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流れるようなピアニズム、ジェイムズ・フランシーズの「Purest Form」

 本題とは関係ないが、最近はCDより音楽配信サービスが主流になり、アルバムジャケットも動画化された作品を時折見かけるようになった。本作も虹色の煙のようなものが風に吹かれるように本人の背景を彩り変化する。

 「Purest Form」は25歳の期待のピアニスト、ジェイムズ・フランシーズのブルーノート第2作だ。2018年の前作同様、ベースのバーニス・トラヴィス、ドラムのジェレミー・ダットンはじめ、ヴィブラフォンのジョエル・ロス、ギターのマイク・モレノと気心の知れたメンバーが加わり、サックスはクリス・ポッターに代わりイマニュエル・ウィルキンスが加わっている。

 本作の特徴を簡潔に表現すれば、「流れるような、走るような、清涼感あふれるピアニズム」とでもいえようか。それを象徴するのが2曲目のLevitateだ。ピアニズムといっても彼は他のキーボードも演奏するが、それらを含めて流れるような軽快な早弾きが展開される。

 イマニュエル・ウィルキンスのサックスから始まり、ジョエル・ロスのヴィブラフォンとピアノが競い合うMy Favorite Thengsも同様だ。曲全体がアップテンポで流れていく。

 複数のボーカリストをフィーチャーした曲がちりばめられているが、わたし的にはこれらはちょっと余分かな……、と感じる。

 これから暑い季節に聴いたら一片の涼風のように感じられるだろう、「Purest Form」というタイトルにぴったりの快作だ。


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