクの言葉で言えば「泣いていた少年」を諦めたくないという気持ちが今の戦いの一番大きな部分になっていて、この期に及んで死柄木の人間性を見つけるなんて無理だろうという考えもわかるんですが、私はヒロアカってずっとそういう「取り返しのつかないこと」をどうするかというところに向き合ってきたマンガだと思うので、この流れが結構しっくりきています。

具体的に言えばエンデヴァーとか、レディ・ナガンとかがそう。死という報いを与えて退場させた方がきれいだというところでも、それでも生きる人がどうしていくか、という部分に向きあって来た、その最終地点だと思って見ているのですごく期待しているし、すごくハラハラする。

その上で、デクが死柄木の人間性を信じたいのはデクのヒーロー性からではなく、「どんな人間でもその奥に等しく人の心がある」ということ、その「どんな人間でも」の中に「無個性の人間」が含まれていること、それを証明したいという強いエゴがあるというところが個人的にいいなと感じた部分でした。物語の帰結としても美しいと思います。

とはいえ、展開的にこの後「ワンフォーオールを手放す」というのがどういう意味なのかはわからないので、めちゃくちゃハラハラしながら次号を迎えることにはなりそうです。

アオのハコ

#133 なんで…?

私はアオのハコって恋愛の方がメインだと思っていたので、ここは千夏先輩が勝って、なんだかんだ良い感じになって、大喜も励まされて……、となるんだと思っていたんですが、全然違った。

ここで千夏先輩が怪我で最後まで試合に出られなかった上、その試合に勝てなかったなんてこと……、あっていいの!? いいのもなにもそうなってしまったものは仕方ないんですが、本当につらい気持ちになりました。

でも私よりもつらい思いをしているのが千夏先輩本人と大喜、そして夢佳だと思うとやるせない。そういう残酷さをしっかり持ってくるとは思っていなかったのでマジでびっくりしています。

しかし、この後どうなっちゃうんだろう。個人的には( 安易にって言うとちょっとあれですが)ここから恋愛方面に進んでIHの件がうやむやになるのも違うし、でもここを契機に恋愛も上手くいかなくなるみたいなのも絶対に嫌で心が壊れそう。

なんで…?

呪術廻戦

第247話 人外魔境新宿決戦⑳

日車……。呪術廻戦のことなのでワンチャンもないとは思っていましたが、本当にワンチャンなかったので悲しいですね。わかっていても悲しいです。

そしてここで宿儺視点で虎杖たちの陣営を語っていくというのは結構長引いてきたこの戦いの現状整理として大変助かりました。そう言えば宿儺視点から見て戦う理由ってなんかあったっけ? みたいな感じになりかけていたので……。

反転術式は使い手が限られるというのが結構大変そうだな、というのが呪術廻戦を最初に読んだときの感想なんですが、とはいえ終盤になってきたら皆使えるようになっちゃうんじゃないの?と思っていて……、でも普通に虎杖本人が覚えてきてたのは意外でした。

バトルマンガにおける回復システムって結構難しいところだと思います。制限がないと(それこそ蘇生まで可能だと)緊張感がなくなってしまうし、かと言って回復が難しすぎる設定にしてしまうと戦いの度にキャラクターが死んだり戦闘不能になってしまったりとかするので、ちょうど良い感じを考えるのが大変そう。そういう意味では「他人の回復は威力が半減」という呪術廻戦の落とし所は上手いな~と感じます。

そして、ルールの追加。これが羂索の言っていた保険であることはわかるんですが、私はちょっとルール自体をはっきり理解できているかどうかが微妙なので、なんでこれが保険になるのかは全然わかりませんでした。キャラクターの解説に任せます。

ここで乙骨の登場はすごく熱いんですが、乙骨が行ったり来たり大変そうで、本当に大丈夫!?という気持ちに。移動距離だけなら虎杖より忙しくない?

宿儺がリカちゃんを「女王」と呼ぶのについては、もしかしてやっぱりリカちゃんって曰くつきの……!?というのもあり得るだろうし、なんか強そうな女出てきたから取り敢えず女王って言ってみたというのもワンチャンありそうなので次回以降に期待。来週休載悲しすぎる。

五条の死体が放置されてなかったのはよかったと思いますが、わざわざ言語化したってことは後々の伏線になってくるんでしょうか。

【読切】姫様“拷問”の時間です

私はジャンプ+の方でこの作品を読んでいないので、これが初めての姫様“拷問”の時間ですになります。拷問というのが「おいしいご飯を目の前で食べられる」ことっぽいのだけ知っている状態だったので、姫様が拷問に屈してご飯を食べることがあるんだなっていうのが第一の驚きでした。

番外編扱いっぽいので拷問官の方にスポットライトが当たった話だったんですが(多分)、実家でだらけてしまうシーンはかわいかったし、なんか眠りにつきそうな寸前の描写が異様に上手かった。あるある。

また、姫様と拷問官の間に友情みたいなものが芽生えてるっていうのも今回初めて知ったので、なんかもうマジで思ってたのと全然違ってました。今度ちゃんと読んでみることにします。

こう思わされた時点で私の負けですが、こういう負け方は良いなと思います。しかも、これの続きはジャンププラスで!というのもかなり導線として強く、こういうの結構いいなと思いました。こういうところで新しく読むマンガを見つけられるのは心強いです。

鵺の陰陽師

第34話 救出作戦

扉の雰囲気とかこなれてきた感じになってきましたね。掲載位置も安定してきて、落ちついた雰囲気になってきた印象。いつ終わっちゃうかわからなくてハラハラする段階は超えたというか、そういう感じ。ここ最近ストーリー展開が「激動!」って感じではなくなってきたのもそういうことなのかもしれません。

今回はシリアスとギャグをかなりめちゃくちゃに混ぜてきていた回でした。個人的にはシリアスとギャグがめちゃくちゃに混ざるところは気にならないんですが(というかむしろ好きかも)、そのギャグが恋愛系というか、ちょっとお色気系なのがちょっと苦手かも。ただ、鵺の陰陽師は最近の展開をみているとハーレムバトル系で行くのかな?という感じもあるのでこういうノリのマンガだと割り切って見ていくべきなのかもしれません。この辺は結構好みが分かれるところかな。

父を殺したと思われる幻妖と対峙し、感情を抑えきれずに殴りかかる四衲。父が殺される場面に四衲も居合わせていたのをここで初めて知りましたが、まあ……、そりゃそうなるよね、という気持ち。

さっきまでの合理主義はどうした!?という気持ちもわからなくはないですが、そもそも復讐のために陰陽師になったと言っても過言ではない四衲にそれを言うのも酷でしょう

ここでなんだかんだ第6支部のことを居心地いいと感じてくれていたというところも(鵺を筆頭に幻妖もいるのに)、なんだか切なくなってしまう。

この調子だと多分先輩にも何か悲しい過去、ありそうですね。

累々戦記

第6話 校外学習

このマンガ、ここまで世界観があまりわからないっていうのが引っかかりポイントだったんですが、6話にして異界と現世、それから累糸と累についての説明がありました。これを3話までに……、せめて前回の修行回でやってくれていたらよりよかったと思うんですが、いうてまだ6話なので全然序盤の範疇ではあります。

また、その累と対峙し、滅してきた「剥離師」という存在がいることもわかりました。

この辺ちょうど並んでいたこともあって鵺の陰陽師と似た雰囲気を感じますが、退魔もののテンプレートと言えばテンプレートの範囲ですね。ちょうど退魔ものが被っているので(強いて言えば呪術廻戦もそう)どんな風に差別化していくのかというのは気になります。実際、鵺の陰陽師では陰陽師という一般的に知られた存在をベースに世界観を構築しているのに対し、累々戦記では世界観そのものに独自性を持たせているところが違っていて、それぞれのメリット・デメリットを感じられたのが興味深かったです。

ちなみに累側にも社会があり、現世に侵略してきているという話になってきたら今度はワールドトリガーに近いものを感じることになりそう(似ているのが悪いという話ではなく、物語のタイプ分類をする上での話です)。

鵺の陰陽師との差別化という意味では、鵺の陰陽師がちょっギャルゲー風味のあるハーレムバトルものっぽくなってきたのもあって、累々戦記の方の男子高校生バディものらしさが強調されてきて、読者層的には既に差別化できていそうな雰囲気はあります。

新キャラ(剥離師)の発言的に、涅森の中に「累」がいそう(妖怪で言えば半妖みたいな感じ?)な雰囲気があるので、なんとなく物語の縦軸も動き出したのかなという感じもあり、ここからどうなっていくのかが楽しみです。

ウィッチウォッチ

140 イカすゲーム

ニコが小さくなってしまってから、話の振れ幅が小さくなっちゃうんじゃないかな~ってずっと思ってたんですけど、サブキャラのキャラがかなり立っていることでこうやってバリエーション豊かな話を展開できるのは純粋に強いなと感じました。

以前の生徒会長たちもそうですが、主役たちを食わない案配に徹しつつ意外とサブキャラが多い。伊達に140話連載しているわけじゃないという貫禄すら感じます。アニメ化もして欲しい(どさくさにただの願望を言う人)。

フランちゃんのロボットに対する考え方は結構独特だと思うんですが、個人的には好きです。声がかわいいのが自分のイメージに合ってなくて恥ずかしいっていうのはなんか思春期らしくてかわいかったし、それを「本当の声の方がいいよ!」とごり押ししない価値観も令和を感じて良かったです。

今さらですが、「令和を感じて」を連呼するのも良くない気がしてきました。

グリーングリーングリーンズ

第7話 「次へ」

勝負が終わり、「じゃあ次は打ちっ放しじゃなくてゴルフをやろう!」というステップを着実に登る感じ、好きです。この辺りは種目がそうメジャーではないというのも関わっているのかもしれません。

この勝負で出ていくっていう話どうなっちゃうんだろうと思ってたんですが、別に出て行くことにならなくてよかったし、それを貸しにしてゴルフの上達のために使うって流れも気持ちよかったです(役に立ったかは別として)。

ゴルフは遠くに飛ばすだけではないというのは当たり前なんですが、パターはパターでやることがあるという、ゴルフの技術を分割してそれぞれの課題を見せてくれたのがよかったです。この辺り、メダリストで見たそれぞれのジャンプやスケーティングなど、技ごと課題がある感じに似てますね。野球だと守備とバッティングみたいな感じなのかも。話の広がりが見える。

また、主人公がヒロインに対して敬意を持っているっていうのもこのマンガの読みやすいポイントの一つだと思います。

そして、ここで新キャラとともに海外に本場があるという話が始まり、そこにヒロインが誘われるという流れもベタと言えばベタ。でも7話というのは思ったより早いかも。

この誘い、さすがにこのタイミングだと断る気が……、というかまだヒロインが作品に馴染みきっていないのでここでいなくなるのか!?という気持ち。あと個人的に王賀が好きなのでいなくならないで欲しいという気持ち。

あかね噺

第94席 事件だよ

この辺の破門の話とか、上のゴタゴタで勝負に水を差されたくないとかがやっぱりバトル漫画の手法というか……、その手法であくまで落語を書いているっていうすさまじさを感じる回。

あかねに実力はあったのに全生師匠のせいで二ツ目になれない……となってからの修行編とかになるのもバトルマンガであることを思えば(バトルマンガではない)ありだとは思いますが、それだとやっぱりストレスの方が大きくなっちゃうかな~っという気持ちもあるので、ここで「ちゃんと上が見てくれている」というシーンを挟んでくれたのはありがたいですね。

こういうところで「あの時はできなかったけど、力をつけた今は違う」みたいなキャラクター性を出してくるちょう朝、あまりにバトルマンガ適性が高い。好きです。

ここに来てっていうわけではないですが、東京の落語連盟と阿良川一門の確執みたいなものを描き、このお披露目があかねにとってだけではなく東京の落語界にとっても大きな事件になるというのを明示的にしめしているのも上手いですね。ここから盛り上がるぞ!というのがわかってテンションが上がる。

そこにあかねの父が来るという要素も噛み合い、マジでここからクライマックスなのでは!?というところなので今後が本当に楽しみです。あかね噺における渋谷事変が来るのかも。

逃げ上手の若君

第141話 顕家軍1338

時行の戦が一息ついたところなので、一旦落ち着いてそれぞれの武将がどのような働きをしていたかを伝えるまとめ回って雰囲気でしたね。そのおかげか今回はわかりやすくて助かりました。それにしても結城氏が怖すぎる。

戦場で知り合いに、しかも敵として出会うっていうのは多分この頃だとよくはある ことだとは思うんですが……、なかなか切ない話ですね。逆に言えばここですぐ殺し合いになっちゃうわけでもないというのがこの時代特有の空気なのかもしれません。

ここから「よし!勝てるぞ!」みたいにしておいて、顕家軍本体があの化け物によってズタズタにされている……、という緩急のつけ方は見事。ジェットコースターかと思った。

僕とロボコ

第169話 カニオとロボコ

なんか今回……、いい話風でよかったです。風というか、いい話だったのかも。ロボコなので自信がなくなってくるのやめたいですね。

やってることとか話の流れとかは結構ベタだし、すごい抱腹絶倒ギャグがあったわけでもないのになんかもうおもしろかった上、最後のコマで「ロボコはわかってくれている」という演出がなんかよくて、自分でもよくわからないですがなんか負けたような気持ちになりました。いうてロボコも「強さ」はわかってくれてるけど、好意には気付いてない可能性もある。

カグラバチ

第17話 茶

(おそらく)双城編、完!

序盤から結構長めの章を持ってくるやり方は結構めずらしかったかも(序盤はもっと単話読み切りみたいな戦闘回を挟むのが一般的な印象)。序盤こそどういうスタンスで行くのかわからなかったので不安な部分もありましたが、通して見るとブレない一本道で描かれていて読み味もよかったなと思います。

戦闘シーンの構図はかっこいいし、個人的にはバトルの中でそのまま会話をするのではなく、精神世界での対話というスタンスを取るのはよかったと思います。どこまで想像!?みたいなことを思う余地はありますが、これはどちらかの妄想というわけではなく、戦いの中でお互いに通じた部分という解釈でいいんじゃないでしょうか。お団子もおいしそうだった。

刀の解釈について意見が割れた2人ですが、最終的に「作品に作者が込めた想いそのものと持ち手がその作品から受けるメッセージ(解釈)は異なっている」というところを着地点にしたのはなかなか深かったですね。これは双城側の結論でしかないかもしれませんが、こういう割り切り方がバトルマンガから出てくるのは意外でした。急に2.5次元の誘惑が始まったのかと思った。

しかし、17話にして主人公が腕を失うのもすごい話ですね。シャルの能力が先に出ているので、ここは治癒するような気はしますが、思い切った表現だとは思います。この辺、呪術の方で書いたバトルマンガにおける回復システムのところにも繋がってきますね。

妖刀を集める話になっていくのかな~という感想を序盤で書いたと思うんですが、その1本目がもう壊れたというのは結構意外。もしかしたら今後は妖刀を破壊していく物語になるのかもしれない……、どうなんだろう……。

暗号学園のいろは

第五十六号 「戦争を呪わば穴ふたつ」

暗号通貨の「モルグ」がそういう意味だったっていうのに今さら気がついてページめくった瞬間にすごいびっくりしたし、やられた!!!って気持ちになりました。絵のうまさという暴力とあわせてこれはすっごい。

ここに来て読者にとっても散々見たあの自己紹介Xワードを逆手に取った「ぶっ違え哨戒戦争(イントロウォーズ)」を持ってきて、相手のことを書かせることでお互いの理解度を表現するという「事象の反転」を描くのはもう素直に脱帽。

その結果も技巧的には東洲斎さんが上回り、しかし暗号学園に対する「革命」として暗号皇帝にはいろはが相応しいという帰結も美しい。そもそもこの戦いに賭けられたものは互いのプライドのみだった、というのもスポーツ的な爽やかさがあって良かった。

ここからどうなるのか(最終回が近いのかもということも含めて)、気になってくるのは姿を消した凍の行方ですね。

続けようと思えば続けられるし、終わろうと思えば終われるような流れになっているのはいつも通りですが今回は「最終階」でもあることでどっちに振れるのかますますわからない感じ。どちらになっても楽しめるんだろうなと思わせてくれるだけの信頼があるので安心して次回を待つことができます。

ツーオンアイス

第16話 洗礼

サブタイトルもアオリ文もたっくんが絶好調。

思ったよりも早いラスボスとの邂逅でどうなっちゃうのかと思っていたんですが、流石に人語は通じるのでちゃんと会話ができてよかった。むしろ隼馬の異常な練習に普通に引いているたっくんはおもしろいまでありました。ちゃんと人間の感性がある。

たっくんの指摘によるものとはいえ、主人公がちゃんと自分は才能に恵まれているという自覚があるのはいいですね。そういうのもスポーツに対して誠実な姿勢の1つだと思います。さらに言えばこの「才能がある」という事実が隼馬がペアをあえて選んだことの意味に響いてくるところも上手い。ここは最初から考えられていた部分なんだろうなという感じでしっくりきました。このマンガ、テーマが結構しっかりしてるんですよね。

たっくんの「ゾッとするほど美しいものはね」「吐き気するほど醜い感情から生まれるんだよ」という台詞はかなりの名台詞だと思います。醜い感情というのが憎悪、怨恨、苦痛であるというのもしっかり書かれている。

これはスポーツでありながら芸術表現も行うフィギュアスケートという競技だからこそ出てくる台詞なんだろうな~というのもあってとてもよかったです。

そして、だからこそ醜い感情を知らないままの人間を許せないという「神」の傲慢さも際立っている。その異常な在り方には迫力と魅力があり、でもマネージャーは普通に引いてる。なんだこの温度感……、癖になる……。

まあ、私はここで天雪に魅力を感じましたが、別に見方によってはただの嫌なヤツだっていう案配もちょうど良くていいなと思いました。

アスミカケル

Round29 全盛期

まるで因縁対決みたいな形で始まった対決ですが、思った以上にお互いを(悪い意味で)気遣わずに力で戦えているっていう所がよかったです。この方が後味が悪くないというか、MMAに対する作者の姿勢が感じられました。

相手に派手さがなく堅実に強いのが一番やりづらいっていうのはそれなりにある表現だとは思うんですが、このタイプ敵って話を盛り上げづらくて難しそうですね。なので、次のラウンドからどういう形で盛り上げていくのかが気になるところ。

相手がやっぱ自分のやりづらいような動きをしてくる戦いで、「全然楽しくない」って楽しそうな顔で言うところは二兎らしくて良いですね。やっぱり競技との向き合い方の部分をすごく真摯に書いているなっていうのをずっと感じているので、そこが崩れずに続いているところを尊敬しています。

魔々勇々

No.18 「たゆんたゆん」

サブタイトル的にどうなっちゃうんだと思ったらページめくってドドドドに潰されていたのに思わず笑ってしまいました。そういう遊び心みたいなところというか、全体的な変な雰囲気が個人的にすごく好きな漫画です。

エリシアとクプトゥラの因縁対決の裏でラルフとエスカバの因縁対決が行われていたっていうのもわかって良かった。対してミネルヴァと獣人の魔王は特に因縁ではなかったらしく、それ故に説得が効きそうなところはなるほど!という感じ。

この説得に関しても、コルレオが強さではなく、善良さで味方を作っていっている(ように見える)ところがバトルマンガとしてそれでいいのかと思う部分がなくはないんですが、これが「正義の味方にも力がなきゃ結局は意味がない」という価値観に対するアンチテーゼになっているのであればこれはこれでありだなとも思います。

また、サイコロ切りのシーンの絵的な見せ方とかにはやっぱり独特なセンスが輝いている。そういえば全然関係ないけど最近宿儺もこのサイコロ切りよくやってますね。流行りなのかも。

殺されはしないということでついて行ったミネルヴァですが、「憑代」というのはなかなか不穏。下手するとミネルヴァの姿をした勇者エヴァン(?)と戦うみたいな最悪な展開もありそうな雰囲気で……、これはなかなか楽しみだなと邪悪なことを考えずにはいられません。

少年ジャンプ2024年9号 予告

今回、時短のために音声入力→手修正をしたはずなんですが、結果的に文字数が増えてより時間もかかってしまったのでこの進め方はまだ要検討ですね。書きたいことの書き漏らしがいつもよりも少なかったのはよかったんですが……。

2024/01/29発売
表紙:逃げ上手の若君
巻頭カラー:逃げ上手の若君
センターカラー:鵺の陰陽師
センターカラー:夜桜さんちの大作戦
センターカラー:アイシールド21(特別読み切り)

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