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最近凝っているのはロッコのミュート

Tower of Powerというバンドがあって、昔から、それこそ学生時代からドラムの白田に「聴け」ってレコードを貸してくれたりしていたんだが、いままで結局一度もピンと来なくて、What is Hip?ぐらいしか知らなかった。なんつーか、歌的にぐっとこないし、ファンクだけど優等生っぽいところがいまひとつだったんだ。
ところが、ここ1年ぐらいのことだが、とあるマジなバンドにベースで参加するようになってそこそこ真面目にベースを弾くようになってみると、自分はミュートされたベースの音がとても好きだということに気づいたのだった。なぜかというとアタックは強くほしいが、音は伸ばしたくないというのと、音色的にブライトなベースより籠もったベース音のほうが好きだという理由だ。

で、半年ぐらい前までは基本親指で弦を弾き、手のひらでミュートするという奏法を試みていた。ただこれだと早いフレーズだと厳しかったり、弦の跳躍があると厳しい。そして最近はベースにスポンジをわりとガシっと噛ませてミュートしていた。これなら右手は普通に指で弾くことが出来る。これでいこうとおもって、ミュートのスポンジの大きさを変えてみたりしていた。

が、つい先日Tower of Powerのベーシストのロックが亡くなり、久しぶりに追悼の意味もあって動画を見ていたら教則ビデオがあったり、ロッコの奏法の紹介があったりしていて、みるとミュートか彼の演奏のキモなのだった。以前も見てなんかぽこぽこして不思議な音だなとは思っていたが、自分がベースを弾くわけではないので、なぜそういう音になるのかまでは追求してなかった。

で、彼のミュートの方法は押弦する左手の中指や薬指を乗せることで弦振動を殺すのだった。
基本人差し指で押弦し、中指や薬指で弦をミュートする、確かにこれで弾いてみるとあのロッコのミュートの音に近くなる。ただし中指薬指での振動の殺し加減が難しいし、その状態で弦移動をするとさらに難しい。そして致命的なのは基本人差し指ですべての音を押弦して他の指でミュートするので、弦を押さえる指が人差し指一本、というイメージなのだった。

ベースで一本指かー。それであのフレーズをやれと……。

ベースの道は果てしなく遠い、

なのになぜ歯を食いしばり君は弾くのか、そんなにしてまで。


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