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「JAMPの視線」No.217(2024年2月25日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③お知らせ・ニュースリリース
④メディア掲載情報
⑤インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2024年2月25日

 ついに日経平均株価指数が史上最高値を更新しましたね。私は2007年から2015年まで日系資産運用会社のロンドン駐在員として欧州・中東地域で日本株戦略の営業に従事していましたが、アベノミクスの盛り上がりのなかで「This time is different!」といって日本株市場の魅力を語っていた時期の日経平均株価指数の水準が8,000円台後半から15,000円前後だったことを考えると、隔世の感があります。バブル期の株価最高値といっても、当時の私は小学生だったこともあり、実感としてピンと来ません。それくらい長い期間にわたって、日本の金融業界は過去にとらわれていたということでしょうか。インフレ期待や新NISA制度の開始、資産運用立国実現プラン等の追い風もあり、これから日本の金融・資産運用業界が盛り上がっていくことを祈念しています。
 さて、昨年12月に公表されたその資産運用立国実現プランの具体的取組みが今年に入ってから進められていますが、その一環として先週16日(金)に東京都が「『金融・資産運用特区』に関する提案について」という政府への提言を公表しました。これまで長年にわたって「国際資産運用都市・東京」構想の実現に向けて取り組んできた東京都からの提言だけあり、内容的にも本質的かつ具体的なものが多いという印象を持ちましたが、そのなかでも特に「提言2」として「ファンド・マネジメント・カンパニーの登録制度の新設」が盛り込まれていることに注目をしております。
 ご案内の通り弊社は日本の投資信託ビジネスにおいてアセットマネジメント業務とファンドマネジメント業務が混同されており、一体的に運営されていることが非効率性・低生産性の大きな原因のひとつだという問題意識を持っており、その解決策として昨年秋から「日本版ファンド・マネジメント・カンパニー」ソリューションの提供をしております。昨年12月に金融審議会「資産運用に関するタスクフォース」から投資運用業にかかる運用指図権限の全部委託を禁止する規定を見直すよう提言がなされたことを受け、いままさに実質的に「日本版ファンド・マネジメント・カンパニー」が認められる方向で検討が進められておりますが、今回の東京都の提言はそれをさらに補強するような動きだと感じています。東京都が構想する新たな登録制度というのが具体的にどのようなものなのか、「日本版ファンド・マネジメント・カンパニー」の運営にどのような影響があるのかはこれからの議論次第かと思いますが、その進捗を注目してまいりたいと思います。
 余談ですが、弊社の問題意識や「日本版ファンド・マネジメント・カンパニー」ソリューションについて、「投資信託の基準価額の一者計算」が弊社ソリューションであったり、その機能の一部であったりするという誤解がいまなおあるように感じます。つい先日、セゾン投信の中野前社長が新しく設立したなかのアセットマネジメント様が「投資信託の基準価額の一者計算」を採用したという報道がなされたところ、「なかのアセットも『基準価額の一者計算』に乗り出すみたいだけど、日本資産運用基盤と競合するの?」という趣旨のご質問を各所から頂きました(汗)。ただ、実際にはなかのアセットマネジメント様も弊社(JAMPファンド・マネジメント)も野村信託銀行や三菱UFJ信託銀行が提供する「基準価額の一者計算」サービスを利用するユーザーに過ぎず、提供するサービスそのものではありません(ある意味、銀行や証券会社がその事業効率化のためにAWSクラウドサービスを使用することを決定したというのに似ています)。「日本版ファンド・マネジメント・カンパニー」の概念やその背景にある問題意識への理解の広がりとともに、この辺りの整理も定着することが必要だなあと改めて感じます。

News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)

2024年2月21日
【東京都、「資産運用特区」へ提言 運用会社の参入緩和要望】
大原のコメント→
 弊社・日本資産運用基盤はかねてより日本の資産運用業界の効率化のためにはアセットマネジメント業務とファンドマネジメント業務を分離し、資産運用会社が高付加価値なアセットマネジメント業務に集中できるよう、ファンドマネジメント業務を専門に行う日本版ファンドマネジメントカンパニーの必要性を主張してまいりました。
 このような弊社の主張等もあり、昨年後半の金融庁・金融審議会「資産運用に関するタスクフォース」で投資運用業にかかる運用指図権限の全部委託を禁止する規定を見直すよう提言がなされ、・・・(続きを読む)

News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)

2024年2月20日
【生保、好決算も止まらぬ保障離れ 新NISAも逆風に】
長澤のコメント→
 日本の生命保険の世帯加入率は9割程度となっており、以前より飽和状態にあると言われてきておりましたし、第3分野の医療保険なども日本の健康保険には高額療養費制度があるので、大きな病気をしても実質的な自己負担はさほどでもなく、医療保険は不要であると言っている人もよく見かけます。また、外貨建て一時払い保険については金融庁の視線があり売り難いこともあり、円金利が上昇傾向にある中で消去法的に円建て一時払い保険が伸びているのかと思われます。
 こうした中、生命保険会社の優位性として、顧客のライフプランを踏まえた提案には一日の長があり、また、二世代、三世代と取引をしている顧客も多く抱えていると思われるので、保険という形態に拘らなければ、・・・(続きを読む)

2024年2月20日
【未来はぐくむ研の伊藤氏「行動促す金融教育を」 - 日本経済新聞】
長澤のコメント→
 金融リテラシーを定量的に計測しようと思うと、アンケート調査で、金利と債券価格の関係、金利とインフレ率の関係、分散投資の効果、積立投資の効果などに関する質問をして、その正答率と様々な属性(年齢層、投資経験の有無など)とを比較することが多いのですが、知識を増やすことが金融経済教育のゴールではなく、得た知識をもとに実際の行動に結びつけることが重要との話は納得感がありました。
 ある有識者の方から伺った話ですが、新NISAが始まったことによる投資への関心の高まりを受け、様々なセミナーが開催されているが、中には怪しいものも見受けられるそうです。金融経済教育により投資に踏み出すことも当然重要ですが、・・・(続きを読む)

2024年2月20日
【「NISAのお手本」英の葛藤 - 日本経済新聞】
長澤のコメント→
 先日の日経新聞にも、「新NISAで国富が流出?」という記事がありましたが、英国で自国株式市場を活性化するため、投資対象を英国株式に限定した投資枠を設定するか検討が行われているというのは初めて聞きました。
 追加投資枠があっても、まず成長期待が無ければ投資資金は向かわないと思われますが、鶏か卵かの話ではないですが、資金を向かわせれば値上がりしてさらに投資が進むとの期待なのでしょうか、果たして賢明な国民が思惑通り動くか疑問があります。

お知らせ・ニュースリリース

■代表の大原がUCDA主催のセミナーに登壇します

代表の大原が一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会(UCDA)主催のセミナー『資産運用立国における「わかりやすい情報提供」とは』に登壇します。

メディア掲載情報

■メディア掲載:the Japan Timesでのインタビューコメントの掲載
「the Japan Times」で弊社代表大原のインタビュー記事が掲載されました。

“Turning the tide? Japan warms up to becoming an asset management hub.”

インフォメーション

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