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少年ジャンプ2024年17号感想

※ 2024/03/29 残り作品追記しました!!!

前号:少年ジャンプ2024年16号
次号:少年ジャンプ2024年18号

2024/03/25発売
表紙 :ONE PIECE
巻頭カラー :ONE PIECE
センターカラー :SAKAMOTO DAYS
センターカラー :超巡!超条先輩
センターカラー :アンデッドアンラック

表紙はONE PIECEのルフィと両翼。海賊らしい衣装でめちゃくちゃテンションが上がりますね。ジャンプは合併号などでもルフィが大きくドン!と表紙に来ることが多いこともあってか、ルフィが表紙だと「ジャンプだ!!!」という気持ちがいつもの1.5倍くらいになる気がします。


ONE PIECE

巻頭カラー

「光るクラゲの傘をさして深海を散歩する麦わらの一味」というリクエスト自体が既にセンスの塊だと思いました。そして麦わらの一味にプラスしてベガパンクとボニー、くまがいるのも泣ける。

尾田先生はアナログで線画、着色をしているそうですが、今回のイラストはホワイトの使い方が印象的でとても好みでした。ポテトを既にほとんど口の中に入れてしまっているルフィがかわいい。よく見ると既に食べおわったっぽい空箱もある。

第1111話 〝太陽の盾〟

前回で倒されたと思ったルッチ、まだ倒れてないのは純粋にすごいと思いましたが、一瞬立ったまま死んだのかと思ってびっくりしました。ジンベエが止めに入ってくれてよかったです。また、CPにはちゃんと仲間意識があることは知っていましたが(主に扉絵)、ここで相棒の命乞いをするほどだとは思っていなかったのでびっくりしました。それを無下にされたことがルッチの今後にどう響いてくるのかが気になります。

ルフィ(ニカの姿)と巨人のおっさんたち合流。五老星も含めてなにやら興味深い会話もあるんですが、本人たちがあんまり気にしていないのでどんどん流されていきますね。ニカの姿のこと「その衣装」ってコスプレ扱いしちゃってるのもおもしろい。

ゾロとジンベエを除くメンバーの現在地とゴールも判明したので、ここからは撤退戦になりそうですが、それにしては相手が強すぎるのでどうなるんだろう……。

「巨人に伝わる神」というキーワードやサブタイトルになっている技「〝太陽の盾(スヴァリン)〟」、五老星の「因縁深き者達」というセリフからも絶対ここはなんかあるんだと思うんですが、戦闘真っ最中で詳しく聞いている場合でもない状態に。

毒弾見て「絶対毒だァ」って判断するルフィを見て、久々にルフィが戦いにおいてはすごい有能であることを思い出しました。でも爆発するとは思ってなかったみたいで普通にびっくりしていたのもよかったです。多分そもそも毒じゃなかったんだろうな……。

結構すごい攻撃を受けてもピンピンしている傾向があるマンガですが、五老星の復活は「不死身」レベルだというのも結構気になるところですね。ここでゾオン系は丈夫、という話が解決するのかもしれないし、しないのかもしれない(そもそも五老星が悪魔の実の能力者とも言われていないので)。

なんかこのまま戦ってる内にベガパンクの放送流れちゃうんじゃない?と思っていましたが、ここはちゃんと以津真天さんが様子を見に行ってました。

そして動き出す巨大ロボ……、と今週も内容が盛りだくさんでした。そして来週から3週間のおやすみに入ります。正直、ここで!?という気持ちはありますが、次の回を楽しみに待とうと思います。

それにしても今回の黄猿、本当にかわいそうで見ていられなかったですね。なんかもう本当に、この人にも何らかの救いがあって欲しいと思います。読者視点では悪役かもしれないけど、世界規模で見たら本当に世界に貢献した人だと思うので……。

夜桜さんちの大作戦

作戦219. オトナ悪ふぁ

急に平均掲載順位の話をしてしまいますが、今週この位置で来週巻頭カラーとなると平均掲載順位がかなり上がるような気がします。アニメ化に向けて盛り上がっている感じでいいですね。

あるふぁは元々知能派でしたが、こうして戦闘シーンに入ると大人の姿と相まって実年齢のことを忘れてしまいがち。ストレスによる開花という目的にはちゃんと近付いていたようで能力の片鱗が現れるも、その能力で見えたのは家族の全滅という悲惨な未来という思わぬ展開に。

というか、勝手に「未来」って書いてしまいましたが、これはあるふぁの開花が「未来予知」ってことでいいんでしょうか。百にもそういう力があったことやあるふぁの開花が「脳」に関する開花であることを考えると、超能力的なものというよりは(超能力的ではありますが)、演算能力が高すぎて未来を予測できるとかその辺りの落とし所かもしれません。なんにせよ不穏。

未来をはっきり見るために自分を傷つけようとするあるふぁと、それを止めようとする親戚のおじさんたちの構図もよかったです。ちゃんとここで話の前半でギャグ退場した辛三のかっこいいシーンで〆るのも話の構成がしっかりしていて好印象。

ここからの巻頭カラーはマジで熱いですね。

呪術廻戦

第254話 人外魔境新宿決戦㉖

正直、日下部はもうちょっと変則的な戦いをするものだと思っていたので、かなり真正面から戦いを挑みに行ったのに結構驚きました。しかも「マジで?」と思ってはいましたが、勝てないと確信していたわけではなかった中で「真正面から」というのはかなり格が高い感じ。

どういう強さなのか、というのは簡易領域の特性も込みで作中で説明してくれるのがありがたい。その上で「優しいんだよね」が皆の総意であるところもなおよかったです。

この優しさが「ガキ共が命かけて戦った!!」「大人の俺が必死こかなくてどうするよ!」に繋がるところもきれいにまとまって来るので安定感があります。余談ですが、やっぱり昔の作品に比べて、「子どもだけを戦わせるのはよくない」という価値観のマンガが増えましたね(体感)。

しかし、一歩届かず……、と言うところでミゲルに選手交代。勝因になり得た宿儺の心臓の傷は、そこを狙うことで敗因ともなり得るものだった、というのが悔しいところ。正直、ミゲルに関しては「呪術廻戦0」に出てたな……、くらいの記憶しかないのでちゃんと確認しておこうと思います。

また、日下部の斬撃について七海が「あれを捌ける人間を知りません」「捌く必要がない人ならいますが」という発言を見て、やっぱり五条は世界を断つ斬撃は捌かなかったのかもしれないと思いました。もちろん別件での会話ではあるんですが、メタ的に見るとこのタイミングで入れたってことはそうかな?という気がしたので一応メモ。

基本的に呪術って初見殺しのものなので、極端なことを言えば「避けたら当たる斬撃」だってあり得るため、「慢心で避けなかった」ではなく「避ける必要がないと判断させられてしまった」という感じかなと思っています(この解釈で行く場合の話)。

SAKAMOTO DAYS

カラー

アオリ文の「知らざあ殺って聞かせやしょう」、なんか聞いたことあるけどなんだっけ……と思ったので調べてみました。

知らざあ言って聞かせやしょう
歌舞伎「青砥稿花紅彩画 (あおとぞうしはなのにしきえ) 」(通称「白浪五人男」)第3幕、浜松屋店先の場で、弁天小僧が居直って正体を明かす長ぜりふの冒頭。

goo辞書より

なるほど。おそらく私はこの元ネタは知らないはずなので、同じ元ネタを持つ別の作品で見たんだと思います。気になるので今度こっちも調べてみます。

イラストは神々廻ピンですが、単行本16巻の表紙が公開されていたりコラボカフェの情報が載っていたりとその他の情報量は多い。

DAYS 160 師匠ゆずり

サブタイトル……っ!!!って感極まってしまったんですが、冷静に考えて四ツ村は死んでない。というか、神々廻に取って四ツ村って師匠に当たるんだな……、ってちょっとじーんと来ました。

また、神々廻と周が「周くん」「あなた」ってお互いを呼んでいるのがいい距離感でよかったです。あんまりしゃべったことのない親戚のおじさんと子どもみたいな感じ、かつお互いに敬意がありそうなのがいい。というか神々廻はシンに対しても当たりがキツくなかったので、身内には結構ていねいに接するタイプなのかも。それは大佛を部下に当てられている辺りからも窺えます(表面上の人の良さだけなら南雲の方が優しそうなのにそうなってないところも含めて)。

キャロライナ・リーパーと周戦ではキャロライナ・リーパーも周も結構賢そうな戦いをしていたので、SAKAMOTO DAYSではこういうの結構めずらしいな……、と思いながら読みました(坂本商店メンバーは基本的に力と技術押しで戦うので、こういう立ち回りをあまりしないため)。

キュリー温度の件もそうですが、1対1の戦いが2つではなく、ちゃんと2対2の戦いであることを意識して立ち回っていたところもかなりよかった(神々廻が即対応できてたのもよかった)。シンは「坂本さんに認められたい!」みたいな動機で戦うことがあるので、「自分の力で勝ちたい!」という欲求が戦闘にも表れている感じなんですが、周は「相手を倒す」ことに注力しているのでスタンスが「殺し屋」に近く、そのスタンスの差が戦闘シーンにも表れているっていうのがいいですね。これは元々、坂本とORDERの戦い方の違いで顕著に表れている部分でしたが、もっと細かいチューニングもあるというのが見られたのがうれしかったです。

キャロライナ・リーパーとその弟ってアルカマル組じゃないのになんでスラーと行動してるんだろうと思っていましたが、今回のがその理由の片鱗が垣間見えた……、ってことでいいんでしょうか。過去に殺連で拷問されたことがある、とかになったら「なるほど!」とはなりそう。この辺、本編でやらなかったとしてもいつかファンブックが出たらそこで明かされて欲しい。

周が父親について聞いたのは、読者視点「今聞く!?」とはなるんですが、周視点でまさか神々廻が四ツ村を殺したとは予想できないだろうし、ここで嘘をついたら周に嘘を教えたまま自分が死ぬかもしれないことを思えば神々廻が本当のことを答えたのも納得。実際、「○○は俺が殺した(実際は俺のせいで死んだだけで実際には殺していない)」とかではなくマジで致命傷までやったのは事実だし、南雲が遺体を確認したって言ってきているので、こう答えるしかないし……。

この辺ちゃんとお互いが「死ぬかもしれない」ことを意識して会話しているのがわかるのが作品の価値観とも噛み合っていてよかったです。まあ、周のお父さん生きてるけど……。今すぐ南雲がなんとかして欲しいですが、南雲は今それどころではないと思うので、四ツ村さん本人がなんとかしてくれないかな!?って思ってしまう。

周もある程度分別ありそうなので、ここでいきなり神々廻とは敵対しないと信じたいな~、と言うところで次週休載!!!アシスタント募集とかもしてたし、コラボカフェもあるし、もしかしたら仕事が大変なのかも……。ゆっくり休んで欲しいです。

ウィッチウォッチ

149 会いに行き雪て

序盤でさらっと描かれましたが、トキヨは魔女として生きないことを選んだんですね。こういう選択をした人間がいることを示してくれたのはよかったし、トキヨも本当につらかったんだろうな……、とか考えてしまって悲しくなりました。どうか普通に生きていけることを願います。

そして黒和さん。こっちは家族のこととかもちゃんと描かれていただけに悲しさも切なさも大きかったです。作戦の要として、その為だけに生きてきた彼女が「同じ場所にいてはいけないと思って」動けただけでもかなりすごいことだと思います。ただ、まだそこからどう進んでいけばいいかわからないという状態。

これに対してケイゴが「自分だけ幸せなのはおかしい」と思っていたのも結構ショックというか、こういう過去をうやむやにして流さないのは作家性だなというか……。でもちゃんとそういう部分も描いてくれるという信頼があるのはいいですね。

ここでネムちゃんの恋心がはっきりして(しかもケイゴとウルフどっちも好きっぽい)、ケイゴはケイゴで自分の弱さとウルフの強さを比べて落ち込んでいたりと、大きな動きがある予感を感じさせての〆。多分バレンタイン回があってそこでなんかあると思う!!!(みんなそう思ってると思う!!!)

今、ニコが子どもになってしまっている分の恋愛要素をこっちに持ってくるだろうな~、というのは予想していましたが、いざこう来るとめちゃくちゃ楽しみになってきました。よろしくお願いします!!!

アオのハコ

#142 ファイナルゲーム

そういう形で決着つくんだ……!!!という感じで、針生先輩に感情移入してしまうと心が締め付けられるような思いですね。本当に……、最後の見開きでの表情も……、本当に……!!!

でもこの状況でも針生先輩が大喜との楽しい思い出を走馬燈のように振り返りながら、「楽しい」と感じていたところにこの作品の「良さ」がつまっているし、「楽しいよ」が「楽しかったよ」と過去形に変化して、泣き顔という画面構成も最高によかったです。千夏と花恋の涙、それぞれ意味が違うという表現も洗練されている。

青春をマンガの形に固めたらできるマンガと言っても過言ではない気がします。

超巡!超条先輩

第7話 クイズ!巡査長

内容もだが、カラーページすらかなり落ちついていて、もう2年くらい連載している中堅ギャグマンガみたいな存在と化しているのが普通にすごい。

なんでクイズ大会?みたいなノリなのにちゃんと全員真面目に参加しているところは行儀がいい。腐っても警察関係者(とそのお世話になった2人)ですね。

正解を当てているのにキモ過ぎて減点も意味がわからないし、減点されても掘り返すのも意味がわからないし、質問側がキモさの限界を計ろうとするのも意味がわからないしという異常なテンションでクイズ大会は進みますが、ちゃんとおもしろいので3コマに1回くらいのハイペースで笑わされてしまうし、笑わされすぎて悔しい(?)という感情になる前に笑いを取ってくる。とにかくずっと何かがおもしろい。

過去の姿とか交番に残った理由とかはちょっとセンチメンタルな理由があると思うんですが、今の時点では匂わせすぎずにさっぱりした読後感にしているところも上手いな~~~と思います。

あかね噺

第103席 緊緩

前回、護廷十三隊みたいな顔で出て行った泰全がどんな落語をやるのか、すごく気になっていましたが……、そう思わされたところからもう落語は始まっていた!とでも言わんばかりの緊緩。

確かにこれで客が笑わないなんてことがあるはずなかったんですが、この掴みのシーンだけで泰全の落語がすごくおもしろいんだなというのを感じさせられてよかったです。しかし当たり前と言えば当たり前のことでもあるので、それを技術として昇華してるのがすごいんだな……、と思えるのもよい。

そして問題の全生に対して「こんな奴がなんで……」と思わせてから、その在り方で持って泰全が動くというのは熱かったですね。ここから回想シーンに入る辺りはもう完全にバトルマンガのロジック。

落語というテーマをジャンプという文法にローカライズしている、と感じられるすごい回でした。しかしこの回想、マジで楽しみすぎて来週が待ちきれません。

Dear Anemone

第6話 悪意

前回出てきて訳知り顔のこの人……、誰!?と思っていましたが、アネモネより先に生まれた「失敗作」のロベリアであることが発覚。花言葉とその在り方や戦闘能力に直接関連性はないと思うんですが、そこを関連付けて「悪意」の存在であることを示してくるのがかっこいい。

今回のアネモネとロベリアの戦闘を見た感じ、やっぱりホラーパニックと言うよりもバトルものに振り切ってきそうな雰囲気があるし、こういう感じで色々な花とその花言葉で戦闘が組まれていったらおもしろそうだなと思います。とはいえ、ロベリア・アネモネと今回の爆発の影響で生まれた(?)異形(?)は別物っぽいのでそういう感じにはならなそう。というか爆発自体がロベリア起因かも。

人造生命体の「失敗作」と「完成品」というテーマは割とベタなので(最近のジャンプだと人造人間100など)、そこをテーマとしてもってくるのであれば、この作品はどういう哲学を持って話を進めていくんだろうか?というところも楽しみです。

カグラバチ

第26話 自信

味方サイドの話(というかそれぞれの陣営で味方しかいない状況)になると途端にちょっとおもしろくなるのはそういう作者の癖なんでしょうか。個人的には好きな部分なのでどんどんやって欲しいと思っています。

「ヒヤヒヤすんねん!」の柴さんが大体言いたいことを言ってくれたのもよかった。

計画通りって言ってたけどぶっつけ本番だったのはホントに「ヒヤヒヤすんねん!」でしたが、これを通してハクリを元気づけたのはいいエピソードでした。

そしてラストのかっこいい見開きで「11月8日」楽座市が開催。テンポ早ぇ~~~!!!(あとなんかこの見開きすっごいポスターっぽい。)

僕とロボコ

第178話 風とたつのり

表紙から最後までなにもかも全然大丈夫じゃないのに内容は本当におもしろくて終始変な顔になってしまいました。このノリはすごく好きだったんですが、笑ってしまったら自分も同罪になってしまう気がして(そもそも罪ではない)……。

まあでも、ラストの「既に今週号のジャンプに載ってます」という言葉通り、大丈夫だから載ってるんでしょう!!!大丈夫!!!(大丈夫か?)

アンデッドアンラック

No.200 捲土重来

サブタイトルの四字熟語を知らなかったので調べました。

まえに敗れた者が、いったん引きさがって勢いを盛り返し、意気込んで来ること。けんどじゅうらい。

Oxford Languages より

なるほど。まさにランゲージの状態ですね。

前回しれっと単独討伐していたのがここできちんと伏線になっているのが流石アンデラ!!!という感じ。また、ランゲージの反応を見る限り、単独討伐には不忘が必要そうな様子ではあるので……、これをどう凌ぐのかというのが肝になりそうですね。

風子のスタンスが「まず今ループでの幸せを第一にしている」というのを知れたのもよかったです。ここは物語の在り方として好みがあるとは思いますが、風子は「ジャンプの主人公」なので、私はこういうのがいい!!!って感じです。

ニコだけでなく、イチコも討伐メンバー入りしたので、いい協力が見られることを願っています。あとこの辺りでちゃんとくっつくといいね……(生まれるはずのお子さんのためにも)。

また、否定能力は未覚醒でも円卓の席を与えることはできるんですね。

逃げ上手の若君

第150話 フルメタル1338

今回は高師直と足利直義の衝突を中心に足利陣営の不和を描いた回。この不和に対して足利尊氏はいつも通りというのが恐ろしいところですが(腹を切ってうどんを出すの意味不明さも怖い)、それぞれの陣営が一枚岩ではないところも歴史ものの醍醐味だと思うので、こういう回はちょっと趣味が悪いと思いつつもわくわくしてしまいます。

また、直義の好感度の高さと高師直の好感度の低さの対比的にも、ここは結構がっつり時行の行き先にも関わってくるんだろうな……というのを含めて、今後が気になります(よりによって吹雪がいるのが高師直陣営だし)。

しかし直義視点、斯波家長を失ったのはかなりの痛手ですね(戦略的にもメンタル的にも)。

キルアオ

page 46 家庭科部には手を出すな

今回はざっくり言えば「十三が勝つ回」の一言で終わりなんですが、1話の構成がきれいな回だったのが印象に残っています。

第三者(でもないか)の会話から始まり、見開きで十三が勝つところを見せてからのそこまでの経緯を見せてくれているので、「十三が勝てるかどうか」というストレスを取り払ってから戦闘シーンを見られる親切構成。好みはあると思いますが、作品性質上この構成がベストだと思うので、やっぱり藤巻先生はこういう読者を見据えたストーリー構成が上手い作家だなと感じます。

また、今回は十三よりも勝てるかどうか怪しい獅童の戦闘を控えているので、ここでちんたらしていると「獅童は!?」ってなってしまうってところも加味しての構成って気もしますね。実際獅童はバスから落とされたら終わりなので十三が来るまで頑張って堪えて欲しいと思います(バスから落とすと偽装工作が困難とかはありそう)。

魔々勇々

No.27 あなたは強くて優しい子

ここでコルレオの紋章術の開示はアツいですね。それが「精神に作用する」「現実の時間は経過しない」と常に話し合いを試みてきたコルレオに合うものであったのもいい。

ハロハロが「この世のものではない」ものとして常に枠線で目が隠れているという描写も魔々勇々らしく、作者特有の空気感を出すという点では本当に強い作家性だな……、と感じます。

ハロハロの紋章術が「物体 事象 認知を消失・改変する事が出来る」と明らかに規格外の力なんですが、それも「母なる紋章」であるが故、というのも結構衝撃的。確かにこのレベルの力を持つとなればその紋章術を欲しがる者がいるのもわかるし、それを恐れてしまう気持ちもわかります。マジでハロハロが穏健派でマママと恋人関係になったことはこの世界にとってもかなり幸いだったんだな……。

また、平和の為に紋章術を使ったハロハロでさえ「加害性を持たない紋章術は存在しない」と言い切る、残酷な世界への割り切りもよかったです。ここで「攻撃性」ではなくはっきり「加害性」という言葉を使っているのも上手く説明できないんですが、よかった。そして、紋章術の出力が目的意識に比例するという特性が「悪意」という強い目的意識と「相性がいい」ことに気がつくハロハロも頭がよく、そして優しいというのがよくわかる。とてもいい会話シーンでした。

ハロハロとの対話を経てコルレオは自身の紋章術に自分の名前と同じ意味を持つ「獅子凜々」という名前をつけてエンドと向き合う……。最高のクライマックスじゃん……、という気持ちと同時に、やっぱりこれがラストバトルになっちゃうのかな!?という不安もこみ上げてきて、だいぶ不安定な気持ちに。

しかし、ここで紋章術の簡易強化として「獅子凜々」が出てきたことで、マママがコルレオの母であることもちゃんと意味があった、と納得できる構成なのもよかったですね。次週が楽しみです。

鵺の陰陽師

第43話 夕暮れの隊長

村編が一段落したので、再び学校編へ。四衲が同じクラスに転入してきたのはちょっと驚きました。そう言えばまだだったな。

また、四衲は「妹」属性を推してくるヒロインだと思っていたんですが、「実は血が繋がっていない」「同じクラスに編入」あたりを見ると、もしかしたら「妹」を推して……、いない!?どういうことなんでしょうか!?気になります。全然本編と関係ないところに食いついてしまった。

墓参り中、落ち込む学郎を励ます(?)兵一。嫌味にも取れる言動ですが、これは学郎の力不足を責めているというよりは、まだ正規の隊長としての責任を負うべき段階ではないことを説明しているように見えます。これに関しては不測の事態が起きたことを含め、采配ミスの線もあると思っているので納得。

また、死人が出ていないからいいというものではないし、兵一隊長もそれは理解していると思うんですが、学郎にとってわかりやすい形で「今回は誰も死んでいない」ことを褒めたのかな……、と思います(ただ、四衲の腕が割とサラッと直ったところを見るに、本当に死ななければどうとでもなる世界観なのかもしれない)。

クラスのトンチキ空気が好きすぎるので月1くらいで教室に戻ってきて欲しい。

グリーングリーングリーンズ

第16話 「実力」

八枝崎が初心者故に大きく勝負をかけられるのに対し、王賀も真剣すぎるほど真剣に競技に向き合っているのがよかったです。

また、思考の海に沈みがちな八枝崎の性質と、解説が必要なスポーツマンガという要素、1打ごとに思考を挟むことができるゴルフという競技が怖いくらいにぴったりはまっているのもこのマンガのいいところですね。マンガという媒体なので、動きが少ないシーンをカットして進めていけるのも強みだと思いますが、それでも球技などに比べれば動きが少ないのは事実なのでその辺りで好みはわかれるような気がします。

派手さで言えばショートカットが成功した前のHの方が派手だったと思うんですが、「自分で考えて打ち、それが思い通りになった」今回のHの方がしっかりよろこんでいるところも八枝崎の良さが出ていてよかったです。こういうところはすごくスポーツマンというか、むしろ職人とかそういう気質を感じますね。

しかし、オリバーも一緒に打ってるはずだし、そもそもこのコンペにオリバーに来てもらう!!!というのが前章の目標だったと思うんですが、完全に後方彼氏面で楽しそうに解説をやっているのがおもしろすぎる。いい友達ができてよかったね……。

来週の王賀の見せどころも楽しみです。

ツーオンアイス

第25話 オーベルマンの谷底で

今回の話は今までの「たっくん、なんでこんなに綺更に執着してるの?ちょっと気持ち悪いな……」という疑問にはっきり答えを出していて、というか出し過ぎていたので、「たっくん怖……」という気持ちが「エルク先生怖……」という気持ちに上書きされてしまいました。

ストーリーとしてはこれ以上ないくらいに納得できたし、物語としてのインパクトも十分に感じたし、この話は連載開始時から決めていたんだろうなというのはわかるんですが……、わかるけど!!!少年ジャンプで!?みたいな衝撃がすごい。多分これは賛否あると思うし、私もこういう風に書いてしまう以上、完全に「賛」側ではないのかも。でも、少なくとも否定的ではないです。

最初に読んだときは「もらいすぎてしまった人間」ものとしてダイヤモンドの功罪のもっとヤバい版みたいだな……、と感じたんですが、あっちはあくまで「才能」への嫉妬であったのに対し、空天雪の場合はその「ルックス」で全てが狂ってしまったと思うと本質的には全然違いますね。

今までにもその芸術性とともに語られてきましたが、他人からの「好意」が持つ暴力性の描き方が本当にすごい。これはスケート競技の男女比のアンバランスさも影響しているんだと思うんですが、競技のそういう部分に切り込んでいるのもすごい胆力だなと感じました。

そして、「自分が女だったら理想の生き方ができたはず」という妄執に取り付かれた空天雪が「自分の女版」を見つけてしまった、というところから綺更の地獄が始まるところも綺更視点だと全く納得できないところも含めてよかったです。というか、綺更が普通に嫌な女だったらそんなに執着することもなかったんだろうな……。

スケートでここまで上り詰めて起きながら、最初に欲しいと願ったもの、一番欲しかったものは手に入らない空天雪と、そんな空天雪が一切眼中にないきさはゆペア。これはもうほぼ天空雪の負けが確定していると言っても過言ではないんですが(天空雪だけが負けるか、両者負けしかない戦いになっている)、きさはゆの輝きで彼が欲しかったものが取り戻せるといいね……と思います。

とはいえ今大会でやったことは完全にラインを越えているので、それに対する罰みたいなものは描かれるような気もします。今まで空天雪とその描写で「聖書」からの引用が多かったことを考えると……、多分……。神曲の引用もあったし……。

気は重いですがストーリーとしてのおもしろさが異常になってきたので続きが楽しみです。気は重いです。

累々戦記

第15話 友達

てっきり先週のシーンで回想が終わると思っていたんですが、もうちょっとだけ続くんじゃよ!でしたね。兄とはもっと敵味方曖昧な感じで分かれていると予想していたんですが、兄は思ったよりもがっつり「向こう側」に行っていました。

涅森の年齢も考えるとトラウマなってもおかしくない出来事で(というかなっているとは思う)、その後自ら牢に籠もっていたというのもなんだか本当にかわいそうになってしまう。また、こういう状況だったからこそ完全な敵陣営として扱われていなかったんだなというのもわかってよかったです。

こういう特殊な環境のしがらみの外から当たり前の日常に連れ戻してくれる相棒、というのも良い空気感。一緒に修行とかしてたし、だいぶ情があるんだな……、と言うところまで考えて思ったんですが、朝風って累に直接襲われて助けられたとかではないのに(間接的には襲われている)、1話ラストでかなり涅森に寄り添っているので、元々かなりいい奴なんじゃないか?という気もしてきました。

なんか……、戸神も朝風にすごく好意を持ってそうだったし……(私の見落としかもしれないんですが、そんなに好意を持つようなことがあったかどうか定かではなく、やや困惑している)。

ここで涅森が応神を使えるようにする、というのも流れとしては王道ですね。先生のこういうクリーチャーデザイン的なものが好きなので、また応神vs応神戦が見られそうなのは楽しみです。

ルリドラゴン

第10話 使い道

眩しい!!!!!!!!!!

急になに?って感じですが、ルリと母親の休日モードから、偶然会った友だちに交ざってスポッチャで遊ぶという流れから強い〝陽〟の気を浴びてダメージを受けてしまったという話です。

そういう部分も含めて「楽しそうな若者」の描き方が本当に上手いし、そこに「人間とドラゴンのハーフ(?)」であるルリが馴染んでいく様子がとても自然に描かれているのがすごい。これくらいの異形ならこういう受け入れられ方しそうだよな(?)みたいに感じさせられた時点でルリドラゴンの世界に呑まれているんだろうな。

読んでいてホッとするこの空気感、もっと浴びていたいです。

WEEKLY週ちゃん

VOL.0242

鉄塔特集はマニアックすぎるでしょ、と思いつつ、個人的に好きなテーマだったのでうれしいです。しかも2週に分けてやるらしいので、もしかしたらジャンプ編集部にそういうマニアックな人が多いのかもしれない。個人的にはジョジョの奇妙な冒険の4部に出てくる鉄塔が印象深いです(記憶だけで言ったのでもしかしたら鉄塔じゃないかも)。

少年ジャンプ2024年18号 予告

来週はセンターカラーが2作品っぽいですね(読み切りとかになければ)。あかね噺は2号連続カラーとのこと。うれしいですが、カラーが描ける作家さんがいないのか……?と不安に。

表紙はアニメの放送を目前に控えた夜桜さんちの大作戦。このタイミングってことはもしかしたらあるふぁとひふみの開花がカラーで見られるのでは?と期待(まだちょっと早い気もしますが……)。

2024/04/01発売
表紙 :夜桜さんちの大作戦
巻頭カラー :夜桜さんちの大作戦
センターカラー :僕とロボコ
センターカラー :あかね噺

作者コメント

今週は鳥山先生への追悼コメント。

あえて言及することは避けていましたが、こうして見ても鳥山先生が世界に与えた影響がどれほどのものだったのかを考えさせられます。私も学生時代はドラゴンボールのアニメ(Zが好きでした)を見ることが日々の生活の中にありました。意識することが出来ないほど自然に先生のキャラクターが日常の中にあり、そしてそれはこれからも変わらず続いていくのだと思います。ご冥福をお祈りいたします。

アンケート

前回からこの記事に対するアンケートをGoogleフォームで作ってみました。上手く活用できるかはわからないんですが、気が向いたら気楽に回答してみてもらえると助かります。


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