見出し画像

追記『夏の砂の上』東京千秋楽

1日明けた今朝もまだ余韻が残ってる。
そこで、書き逃したことをここで。

東京楽は雨水のシーンの水浴びが激しくなっていたが、もう一つ、治さんと出くわした立山を優子が2階へと誘うシーン。
ここがこれまで観た中でとても激しくなっていた。

優子が行こう!と立山の腕を引っ張る。いやいやと治さんを気にして行かないよう引っ張り返す立山。行こう!いやいや、行こう!いやいや、と階段の上の優子と上りかけの立山の引っ張り合いが、笑いを誘うほど激しくなっていた。

そういえばそんな優子と阿佐子はやっぱり親子だよね!
扇風機の付け方が一緒!
足でポチッと。
昨日杏奈ちゃん、ちょっと足が滑って1回じゃ付けられなかったっていうレアなシーンみちゃったな。

とりあえず、これからの地方、細かなところの変化がまた増えていくんだろうな。

なにしろおパンツシーンだけで何パターンかあるからね。

あと、陣野よ。これは毎回思ってた。
治さんに対して造船所に縛られてることを責めたのに、あんた親戚の造船所に再就職って、うおぉぉぉい!案件だから。
治さんラーメン屋さんだよ?!
何であんたが造船所なんよ。しかも恵子も連れてくし。

そういえば、蝉の声。
行く前に予習して行ったけど、結局楽は圭くんのお芝居とたまにまつ毛やら指先やら足の裏やら、個人的にみたいところに目がいったりして、はっきりと聴き分けることはできなかったな。
ただこの予習で、クマゼミの存在を初めて知ったし、何より、蝉に12種類もいることも初めて知った!こんなことがなければ絶対知りえない情報。エゾとつく蝉は北海道限定なのかな?面白い鳴き方してたな。

蝉で時の流れを、スクリーンの色で時間の流れを表す演出はシンプルでとても良かった。
チャイメの時と違い、セットもシンプル。
寂しい独りの中年男の生活をこのシンプルさが物語っていた。

茶箪笥の中に茶筒やこけし、虎の置物と、シンプルな舞台セットの中にあるリアル感も良かった。

なにより、絶望感、孤独感、猜疑心、嫉妬、虚無感、諦観、枯渇、全ての負の感情を表す圭くんのお芝居が圧巻だった。
たまたま観に来られてた演者をも虜にするほど。
だからこそ、あの、「いとこ」というキーワードが温かい響となって治さんの中にしみこみ、思わず笑みがこぼれたのだろう。
だからそこ、雨水を二人で交互に飲むことで心身ともに潤ってこのお話の中で唯一心からの大きな満足感、充足感ある笑みになったのだろう。
だからこそ、私はこの笑顔が忘れられない。

今日の治さんは何を思うのか。
リアルに考えてしまうのは圭くんの役を生きる姿だからこそ。

その後の長い治さんの人生、また笑える日が来ることを願って。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?