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未来の宝飾文化を支える人材を育成することを目的に小学生・中高生向けに宝石講座に登壇【ジュエリーサマースクール2021】

はじめに

こんにちは。カラッツ(KARATZ)代表の小山(おやま)です。
宝石鑑定士をしております。今回、ジュエリーサマースクール2021の小学生・中高生向けの宝石講座に登壇いたしました。

ジュエリーサマースクール2021は、Jewelry and Law(代表:新田真之介弁護士)主催で、今回初めて行われた取り組みです。2021年8月10日から12日の3日間、小学生及び中学生・高校生向けにオンライン講座を開講しました。

小学生向けは「色のついた宝石の見分け方」

中高生向けは「宝石バイヤーの仕事」

についてお話しました。

小学生向け「色のついた宝石の見分け方」

「色のついた宝石の見分け方」をテーマに、ブラックライトを使ったルビーの真贋や産地の見分け方、その他、紫外線に対する蛍光性・蓄光性をもつレアストーンを解説しました。

実際にカメラの前で本物のルビーと偽物のルビーにブラックライトを当ててどのように変化するかを紹介しました。


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A:ガラスにヒビを入れて染色した含浸ガラス
※最近、国内でも見かけるようになった偽物のルビー

B:天然ルビー

A:ガラスにヒビを入れて染色した含浸ガラスは、ブラックライトを当てると反応するものが無いので変化しません。

B:天然ルビーの場合は、ルビーに含まれるクロムが反応して、赤く蛍光します。ブラックライトを当てるだけで、真贋を見分ける方法の一つとなることに、子供たちは驚いていました。


さらにハイアライトオパール、スキャポライト、ユーパーライトなどのレアストーンが、紫外線でどのように変化するかの実験を行いました。

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上の3つが自然光ではカラーレスのため外観観察では見分けることが困難な宝石ですが、ブラックライトを当てると全く違う色の変化をします。

子供たちは一生懸命聞いてくださり、メモも丁寧に書いていました。自宅にあるご家族の宝石でしょうか?実際の宝石を見ながら楽しんでくれました。

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宝石の話だけでなく、ブラックライトや紫外線の仕組みについても私の方から簡単にですがお伝えいたしました。子供たちは仕組みをしることで、普段起きている日焼けや電気ストーブの原理なども学んだようです。

中高生向けは「宝石バイヤーの仕事」

宝石商の中でも、宝石バイヤーの仕事をテーマに、世界各地で宝石を買い付ける方法について解説しました。私が毎年欠かさず訪れている世界最大級の宝石展示会「アメリカ・ツーソン」について、そしてピジョンブラッドルビーを求めてタイ・ミャンマー・ラオスの鉱山付近に行った様子を、実際の体験談を元にお話ししました。

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どうやって起業をした方が良いか、宝石商になるために大切なことなど将来のことについての具体的な質問が多くありました。

小学校・中高生の両方受講された方もおりました。沢山の宝石を紹介しましたが、特にカラーチェンジコバルトスピネルが印象的だったようです。世の中には実は知られていない魅力的な宝石達が沢山あることを知って頂き、大変うれしいです。


最後に

小学校向け講座について、普段学校で学ぶことがどんなことに活かされているのか知り、より一層学びたいという気持ちを高めることが出来ました。また、色々な宝石を見たいという要望もあり、普段なかなかお目にかかれない宝石を見て、子供達だけなく大人の方も興奮して楽しむことが出来る内容になりました。

中高生向けの宝石講座について、花形の職業と思われることの多い宝石バイヤーの仕事ですが、圧倒的な知識量とチャレンジ精神が無ければ通用しない厳しい世界でもあり、職業研究の一助となるよう、またすでに夢を持っている方に向けては応援メッセージとなる内容の講座になりました。

今後も、宝石の魅力を伝えるだけでなく、子供たちの学ぶ意欲を高める事ができるような活動を続けてまいります。




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