見出し画像

NO.22 「あるくみる・かんがえる」ツーリストのゴミはツーリストが拾う

 数年前、鹿児島県与論島東海岸の有名な大金久海岸に行って、長い遠浅のビーチにいくつものペットボトルが打ち上げられていたのを見つけた。

   取り上げてみると中国語やハングルの文字が入ったものが多かった記憶があるが、そのままにはできないと思い、手に持てるだけ拾い、海岸脇のボートが置かれている場所に置いた記憶がある。
 美しいビーチにあまりにも似合わない異物としてほっておけず、その日与論島の観光協会会長宛てにそのことを伝える手紙を送った。

 それから、今日まで、海、山、湖、川などに行って、ゴミを見つけるとバックに忍ばせている手持ちのレジ袋を出し入れることがままある。
 誰かに誇ったり自慢するためでなく、自然な気持ちからそのようなことをしている。
 この美しい日本の自然を守りたい、その中で気持ちよく旅をしたい、そして暮らしたいという思いが自分のすべてだ。
  
 ゴミは、ペットボトルの他、食品包装などプラスチック類、ハンカチ、タオル、帽子などの布製品、マスクやアクセサリー類など多彩だが、最近あることに気付いた。

 それは、故意に捨てられたものより、誤って落とされた物の方が圧倒的に多いということだ。
 悪意があって落とされたものを拾いたくないが、ポケットに入れておいたものが何かの拍子に落ちてしまったり、忘れてしまったものが多いことが想像される。

 つまり、誰もがやってしまう可能性があるので、ツーリストの中でお互いに協力して拾うべきだと思う。少なくともこれを地元の人にかたずけてもらうのは大変申し訳ないことだ。特に住民よりツーリストの数の方が多い地域は効率を考えると尚更だ。

 「ツーリストが落としたものはツーリストが拾うべき」と提唱していきたい。

 家人には誰が落としたのかわからないものを拾うのは汚いから止めて欲しいと言われている。その通りだが、申し訳ないが無視している。

 実際に最もコロナが流行っていた時、伊豆大島の三原山に向かう登山道で落ちていた真っ白いマスクを見つけた時は正直迷った。直接手で触れないようにレジ袋に入れることができたが、できれば摘まむ道具の持参が理想的なのだが、そこまで準備することは大変なので、箸替わりに落ちている木の枝を最近は見つけることにしている。

 拾い上げたゴミをどこで捨てるかも問題だ。自分が出したものではないのでさすがに自宅まで持って帰るのはしんどい。この処理だけは地元でお願いをしたい。

 こんなことに神経を使うと旅行が楽しめないのではないかと心配する人も多いと思う。その通りだが、ゴミが気になってしまうのだからしょうがないのである。

 内外の観光客がさらに増えても、美しい日本の自然を守ることに少しでも貢献できればうれしい。

 地球環境を守ることを学び論じることも重要だが、自ら何かを実践をすることを多くの人にお勧めしたい。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?