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「JAMPの視線」No.213(2024年1月28日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2024年1月28日

 我が家の長男はこの春から小学校4年生の年齢なのですが、これから習い事をどのようにするか、最近は家族会議ばかりです。昨年春から早過ぎるかなと思いつつ、中学受験専門の学習塾に通い始めたものの、本人はいま野球や水泳に夢中です。一方、4年生になると学習塾の通塾ペースは増え、週末もテスト等が入りますので、思うように野球や水泳に集中するわけにもいきません。私自身は両親から学習の機会を多く提供してもらったことを感謝している一方、必ずしも良い学校でなければ勉強できないとか、自分が思い描くような生き方ができないということはないようにも感じるため、何が子供たちにとって良いのだろうかと悶々としている今日この頃です。
 さて、先週半ばに投資顧問業協会と投資信託協会という資産運用業界に関係する代表的な業界団体である2つの協会が統合の方向で検討する方針を公表しました。ちょうど昨年12月半ば配信の本コラムでもその必要性について私見を述べさせて頂きましたが、資産運用立国の実現に向けて資産運用業界に係る各ステークホルダーが従来の慣行にとらわれない取組みを進めるのであれば、資産運用会社等の民間企業のみならず、資産運用業界を規制する側の当局や業界団体の側も変革する必要があるのではないかという考えを持っています。
 投資顧問業協会と投資信託協会は、確かに同じ資産運用業といってもスキームが投資助言・投資一任か投資信託かが異なっており、実務的な諸規則等も分かれているのも事実ではあるものの、投資助言・代理業や投資運用業といった金商業登録をしている会社としては重複しているところが大きいですし、資産運用業界とひとくくりにし、業界の発展を支援したり、そのための諸企画を推進したり、諸外国の同様の団体と交流したりといった場合、分断されたままでは効率的でないように感じます。昨年2023年には2回にわたって両協会が共催する形で「資産運用業大会」が開催されたりと、両協会の距離感も縮まってきているように感じられ、今回の統合検討を最後のチャンスとし、実現することを強く祈念します。
 また、こちらも昨年12月の本コラムでも述べさせて頂きましたが、同様の文脈で資産運用業界の規制当局である金融庁の組織のあり方についてもこの機会に見直しが必要ではないかという問題意識も持っています。金融庁の組織のあり方については、金融機関を監督する監督局には銀行第一課・第二課、保険課、証券課という銀証保の3業態を監督する課は設置されているものの、資産運用業界を監督する部署は、証券課の中の資産運用モニタリング室という位置づけであり、当局側での資産運用業界の位置づけはいまなお銀証保とは並列ではないとされていることに違和感を感じます。課と課の中の室という位置づけの差が具体的にどのような予算やその他リソース配賦の差にあらわれているかまでは正確に把握していないのですが、政府が資産運用立国構想のもとで資産運用業を高度化すると重要視するのであれば、この位置づけも今後見直されるべきように勝手ながら感じます。
 いずれにせよ、2024年は昨年末に取りまとめられた資産運用立国実現プランを実際に推進するフェーズに入ることもあり、官民が機運をともに盛り上げ、資産運用業界の活性化と発展につながるような動きが具体化することが期待されます。弊社もその中で一助となるような取組みを進めてまいりたいと思います。

News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)

2024年1月24日
【投信協と顧問業協、合併検討 金融庁が鶴の一声】
大原のコメント→
 投資信託協会と投資顧問業協会の合併については、昨年末の弊社メールマガジンでも私見を述べさせて頂きましたが、資産運用業界の発展のためには関連法令改正やビジネス慣行の見直し等に加えてこのような取り組みも必要と考えています。
(引用開始)
 また、2点目の業界団体の統合の必要性については、資産運用業界に関係する業界団体として現存する投資顧問業協会と投資信託協会はこれまでも何度かにわたって統合の話があったという風に聞いていますが、・・・(続きを読む)

2024年1月25日
【日本海信金、投信業務から撤退 経営資源を事業者支援へ】
大原のコメント→
 地域金融機関は事業会社として事業収益性を重視するのは当然である一方、地域金融の要として当該地域の個人・法人に金融サービスを提供するというミッションも有しているという特徴を持っています。
 そのような観点で考えると、安定的な収益性が見込めないからといって個人向け預かり資産ビジネスから撤退するのは残念に感じますが、・・・(続きを読む)

News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)

2024年1月23日
【三菱UFJ銀、電話営業部隊500人に拡大 東名阪地区で潜在層開拓】
長澤のコメント→
 顧客からの問い合わせへの対応を主に行うインバウンド型のコールセンターから、最近はコールセンター側から顧客にアプローチをして提案活動を行うアウトバウンド型が増えてきているとは聞いておりましたが、こうしたコールセンター業務においても「電話営業はコミュニケーションが重要で、地元トークや訛など親近感を持ってもらうことが大事」というのは非常に興味深いポイントだと思いました。
 大手金融機関を中心に対面営業の軸足を富裕層顧客に移す一方、若年・資産形成層はネット系証券の一人勝ちともいわれる中、中間層、特に中高年層が保有する生活密着度の高い資金(老後資金等)への資産運用アドバイスニーズへの対応が、次の主戦場になると思っておりますが、・・・(続きを読む)

2024年1月24日
【地域銀、円建て保険販売復調 23年度上期は7割が増加】
長澤のコメント→
 金融庁が外貨建て保険の販売を問題視していることから、販売停止や自粛しているとのニュースがありましたが、こうした要因もあるのではないかと思われます。
 販売員にとっては、ノルマや業績評価による縛りがなく自然体で販売できる環境であれば、外貨建て保険に偏ることはないと思われ、また、顧客が相続税の軽減や保険金に名前を付けて残せるといったメリットに魅力を感じるのであれば、・・・(続きを読む)

2024年1月25日
【日本海信金、投信業務から撤退 経営資源を事業者支援へ】
長澤のコメント→
 投資信託の営業推進に関する記事はよく見ますが、こういった投信業務からの撤退に関する記事は珍しく、約150人の顧客の解約に1年半かかり、その間もシステム費用は発生し続けるほか、顧客との折衝の苦労も多く販売推進に比べ3倍以上の労力がかかるといったリアルな話は大変参考になります。
 金融庁では、「国民の資産形成に資するビジネスモデルの構築が難しいと判断する場合は、リテールビジネスから撤退し、他の分野に経営資源を集約することも選択肢の一つであろう。」としており、・・・(続きを読む)

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