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少年ジャンプ2024年10号感想

2024/02/05発売
表紙:ウィッチウォッチ
巻頭カラー:ウィッチウォッチ
センターカラー:キルアオ
センターカラー:カグラバチ
センターカラー:ハイキュー!!(特別読み切り)

予想はしていましたが、暗号学園が連載終了。お疲れ様でした!!!

X(Twitter)に最終号特別イラストがアップされていました。最後までイラスト内に暗号を盛り込んでいる徹底ぶり、好きです。第一話から読んでいて思い入れのあり、アンケートも出して応援していたマンガなので寂しいですね。

https://twitter.com/angou_iroha/status/1754344793688481986

ウィッチウォッチ

142 サンタクロース・ファンタジー 後編

私があまり篠原先生の作品を知らないだけかもしれませんが、普段とは違ったタッチのカラーですね。篠原先生の絵柄ってきっちりした線画なので「マンガ」という印象が強いんですが、今回のカラーは空気感のある彩色によって「実在感」があっていい。

ドタバタしながらサンタクロース作戦は概ね成功、その中でニコが例の薬を飲んでしまって一瞬だけ元の姿に……、というモイちゃんに対する逆プレゼントみたいな展開に。ここで「ずっと会いたかったんだもんな」って言葉を口にするモイちゃん……。なんか元気に日々を過ごしているようだったので失念していましたが、あんなことがあってニコが小さくなってしまって色々思うところもあったんだよなあ、というのを思い出して私まで切なくなってしまった。

ネムちゃんの恋路もどうなっちゃうんだよ!!!すぎるのでまだまだ元気に連載が続いて欲しいし、アニメ化もして欲しい。毎週アニメ化して欲しいって言ってる。

SAKAMOTO DAYS

DAYS 153 殺しに必要なもの

先々週辺りから展開が早すぎてずっと息切れしている本作。序盤の会話は結果的に有月が南雲本人に南雲の悪口言ったみたいになってしまったのがちょっとシュールでしたが、なんとなく入れ替わりに気付いていそうな素振りもあるのが不穏。でも気付いてたらあんなに素直に刺されるか?という疑問もあります。

南雲だと思われていた体は楽のもの。反則級の変装技ですが、過去に坂本を変装させたことがあるのでギリギリ許される範囲だと思います。鹿島が来なければ死んでいるレベルの致命傷を与えておきながら止めを差しきっていなかったのは変装の都合か、生かしておいた方が発見者を足止めできるからか、その辺でしょうか(メタ的な理由だとは思う)。

それにしても「あっこれ南雲じゃない!」ってわかった途端に「蘇生を止め…」はシンもその辺は(元)殺し屋なんだな。咄嗟に言ってしまっただけだと思うんですが、それでも結構驚きました。鹿島が気付いた上で蘇生してたかどうかは微妙ラインですが、ここで息を吹き返したってことは後々なんかあるんだろうな……。

今までSAKAMOTO DAYSはなんだかんだコメディ路線に戻っていくもので、殺し屋という職業そのものの「業」みたいなものには触れずにやっていくんだと思っていたんですが、ここで急に死者を思いながら「俺はなぜまだ生きてる?」は結構不穏。しかしこのコマのキンダカ、そもそも実は生きてるし、シルエットがなんかちょっとおもしろいのでじわじわ来てしまう。

有月と麻樹が邂逅するものの、過去については未だにわからず。麻樹の発言的に有月のことは取り逃していた雰囲気があるものの、この辺もどこまで本当の事を言ってるかわかったもんじゃないし……、そんなことしてるうちに武藤さんは人間爆弾になっちゃうし……。

というところで楽に変装していた南雲が有月を刺して、今週は〆。

8年赤尾の死の真相と(おそらく)仇を討つ機会を狙っていた南雲としてはここが人生のクライマックスだと思いますが、多分このあと赤尾の人格が出てくる上に、集まっているメンバー的に死の真相が語られる可能性が高いのでまだまだお労しい状況が続きそう。

頼みの綱は坂本だと思いますが、現場にくる時間的余裕があるかは疑問。それこそまたシーンが飛んで、今度こそ本物の南雲が血塗れで倒れていてもおかしくない展開。SAKAMOTO DAYS の渋谷事変かも(話の盛り上がりのことをなんでも渋谷事変って言ってしまう)。

ONE PIECE

第1106話 〝きみの味方〟

くまの姿をしたパシフィスタがボニーを手にかけることを「あってはならない」と思っていたベガパンクがくまの姿をした全ての個体にプログラムした「くまはいつでもボニーの味方」という「命令」……。ベガパンクの優しさと苦悩が伝わってきてめちゃくちゃ泣いてしまった。その代償を命で支払うことになったとしても、という強い信念がベガパンクにあってよかった。

しかしこんなの目の前で見せられてる黄猿も気の毒だよ。こんなの見せられて自分の方が正しいって思える人間なんて早々いないと思う。だからこそせめて「痛みはねェからよ」という言葉がでてくるんでしょう。本当にかわいそう。

そしてこのピンチからのギア5での引き!!!すごく盛り上がってきた!!!というところで出てくるのがドリーとブロギー。

ここで!?!?!?

って思わず声が出ました。ここで……、あのときのドリーとブロギーが!?ギア5だけですごい!!!と思ってたのにそれ以上のものを平気でぶち込んでくる ONE PIECE 、やはり最終章を銘打っているだけあります。もうここから止まることはないんだろうという安心感。このまま最終回までこの船に乗船していたいと心から思いました。ホントにすごいマンガだ。

ちなみに「自由の戦士」であるニカが黄猿を止めてボニーを守ったのは、ボニーだけではなく黄猿の「ボニーを殺さない自由」も守ったのかもしれない……、とか考えたらまた涙が出てきました。もう最近ずっと感情移入先が黄猿なのはなんなんだろうと思わなくもないですが、それだけ魅力的な描かれ方をしているからなんだと思います。物語的には敵キャラクターですが、悪人ではない(むしろ善人)ので、今後ホントにどうにかなって欲しい。

僕とロボコ

第171話 タイトル戦とまどか

この将棋設定続いてたんだ!?という地味な驚きと共に始まった回。

今回はかなりパロディが多かった回だと思うんですが(毎回多いんだとは思う)、元ネタを知らないものが多かったのもあってあまり話に乗りきれないところがありました。でもバーブが物理的にデカいシーンとかで普通に絵面がおもしろくて笑ってしまったので、そういう笑いもちゃんとしっかり話の中に組み込んでいてすごいと思いました。8四無に至っては意味はわからないけど笑いが止まらなくなって死ぬかと思った。多分しばらく思い出し笑いする。

今回の話は長編なのか、しれっと来週は全然違う話するのかどっちなんだろう。

呪術廻戦

第248話 人外魔境新宿決戦㉑

一旦時間は遡って羂索の最期のシーンへ。この辺はその場の雰囲気で流してしまうのかと思っていたので、予想に反してしっかり語られたのがうれしかったです。

ルールの細かい設定などは相変わらずよくわからないので、どこかで解説が入ることを祈りつつ……。羂索を倒す条件は脳破壊だったっぽいですが、それをためらいなく実行できる乙骨は流石。なぜここで乙骨が?という疑問も「呪霊操作の術式の暴走に対処するため」とここで解決。この辺はロジカルですね。

乙骨の判断は間違っていなかったと思うし、百歩譲って最善ではなかったんだとしても、自分をそう納得させることはできないというスタンス。苦しいなんてもんじゃなさそう。新旧主人公達、優しいが故に生きづらそうでつらい。

乙骨、圧巻の領域展開からの宿儺対策、今度こそ上手くいくんだろうか(宿儺の態度的にまだ難しそうな気もする)。

キルアオ

page 39 戦って仲直りしたら友達でしょ

決着がついて大団円!と学園ものらしい爽やかさ。点数で買ったと言うよりも乙姫の棄権という形ですが、そもそも発端が発端なのでこれでいいと思います(その後の「諦められないーーーっ」も含めて)。恋愛ではライバル関係だからって友達になれないわけじゃないってところも青春でいい。そもそもノレンがライバルではないから言えることかもしれませんが……。

人工呼吸のシーンもいやらしさがなく、十三のキャラクター性を貫いていてよかったです。

やっぱりミツオカ製薬になんか裏があって、ノレンはその被検体でもある、みたいな流れが来るのがベタな感じだと思いますが……、

先週の感想より

先週言っていたとおり、ミツオカ製薬はやっぱりうさんくさいので、この辺りでシリアス中編に入る雰囲気もあり、物語がどう動いていくのか気になります。

鵺の陰陽師

第36話 勝機は十分にある

ここのキルアオ→鵺の掲載順、先週と同じですかね。アンケートが似たような推移をしているんでしょうか。大抵近くに掲載されている印象。

狂骨がやってきたことにより、周防組と学郎組で分かれてバトル展開になりそう。既にかなりヤバい感じの学郎組ですが、周防組の方も相手の数が多いので狂骨の力がどこまで通用するのかやや不安があります。

助けに来てくれている描写はあるので最悪の事態にはならないと思いますが、しばらくは緊迫した空気が続きそう。

アオのハコ

#135 そんなことないです

自分がスポーツやってたわけではないのでそう思ってしまうのかもしれませんが、試合中に怪我したって言ったって、そんなの千夏のせいじゃないじゃん!!!って気持ちになってしまう。ただ、これは周りがどう思っているかではなく、自分がそう思ってしまうということなんだからそういう問題でもないのもわかる。思わず「づら゙がっだよ゙ね゙……!」と声に出そうになりました。

大喜の「そんなことない」は多分、「私のせいで負けた」ではなく「全部無駄になっちゃった」にかかっていて無駄ではなかったことが千夏の努力を見ていたから証明できる、と物語の原点に回帰するのが誠実で美しい。

2人とも頑張ってね……!と応援の心を新たにしていると、今度はきょーちゃんとマネージャーの方でもなんだか不穏な空気感。なんかもう普通にハラハラしてきた。

ハイキュー!!

番外編

私はハイキュー!!自体を全部読んでいないので雰囲気で読んでしまった感じですが、負け試合視点の話で、それを大人になってから「悪くない」ように夢に見る、というストーリーは素直にエモだなと感じました。

映画も気になってきた……(原作見てないのに見るものではないと思うので、映画をやっているうちに読んで、見に行けたらいいなと思っています)。

あかね噺

第96席 たかが落語だ

父……、生きてる……みたいな気持ちで読んでいたら作中でも「ちゃんと生きてるからな」って言っていて、すみませんという気持ちに。

ただそれは命があるというだけの意味ではなく、ちゃんと生活をして、(おそらく)人並みに幸せに生きているのだという話でもあるんだろうな、と思いました。「たかが落語」って言葉をプロの前で言うのはどうなんだろう?って一瞬思ってから、そう言えるところまでまた進んでくることができたと言うのは本人にとってはもちろん、周りの人間にとっても救いなんじゃないかと思い直しました。

奇しくも「諦める(そうせざるを得なかった)」という話が並びましたが、こういう価値観の表現もいいものだなとしみじみ感じます。

想像以上に大変なことになってきた高座、本当にどうなっちゃうんだろう。

アンデッドアンラック

No.193 不停止VS不運

仲間にするために来た割には思った以上にがっつり戦っていて笑ってしまう。とはいえこれでトップのフラストレーションを解消してもらう目的もあるんじゃないかとは思います。でないとただの自然破壊過ぎる。

先週明らかになりそうだった否定者に選ばれる理由は今回はお預けとなりましたが、ここでビーストが出てきた以上、この流れで明かされそう。面子的に絶対理と戦うための戦力が足りているのか心配ですが、ここでトップ・春歌・ジュリアの戦いが見られるかもしれないと思うと楽しみではあります。

夜桜さんちの大作戦

作戦212. 長女 VS 長女

二刃の優しさに甘えた部分のある作戦とは言え、年齢差を考えたら妥当なハンデですね。二刃が開花を使って全力で相手をしているのはそれだけまっすぐ向き合っているというのがわかって思わず抱擁されたくなってしまう。

そして無能ではなかった長男には完敗です。こういうときにしっかり働いてくれているので嫌いになれない。ずるい男だな……と思います。

開花の兆しを見せたひふみがどう成長するのか楽しみですね。「戦わないで」という優しい願いが叶うことを祈りたいところ。

魔々勇々

No.20 「ようこそツールフ遊園地へ」

勇者サディコ見つかるの早いなと思っていたらなぜか遊園地に行くことになっていたコルレオ一行。なにをのんきな……と思わなくもないですが、エリシアとモニカがかわいいのでまあいいかという気分になってしまう。最終的にコルレオまで観覧車に乗ってしまうのはもはや微笑ましかったですね。

ちゃんと人助けをしているのは好感ポイントが高かった。浮遊の力が思ったよりも使い道に困る感じだったのには驚きましたが、その辺は他の力を組み合わせてどうにかしていくんだと思います。

どうかんがえてもサディコのフィールド、お化け屋敷で対面!?というところで今回は終わり。正直なんかもうちょっとおもしろの予感がしてわくわくします。来週のセンターカラーも楽しみ!!!

そう言えば1巻を買いました。キャラクター設定とか載っていてよかったです。

カグラバチ

第19話 闇の騎士

カラーめっちゃかっこいい!!!贅沢なことをいえば、今までチヒロのカラーが多いので、他のキャラクターのカラーも見たいところ。今までは誰がレギュラー入りするかわからなかったって部分もあるからだと思うので、今後に期待したいと思います。

先週の引きからどうなる?と思っていたら今週はまるっと様子がおかしくて、先週からの緩急で風邪引くかと思いました。

チヒロが戦っていたのを見ていた男の子の視点、新鮮でいいな~と思いながら読んでいましたが、ジャンプ的にはこっちの方が主人公っぽいかもしれない。というか、チヒロが元々目的意識がはっきりしていて、しかも結構強いのであんまり「成長する主人公」って枠じゃないから余計にそう思うのかも。

性格がかなり違うので自分で書いてても違和感があるんですが、チヒロって意外とルフィに近いタイプなのかもしれません。

でもやっぱ今週の最後のコマとか様子がおかしくておもしろすぎる。漣がレギュラー入りしたらこのマンガホントにどうなっちゃうんだろうってくらいおもしろいので、是非レギュラー入りして欲しい。

そしてカグラバチも1巻買いました!紙版は売り切れのところもあるって聞いたので、すごいな~と思っています。

グリーングリーングリーンズ

第9話 「人には人の」

断るとは思っていましたが、気持ちの問題ではなく「プロライセンスを持っていないから」と返してきたところはキャラクターの造形とあっていてよかったですね。そこに「その情報に10万の価値はない」という良心が含まれているのもよかった。

多分プロのスポーツを書くにあたって、「金」というところに焦点を当てているのもあると思うんですが、結果的に「人の時間を自分のために使ってもらう」ということにちゃんと向き合っているのが真面目で好印象。

逃げ上手の若君

第143話 土岐頼遠1338

1コマ目から「この化物しゃべるんだ!!!」って驚いてしまった。しかしその化物相手に久しぶりの「鬼ごっこ」を楽しそうに繰り広げる時行もだいぶ化物だと思います。化物とか言うな、というのはそう。

時行一行がやってきてこのまま勝つのか?というところで(なぜか)北畠顕家も復活。この勢いでこの戦、勝ってしまって欲しいと思います。

史実がわかってないので的外れなこと言ってないか毎回ハラハラする。

累々戦記

第8話 館

ちょっと長めに尺を取る感じの話が始まりました。神隠しの館編って感じ。

それはそれとして前回出てきた凪斗終もやってきている模様なので、もしかしなくてもこの男、レギュラーないし準レギュラーなのかもしれない。一緒に行動している戸神もまた、癖の強い女子なので今後どんな感じで主人公勢と関わっていくのか気になるところ。

【読切】今日の魔女たちは

明日夜

ジャンプ・ショート・フロンティアの作品。内容はギャルの魔女と転校生の魔女が出会うというシンプルなもので、あんまりオチとかがある感じではありませんでしたが、ショートという作品形式と「今日の魔女たちは」というタイトル的に「こういうのがいい」と感じさせてくれる作品だったと思います。

優しい雰囲気の絵柄と、作中クラスの柔らかい雰囲気が噛み合っていて読んでいて優しい気持ちになれたところもいい作品だな~~~と感じました。

アスミカケル

Round31 この先

序盤からのたたみかけるような技の流れからの二兎勝利。二兎視点で見ればかっこいい勝ちですが、黒沼視点から見るとなかなか切ない一戦でした。

黒沼の「やめるよ」は今週のあかね噺の「たかが落語」に通じるものが合ったと思います。夢を追わなかった、追えなかった人間がそこで終わりではないこと、それを決めるのは他人ではないこと、そういう在り方が同じ号で被ったのはちょっと興味深いし、逆にまだ夢の中にいることを示したあアオのハコとは対照的でしたね。

ツーオンアイス

第18話 伝道者たち

この会合のシーン、なんか「実録マンガです!」って言われたらそう思ってしまうレベルの人間の解像度なので読んでて結構びっくりしました。実際に「居る」感が半端ないのにこの話はフィクションなのでちょっと混乱する。

この「ペアを『空天雪の競技』にはさせない」という感情、これはマジでペアに、スポーツに限った話でもないので妙にささるシーンでした。これ自体は空天雪が悪いという話ではないのも難しいところ。

そして邪魔なコーチはいなくなり、オリンピックへ……!!!って展開の早さにもびっくりする。高校の競技とかだとなんとなく大きな大会の年間スケジュールとかを把握しているので暗黙の了解として話が進んでいたところが、スケート選手のスケジュールとなると全然わからないので、詳しくない競技ってそういうところが難しいなと思いました。

暗号学園のいろは

最終号 「終戦よければすべて読了」

おつかれさまでした!

単行本の最終巻が出たらそれの感想で何か書こうと思うのでここでは多くを語りませんが、ある程度の伏線は残りつつも、大枠としての物語をまとめてくれたので寂しさこそあれ、大きな不満はありません。

いろはの理想論的な戦略(ゆめ)を共にできてよかったと思います。西尾先生、岩崎先生、本当にお疲れ様でした。

少年ジャンプ2024年11号 予告

というわけで、新連載が始まる季節。本当にスパンが早くてめまぐるしいな……、と思います。今回は2作品始まる感じかな。楽しみです。

というか超条先輩は読み切りを読んだ覚えがあるので、読み切りから連載までが結構短かったのかも。

2024/02/13発売(電子は12日)
表紙:超巡!超条先輩
巻頭カラー:超巡!超条先輩
センターカラー:アオのハコ
センターカラー:アンデッドアンラック
センターカラー:魔々勇々

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