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第122弾「日追鳥 〜フライクライ〜」

ハーイ!みんな元気?あたしけいご。

122曲目はこれ。日追鳥 〜フライクライ〜。これまた作りたての段階では「いいきょくー!」とか思ったけど、あとから聞き直したら「ひどい。嫌だ。顔も見たくない」みたいな作品になってしまった。だから、聞かないでいいです。聞かないでください。だけど『日追鳥』という言葉自体は好きだから、せめて、この言葉の意味だけでも、あたしに説明をさせてください。

「日追鳥 〜フライクライ〜」 作詞・作曲 Keigo Sakatsume

出発の時間だ 鍵は置いていくぜ
こんな夜には シャトーブリアン

綺麗に咲き誇ると言うよりは
美しく 散る 美しく 散る

楽しいほうへと 走光虫 楽しいほうへと 走光虫

負けねえ 負けねえ おら 負けねえぞ
負けねえ 負けねえ おら 負けねえぞ

煙たがられてる 烏にだって
光を目指す よろこびはある

明るいほうへと 日追鳥 明るいほうへと 日追鳥

ソー ファイト フライ クライ
おわらない クロウに ぐっない

ソー ファイト フライ クライ
おわらない クロウは ぐっばい

手の鳴るほうへと モンシロチョウ
手の鳴るほうへと モンシロチョウ

ゴミクズみたいな 虫けらだって
光を 目指す たましいが ある

負けねえ 負けねえ おら 負けねえぞ
負けねえ 負けねえ おら 負けねえ

今回は、歌詞とは別に(動画に)副字幕をつけてみました。そこにも書いたけど、日追鳥とはカラスのことです。あの、どこの街にでもいる、黒いカラス。基本的に、カラスって真っ黒だから視覚的にも不吉だし、ゴミをあらすし、あんまりいい印象を持たれない。だけど、あたしは、そういう『ある種のはみ出し者』みたいなものに、謎に、シンパシーを覚える。これは、甲本ヒロトが「どぶねずみみたいに美しくなりたい」と歌った心境と、似ているのかもしれない。でね、こんな嫌われ者のカラスも、昔の人は『日追鳥(ひおいどり)』って呼んでいて、尊敬する対象、見習うべき対象として、カラスを見ていたの。じゃあ、いったい、カラスのどこを尊敬するのかっていうと、カラスは『明るさを求めて生きている』生き物だと思われていたから。真っ黒なカラスは、朝は朝日に向かって飛び、夕は夕日に向かって飛ぶ。だから、人間もカラスを見習えって。物事を明るく考えたり、明るい光りを求めて生きて行けって、そういう風に考えられていたり、教えられていたの。

だから、あたしは、カラスを見るたびに「こいつらも、(見た目によらず)明るさを目指して生きているのだよな」とか、勝手に想像する。カラスは、鳴いたり騒いだりすることで人間を威嚇するけど、よっぽどのことがない限り攻撃はしない。知能が高いから、クルミを道路において車に轢かせて割ったりするし、雪の日はゴミをソリみたいにして『雪遊び』とかも、する。ゴミを荒らされて困るときは、毎日、カラスに話しかける。すると、そこに友好が生まれて、人間がされると困ることを、やがて、カラスはしなくなる。あまり好かれることはない生き物だけど、愛しい部分を知れば知るほど、カラスを好きになる。よく見ると艶やかな黒色だな、とか、瞳は優しい感じじゃないか、とか。だから、あたしは、カラスを見ると(どちらかと言うと)幸せになる。これは、猫を好きなひとが、猫を見るたびに幸せになる気持ちと、ほとんど同じことだと思う。好きなものが増えると、世界をもっと好きになれる。好きになるというか、世界を「いままで以上に豊かに」感じる。

人にも虫にも「走行性」って呼ばれるものがあって、明るいところに足が向かう習性があるらしい。これ、なんとなく、わかる。あたし、前に死ぬほど精神状態が悪かったときに、誰もいない新潟の夜道を泣きながら歩いていたことがあります。地方都市は夜暗くなるのも早いから、0時を過ぎるとほとんどの家は電気が消えている。そんななか、月のあかりだけを頼りに歩いていたら、やがて、コンビニの光が見えてきた。あたしは、吸い込まれるようにお店に向かって、自動ドアが開いた。すると、女性の店員さんが「いらっしゃいませ」って言ってくれた。このとき、あたし、誰とも話せないくらい精神がどん底に落ちていたから、ああ、少なくとも、いま、この女性店員さんは自分を『人間』として扱ってくれたのだ、とか、そんなことを思っちゃったら泣けてきた。人間、極まっているときは、誰かの「何気ない当たり前の行動」が、根底からすくい上げることがあるのだと、このときに思った。

あたしは、最近、思います。ロウソクは、暗いところで灯すからこそ価値があるのだ、と。誰だって、真っ昼間の公園でロウソクを灯すひとはいない。押入れにずっと仕舞っておくのも、やっぱり、ちょっと違う。ロウソクは「暗いところで灯すことによって、一番価値を発揮する」のだと思う。なんかね、優しさとか、思いやりとか、愛情とか、そういうものも同じだと思う。いつまでも大事にとっておくだけでは、本領を発揮できない。それを使ってこそ、それを『光が当てられることのなかった部分に』用いてこそ、真価を発揮するものだと思う。人間、誰もが、光になれる存在だと思う。だから、自分を大事にし過ぎたり、自分を守ろうとし過ぎたり、傷つきたくないとか、嫌われたくないとか、そういうことを思う以上に「自分というロウソクを使って、光を当てられることのなかった部分を、照らしていくこと」が、なんだかとても素晴らしい命の使い方であるような、そんな気がする。

と、こういう気持ちを曲に込めようとしたのですが、しっかり不発に終わりました。小生、悔しいです。出直してきます。言い訳だけはいっちょまえです。だから、この曲は聞かないでもいいから、代わりと言ってはあれですが、昨日作った『ブス』を聞いてください。非常にポップで、昨日から何回も見てはニヤニヤしちゃっています。なかなか言葉にできないことを、言葉にしちゃう勇気。いい言葉とか、悪い言葉があるんじゃなくて、結局、全部は使い方なのだと思う。最新技術も、使い方を誤れば世界を滅ぼす武器にもなるし、いい感じの使い方をできれば、世界平和に一歩近づく。だから、大事なことは、全部「使い方」だと思う。愛があれば、多分、きっと、OK。

この曲(日追鳥)のなかに「ゴミクズみたいな虫けらだって、光を目指すたましいがある」って歌詞があります。あたしは、割と自分のことをゴミクズみたいなものだと思っているのですが、でも、Agape(神様的なサムシング)が一緒にいるから大丈夫。そう思うことが多い。これはとても大事なことだと思っていて、自分という人間は最低でも、自分についているものが最高だから、結果、自分も最強になる。そういうメンタリティで生きています。そして、これはものすごい重要なことだけれど、この、Agape(神様的なサムシング)というものは、いま、この瞬間、あなたとも一緒にいるということ。あたしも最強。あなたも最強。この、みんなが最強であることを、もうちょっと器用に祝いあうことができたら、嬉しいなあと思っています。

じゃあ、またね。愛してるわ。バイバイ。

坂爪圭吾 keigosakatsume@gmail.com

【イベント情報】

8月24日&25日(土&日) 15時~16時@神奈川県横浜市「ごちゃまぜの家」

8月31日(土) 13時~@東京都新宿区四谷「シアターウイング」

9月9日(月) 19時半~@東京都吉祥寺「曼荼羅」

○バンドプロフィール紹介

Agape(アガペー=神の愛という意味がある)

2014年2月14日。Guitar & Vocal の坂爪圭吾が、当時同棲していた彼女に振られ、振られた勢いをそのまま活かすかたちで、「ひとは家がないと生きていけないのか」という問いを持ちながら、定まった家がない状況で如何にして生きていくかという実験を開始。

その体験談を綴ったブログ『いばや通信』が、爆発的な人気を博し、結果的に日本全国、世界20ヶ国ほどに、トークイベントなどで招聘されるようになる。「とにかくやばいことだけをやる」というコンセプトに基づいた会社、【合同会社いばや】の代表としてブログや講演活動に専念するなか、“家を熱海に買ってもらう”というゴールを果たした頃に、会社が円満解散。

ホームをレスしてからちょうど5年後。2019年2月14日。イタリアはヴェネツィアで、ある女性を通じて「音楽をやりなさい」という啓示を受けた坂爪圭吾が、日本に帰国後、一日一曲の曲作りに邁進するなか、一人、また一人と毎月メンバーが増えていき、現在5人体制で活動している(今のところ全員無宗教)。

メンバーのほとんどが、“中学校の授業以来”という驚愕のバンド結成状況の中、「ド素人から成長していく姿を公開していくことが、自他共に勇気が出るのではないか」と開き直り、約半年で、およそ百数十曲の音源を作る。それらの楽曲は、「ジャンルはなんですか?」とカテゴライズされないために、様々な趣向が凝らされている。

メンバーそれぞれが、駄目なら駄目なりに、失敗したら失敗したなりの姿を晒していくスタンスで、“技術だけではない何か”を感じてもらえるような演奏を心がけている。

◯メンバー紹介

Guitar & Vocal の坂爪圭吾(34)音楽活動歴約半年で、毎日一曲のペースで創作し、百数十曲の持ち曲のほとんどの作詞作曲を手掛けている。

Bass 保科亮太(31)音楽活動歴約五ヶ月で、「圭吾さんがギターで、ドラムは重そうだから」という理由でベースに挑戦。作詞も手掛けている。

Guitar 竹谷純平 (34)音楽活動歴約四ヶ月で、「誕生日が一番早いのと、唯一の長男だから」という理由でリーダーに抜擢。愛されキャラでありつつ、“アニキ”の愛称で親しまれる。ライブ時のMCと、エレキギターでのソロ演奏に注目。

Keyboard & vocal 稲村彰人 (26)音楽活動歴約三ヶ月で、仲良くしていた先輩たちに、半ば強制的にバンドに加入させられる。が、秘めていた才能が開花。その独自の世界観と歌唱力から、米津玄師さんに対抗しないかたちで人気を獲得している。

Drums 嘉向徹(28)バンド結成前から坂爪たちと親しくしていた、最後の精鋭。メンバー全員が「アガペーのリズム体になるのは、彼しかいない」と断言し、その登場を待ち続けていた。“ドラムというより、大地そのものを叩きたい”という独特の表現は、幼少期から海とさざ波の中で育った背景に起因している。音楽活動歴、堂々の0ヶ月で、初ライブに挑む。

◯バンドからのメッセージ

まずは「1年後、見ててください!」を合言葉に、Agapeを応援してくれているファンと共に成長していきたいと思っています。年齢的にはアラサーですが、まだまだ多感な我々Agapeの音楽を、ぜひリアルで体感していただけたら嬉しいです。


バッチ来い人類!うおおおおお〜!