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なんでカメラなんて買うんだろ。

そう思ってた。

「イタリア旅行に持って行こうと思って、カメラ買ったの!」そう言って、真新しいデジタルカメラを友人が嬉しそうに見せてくれたのは、今からちょうど3年前の6月のこと。カメラに全く興味のない私には、高いお金を出してカメラを買う理由なんてわからなかった。

23年前。子供が生まれてからカメラを買ったけど、正直どんなカメラだったのかも覚えていないし、運動会やイベントも写真を撮るよりも子供の姿を自分の目に焼き付けたくて、あんまり写真は残っていない。

記録よりも記憶…なんて言えば聞こえはいいけど、年とともに記憶はどんどん薄れていくし、ちゃんと記録に残しておけばよかったって今になって思う。

そんな私の手元には、なぜか今、8台のカメラがある。

Panasonic GF7

初めて自分の意思でカメラを買ったのは、冒頭のやりとりから3ヶ月後の2016年9月。高校に入学してラグビーを始めた息子に「カメラ買って写真撮って」って言われて、値段と見た目だけで選んだカメラ。使い方もわからないまま、夢中で息子の写真を撮ってた。今は幼い頃の何倍も息子の写真がある。

MINOLTA AUTOCORD

2018年2月。初めてのフィルムカメラは二眼レフ。ファインダーをのぞいた瞬間に購入を決断。このカメラと出会わなければ、こんなに写真を好きになることはなかったと思う。私にとって人生を変えたカメラ。

Rollei35

2018年3月。もっと気軽に撮れるカメラが欲しくて買った、露出計のついた小さなカメラ…のはずだったのに、全く使いこなせていない目測カメラ。豚に真珠。

Leica IIIf

2018年5月。縁あって私の手元にやってきたバルナックライカ。昨日カメラさんにオーダーした革のケースがお気に入り。最近は中判カメラ+バルナック、バルナック+ハーフカメラの組み合わせで、どこに行くにも一緒。

FUJIFILM X-T20

2018年7月。2台目のデジタルカメラ。オールドレンズをつけて撮りたくて、Takumar50mmF1.4も購入。最近は息子がX-T20、私がフィルムカメラを持って一緒に写真を撮りに出掛けることも。そんな時間がまた愛おしい。

HASSELBLAD 500C/M

2018年9月。私は絶対にこのカメラが欲しくなる。いつか買うなら、早く買ってたくさん使おう。そんな勢いで買ってしまったカメラ。でも、全く後悔していない。このカメラは一生手放すことはないと思う。ただ、ここまで書いてきて、ちょっと買いすぎだろ、と少しだけ反省。

OLYMPUS PEN-FT

2019年2月。ハーフカメラがやってきた。露出計付き、F1.8の明るいレンズで35cmまで寄れる…これがあればカフェで席に座ったまま撮れる、私にとって最強の相棒。

PENTAX SPF

2019年5月。令和になって買ったカメラ。そう、なぜか面倒なカメラからフィルムカメラを始めてしまった私は、ハーフカメラで気付いてしまったのです。露出計がついていて、明るいレンズが使えて、寄れるカメラがこんなにも便利だってことに。これから大活躍の予感。

フィルムカメラを始めて1年3ヶ月。どのカメラも私の宝物。

カメラを買うたびに「もう、これが最後!」って言ってきたし本当にそう思ってきたけど、最後はきっとM型ライカ。それは今年かもしれないし、もしかしたら10年後かもしれない。

何年かして孫が生まれたら、それを口実に買おうかな。だって、今の私は、記憶より記録。私の記憶が消えてしまっても、孫が大きくなった時に「おばあちゃんが撮ってくれた写真」を見て、幸せな時間を思い出して欲しいから。

そして今、私は思う。

なんでみんな、カメラ買わないんだろ。

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