見出し画像

モザンビーク③

国レベルでの、サイクロン・イダイ被災から復興支援にむけた計画を、政府とドナー関係者間が集う会議があった。国連が主導する対応計画もそうだが、今回のサイクロン被災に関する報道でも、気候変動の影響と気候変動を見据えた防災・復興計画の必要性が、フォーカスされた。この会議でも、地球に優しいアプローチで、気候変動に耐えうる防災・復興計画の重要性が、何度も強調された。国連は、気候変動に対する取り組みの中で、積極的にアフリカ各国の声を拾い、意思決定に参加させていく必要があると、述べた。

フロアがオープンになった時、ひとりのモザンビーク人の出席者が、発言をした。

「気候変動を起こしているのは先進国だ。そうした国が、復興支援に投資をすべきだ」

会場からは拍手が響いた。

ベイラ市内を車で通っていると、明らかにサイクロンで被災したと思われる家屋があるが、もともと貧しいスラムのような地区では、サイクロンによるものなのかそうでないのか、判断が難しい。もともとインフラが弱いモザンビーク。確かにあの時期のサイクロン発生は、異例だ。しかし、被害の大きさは気候変動だけでなく、もともとのインフラや防災管理の不足も、指摘される。そのため、気候変動による自然災害の影響は受けやすい、モザンビークだけでなく、インフラ整備や防災管理が弱い国では。一方で、インフラ整備が整っていないため、汚水や空気汚染、ごみなど気候変動を引き起こす要因も、少なからずそれらの国にもある。気候変動の取り組みには、インフラや防災知識など、ある程度の基礎が必要なのではないか。彼の言葉は、なんとも考えさせられるものだった。(了)

(朝焼けのベイラ市内)

(バイクタクシーの運ちゃんたち)

(トゥクトゥクも主要な交通手段。そういえば、パキスタン人によるお店もよく見かけた)

(難破船)

(モザンビークは、海鮮がおいしい。人生で初めて、こんなに柔らかいタコに出会った。料理はアフリカ&ポルトガル料理が多い)

(豆のシチュー。菜っ葉のピーナッツバター炒め。菜っ葉のココナッツ炒め)

(シマというトウモロコシ粉を練ったものと、エビのココナッツカレー)

(夕方、涼しくなったころ、自転車で駆け回る子どもたち)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?