五味馨

国立環境研究所福島支部・主任研究員。福島で復興をお手伝いするための研究をしています。専…

五味馨

国立環境研究所福島支部・主任研究員。福島で復興をお手伝いするための研究をしています。専門は環境・社会の統合モデリングと地域シナリオ研究。発言は個人の見解であり所属組織のものではありません。三重大学生物資源学部から京都大学大学院地球環境学舎(4期)京都大学博士(地球環境学)

最近の記事

再録:素人が理解できないプロに文句を言い、プロは素人の理解できなさに付き合いきれないという困った状況について

本記事は2015年3月に書いた当時のブログ記事の加筆修正版です。気候変動研究ではあらゆる立場の人々とのコミュニケーションが日常で、2020年の脱炭素宣言以降、ますますそのような毎日です。当初の記事の執筆から8年経った今も基本的な考え方は変わっていません。このときにはデザイナーが「プロ」の側で、たまたま今twitterで話題になっていたのは安全保障ですが、だいたい似たようなことが言えるのではないかと思っています。 twitterで五輪エンブレム問題をきっかけに書いたことをまと

    • 誰の言うことを最もアテにするか <コロナ予防接種バージョン>

      新型コロナウイルス感染症の予防接種について、自分が一般人としてどう考えて接種したかを書いておきます。医療は専門外ですが専門の環境分野では科学的知見と公共の政策・事業の関係についてわりと中の人なのでその知識は活用しています。以下6千字ほどですのでお手すきの際にどうぞ。 まず予防接種以前のコロナ禍当初にすぐ分かったことは、自分には一次情報から正しく判断する力はない、ということ。ここでいう判断する力とは情報源を正しく理解して質を評価できることです。たとえば関連資料を読んで問題点を

      • たったひとつ+1のシンエヴァ感想(ネタバレあり)

        送ればせながらようやく見ました。twitterだとどうしてもネタバレしちゃうのでこっちに書きます。 普通の感想は一つだけ、やっと宿題が終わったなあと思いました。めでたしめでたし。 で、+1のほうが本記事の本題です。 公開のちょっとあとから、まあ多少ネタバレみちゃってもいいかと思って普通にtwitterも見てたんですよ。まあこっちもそれなりの年齢にもなってきたし(Q/シンのミサトさんとだいたい同じ)、きっとメインの主題はそんなに変わらんだろうと。TVシリーズ以来、ヴィヴァ

        • あなたの地域の脱炭素計画のつくりかた

          先日、地方自治体で脱炭素に取り組むためのビジョンづくりのマニュアルを研究所から公表しました。ユーザーとして地方公共団体の職員さんや業務を受託するコンサルタントの方々を想定しています。 ◆地域における「脱炭素社会ビジョン」策定の手順 Ver1.0 プレスリリース https://www.nies.go.jp/whatsnew/20210305/20210305.html マニュアル公開頁 https://www.nies.go.jp/fukushima/decarbon-ma

        再録:素人が理解できないプロに文句を言い、プロは素人の理解できなさに付き合いきれないという困った状況について

          地球温暖化問題を環境・経済・社会の視点からふんわり概説します

          大変珍しいことに私が専門の地球環境が話題になっていますね。気候変動業界は結構大きいのであちこちに解説があり、所属組織もQ&Aを出しているくらいですが、個人としてもこれを機にふんわりと環境・経済・社会について概説しておこうと思います。以下はtwitterで50連投したものをまとめて若干の修正をしたものです。 さていきなりですが上記Q&Aはこれです。 国立環境研究所 地球環境研究センター ココが知りたい地球温暖化 http://cger.nies.go.jp/ja/libra

          地球温暖化問題を環境・経済・社会の視点からふんわり概説します