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【名のない花は斯く語る】二花目❁*。

※注意※
ネタバレを含みますのでお気を付けください!


『磯井知月』という人。

今回は、わたしが演じたキャラクターについて語っていこうかと思います!
彼女のことを語るには、ネタバレ大放出にならないといけないので…、苦手な方はお気を付けくださいね。
そして、あくまでわたしが演じた磯井知月さんの視点からのものなので、もしかしたら他のキャラクターからの認識とはズレているかもしれないです。

あくまで余談!!としてお楽しみください(笑)

彼女は、和泉屋匠吾の担当編集者でした。
デビューからずっと二人三脚でやってきた。
ある意味、和泉屋匠吾にとっての、もう一人の特別な存在、相棒だったと思います。

織江さんは和泉屋匠吾自身をすべて愛していた、でも、知月さんは和泉屋匠吾の"才能"を愛していた。
戯曲家だった和泉屋匠吾を、タレント作家にしたのは彼女なのだと思います。

だからこそ、別宅を管理し、女をあてがい、トリック作りや凶器、調合する薬品の手配に至るまで、創作に関わるすべてを引き受けていました。

当然、織江さんとも面識があります。
知月さんにとっての織江さんは、どちらかというと苦手な人。
和泉屋匠吾の"才能"を変質させてしまう恐れのある存在ではあるが、その創作を支えている存在でもあった。
創作意欲に繋がるならば、ということで二人の結婚には反対しなかったんだと思います。

まぁ、織江さんからしたら知月さんの存在は面白くなかったでしょうけどねー!笑

逆に、ちょっと可哀想な人だな、と知月さんは織江さんのことを思っていた部分もあります。
和泉屋先生、めちゃくちゃ不器用な人なので、本当に愛している人への愛が伝わりにくい人なので。
織江さんは大切にしなきゃいけないけど商売女なら好きにしていいから、ってそっち抱くし。それを隠すこともしないし。
知月さんが和泉屋先生に恋心を抱かなかったのは、人間的にダメな部分も多々見ていたからかもしれませんね。

そして、二人の死。
知月さんの手元には、和泉屋先生が書いた最期の原稿と、血に濡れたメモが届けられます。
きっと、作品を世に出すために死に物狂いになったでしょう。世の中がざわめいている中で彼女は編集者としての使命をまっとうするため、真相を深く考える時間さえなく、和泉屋匠吾の最期の作品を刊行した。
同時に、引き止める上司の言葉も聞かずに、編集者も辞めた。

そして応募した偲ぶ会に当選した。
何か意図があるのでは?と疑っていた彼女は、疑心暗鬼になりながらも参加をしました。
ひと目で関係者だとバレないように、編集者であった頃とは髪型や服装も変えて。

そうして、他の四人と出会います。
知月さんは、なかでも、とある二人とはバッチリ面識がありました。

メイドだった青戸星のことは、和泉屋先生の家に出入りしていた知月さんは知っていました。
手癖が悪いことも聞かされていたし、なんなら実はアイツが殺したのでは?と一番疑っている存在。
和泉屋作品の主演だった久世智は、舞台化のお話が出たときに面識がありました。
ブルー・イン・ザ・ブルーの主人公とはイメージが違うとか、作品に対する敬意が足りないとか、まぁ色々と苦労をしたので、知月さんの印象には深く残っていました。
それ故に久世に対して厳しい反応ばかりします(笑)

いきなり身バレされる?!!
と思っていた彼女は、まぁ二人がよく顔を覚えていなかったために(笑)、自分が編集者であったことを隠したまま参加します。

彼女としても、なにも意図がないなら一ファンとして参加して終わろう。そう思っていたし、犯人がしっぽを出したならば刺し違えてでも捕まえてやる!と思っていました。

他の二人について。
羽生将来については、名前だけ知っている存在でした。そんな記者の取材も受けてた気がするな、くらいの認識でしょうか。
志田悠加については、まったくの面識ナシ。むしろ、和泉屋夫婦によって、悠加さんの存在は知月さんに隠されていたんでしょうね。和泉屋先生が末期ガンであることを知られないために。

実はお話の中で、最後の最後まで、一度も知月さんに疑いが掛からなかったことに、皆さんはお気付きいただけたでしょうか?
仕掛人の一人である将来さんは勿論、疑いがかからないとしても、何故知月さんはその枠から外れていたのか。

それは彼女が、"和泉屋匠吾の編集者"だから。

彼女がいなければ、和泉屋匠吾の作品は刊行されない。
この偲ぶ会の後に、和泉屋匠吾が作品を書いたとしたら、その作品を託す相手は"磯井知月"以外にいない。
それは彼女が編集者を辞めていたとしても、最大の仕掛人である和泉屋夫婦にとっては変わらない事実だったのでしょう。

彼女が血濡れのメモを持ち帰らず、あの場に返事を書き残していったのは、長年の相棒への"お別れ"の意味を込めました。

偲ぶ会の後。
知月さんは編集者に戻ったのか、それとも別の仕事に着いたのか。

あのメモ、本当にあの場で書いています。
何を書くかもその時に決めました。

何を思ってあの偲ぶ会が開かれたのかが分からないままだったから、きっと誰か仕掛人がいるならば、まぁ二人の墓にでも持って行ってくれるだろう、と。

知月さんからの、血濡れのメモへの返事を見た和泉屋先生は、何を思ったんでしょうね。

そして衝撃のラストの後。
和泉屋匠吾の本当の遺作が書かれたかは、皆さんのご想像にお任せします。

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