学生起業家に向けて@福岡トウリュウモン

こんにちは正田圭(@keimasada222 )です。
10年ぶりに福岡に行ってきました。
F venture主催のトウリュウモンというイベントです。
学生で起業を考えている方々向けのイベントで、登壇させていただきました。

僕が登壇したテーマは「シードファイナンスについて」という内容になりまして、500start upの澤山さんがモデレーターで、アイマーキュリーの新さんと、atomicoの岩田さんとご一緒させていただきました。

登壇したり、学生ピッチを聞いたりして、色々思ったことがあるので、今日は学生スタートアップについて書きます。

●「学生はまず会社を作れ」

アンケートの結果、トウリュウモンにいらっしゃって起業家になりたい人がほとんどなのにもかかわらず、会社を作っている人はごく僅かしかいませんでした。

でも、学生の皆様は「起業家を目指してます!」と言うわけです。

これに対し、僕は非常に違和感を感じました。なぜなら、とりあえず登記さえすれば、起業家になんて簡単になれるからです。
誰でも実現可能なものを「目指す」というのはなんか違うのではないか、と思ってしまいました。

考えてみてほしいのですが、高校1年生が「野球部を目指してます」って言っていたら、どう思いますか?「じゃあ野球部に入りなよ」で話は終わりだと思いますよね?
それと「起業家を目指してます」ってのは同じ話だと思うのです。

会社を登記さえすれば、誰でも社長になれます。
資格も何もいらないのです。
「野球部に入りたい!」って必死な顔で叫ばれても「早く入りなよ!」って話から何も進みません。
「起業家になりたいです!」「じゃあなれば?」って押し問答をどれだけ続けても何も生み出さないのです。

なので、もし本気で起業家を目指しているのでしたら、すぐ会社を設立するべきだと思います。

そのような話をしますと、「事業が決まってないのですが、どうしたらよいですか?」という質問が飛んで来ますが、「事業なんて決まってなくても良いから会社を作ったらどうですか?」というのが僕からの回答です。

「なんの事業から始めればわからない」という問題は、会社を設立してみることで一歩前進します。
会社を登記しようと思えば、社名を考えなければなりません。名前を決めようと思うと、具体的にどんな会社にするかのイメージが必要になります。

コンサルっぽくしたいのであれば、「○○パートナーズ」とか、金融っぽくしたいなら「○○バンク」ってつけてみようかとか、みんなの支援をするような象徴的な会社になりたいのであれば「○○ファイヤー」とか「ファイヤー○○」とか、こいつが絶対俺の共同創業者だと思うやつがいるなら自分とそいつの名前の頭文字をとるとか、まあ色々考えなきゃいけないわけです。

他にも、登記場所どうしようかな。スカイランドのHiveって使わせてもらえたりするのかなとか、
資本金っていくらにしようか。俺こないだバイトで10万入ってお年玉をおじさんから5万もらったんだっけとか、、、名刺のデザインどうしようかな、会社のロゴはどうしようかな、、、親説得しなきゃいけないけどどうやって説明しよう、、、

会社を登記しようと思えば、こうやって具体的に考えなければいけないことが出てくるわけです。

とりあえず事業なんて決まってなくても良いのです。会社を作ってみて、ちょっと喫茶店に入った時に「領収書ください。宛名は前株の○○です」なんて少しかっこつけて言ってみて友達に驚かれたり、名刺を入れるための名刺入れを買ってみて常に胸ポケットに入れたりしてるだけで、「俺は起業家だ!」って意識が芽生えてくると思います。

そうすると、人間不思議なもので、起業家目線で街を歩いているだけでなんかビジネスを思いつくなんてことがあるのです。

で、会社を作ると否が応でも決算を迎え、どんなに儲かってなくても均等割なんていう税金を払わなければなりません。7万円程度ですが、1年以内に7万円以上稼がなければならない状況に追い込まれるわけです。

では、どうやって7万円稼ごうか、、、と。

こんな感じで、自分を追い立てて、自分で自分を起業家にしていくのです。
人間は、本質的には怠け者なので、テストがないと勉強しないし、試合が無ければ練習しないのです。

なので、会社を作って自分が起業家にならざるを得ない状況を作っていくのは割りかし合理的な考え方だと思います。

会社を作って1年もすれば、起業家の自分が当たり前の存在になります。

起業家になんて、誰でもなれるわけなので(厳密に言えばいくつかの条件はあるのですが、普通の学生は基本的に問題ない程度の条件です)早い事「起業家になる」以外の目標を持つべきです。

●「学生起業家と呼ばれたら悔しがれ」

学生で起業してる方にも、何名かお会いました。
細かい話かもしれませんが、その時にふと思ったことがあります。

学生で起業してる方で、話をする時に、「学生起業家の○○です」とか、「彼は学生起業家の○○君で、、」など、「学生起業家」と呼ばれていることが多かったと思うのですが、すでに学生で起業されている方は、自分のことを「学生起業家」なんて名乗ってはいけませんし、呼ばせてもダメです。
「学生起業家」なんて人に紹介されたら悔しがってください。

僕が15歳で起業したのは、有名な事実にはなっていますが、15歳で起業したことを売りにしたことは一度もありません(むしろ、そこで覚えられたくないので、あまり説明しないようにしてましたし、15歳をテーマにして本を出したのも出版社から頼まれて仕方なくです)。

むしろ「学生起業家」として評価されているということは、会社やサービス、能力は何も評価されていないということだと思い、嫌だなと考えていました。
なので、「正田さん若いですよね?いつから起業されたんですか?」って聞かれても、「15歳です」とは答えずに、「学生の時なんです」なんて
答えて、いかにも大学生くらいで起業したように振舞っていました。

何を言いたいかといいますと、会社を作ったら、まず「学生起業家」から脱しましょう!ということです。
○○株式会社の○○さん。○○のサービスをやっている○○さんというのが、正しい評価のされ方です。

シードファイナンスを意識し過ぎるな!

僕が学生の方々の興味関心の中で意外だったのは、学生の皆さんが、シードファイナンスに興味津々だったことです。

学生達と1日過ごしてみて、気づいたのですが、起業に関する学生達の悩み事は、主に2つで、「何の事業をやるか」と「どうファイナンスするか」なんですよね、、多分。

「どの事業をやるか」に関しては色々な意見があると思いますが、「どうファイナンスするか」に関しては明確な僕なりの意見があります。

答えは、「シードファイナンスを頼るな」です。

僕が起業した時は、そもそも、ファイナンスなんて言葉すら一般的じゃなかったので(バリュエーションなんて言葉は聞いたことなかった)、どうやって調達するかよりも、むしろお客さんをどうやって探そうかということばかり考えてました。

プロダクトがまだできていなくても、絶対やってくれるというユーザーがいるならば、1年分前金でお金を受け取ってもよいわけです(今だとクラウドファンディングなんて便利なサービスもあります)

それに、アプリがなければ商売できないなんて話もありません。LINEを使ったり、グーグルフォーム使って立ち上がるサービスなら、プログラミングできなくても、ランサーズやクラウドワークスで手軽に発注できます。
そもそもWEBサービスである必要すらないかもしれません。電話をかけたりメルアポしたりして対面で営業する方法だって有効です。

正直シードファイナンスが成功するのを待っていても、いつまでたっても事業は立ち上がらないと思います。

事業計画やモックアップ作ってピッチで優勝してシードファイナンスや!って気張ってみたところで、結局ピッチで優勝するのは事業進捗が一番進んでいるところだし、ピッチで優勝したからといって事業がどのくらいスケールするかは別問題です。

それよりも、作ったサービスやプロダクトをいち早くユーザーに届け、早くマネタイズすることを考えるべきです。

シードファイナンス受けなくても、立ち上がるものは立ち上がりますので、シードファイナンスに固執する必要などないのです。

また、これに関しては僕の持論ですが、ファイナンスはかなり麻薬に近いものがあると思います。
ファイナンスをすれば、資金繰りも楽になりますし、PR効果もありますし、勢いがあり採用も楽になります。しかし、ファイナンスが上手いのと、経営が上手いのは別の話なのです。

ファイナンスそのものを否定するつもりはありません。先程麻薬を例にあげましたが、グローバルな流れでは大麻も合法化が進んでいます。
まあ、その話は関係無いとしても、経営とファイナンスの両立があるべき姿です。

シードの時点でいきなりファイナンスに頼ってしまうと、事業を運営する経営力が身につかないのではないかと僕は思ってしまいます。

手元の50万円を工夫して使えない人が、5000万円調達しても上、手く使えないのではないか、と、お節介ながらもそんなことを考えてしまいます。

まずは、手元に資金を貯めるとか、売り上げを前受けでゲットするとか、支払いを遅らせるとか、値切るとか、そういう基本的な交渉をしながらお金の回し方を覚える半年間があってもよいんじゃないかな、、と思うわけです。

なので、シードファイナンスを引かなければ事業がスタートできないというのは気のせいです。
シードファイナンスなんて気にせずに、どんどん事業をスタートさせましょう。

ぶっちゃけ、ちょっとしたサービス作って少し広告回すお金くらい、わざわざVCやエンジェル回らなくても、クレジットカードや消費者金融を駆使すればなんとかなるんじゃないかなと思います。

何の事業をやればよいのか

ここに関する悩みも学生はたくさん抱えていそうだというのがわかりましたが、実は、登壇していた僕ら起業家も、VCの方々も、同じような、同じレベルの悩みを抱えています。

そのくらい、どの事業をやるのかというのは大きな課題です。
なので、今からビジネスを始める学生達がそこに悩むのは当然ともいえます。

ここに関しては僕たち登壇者と、学生たちの間にそんなに大きな差はありません。

僕らだってGoogleやFacebookのようなサービスを作れたわけでもなければ、イーサリアムのようなものを作った実績もありません。まして、何連続も当てているかというと、そんなこともないのです。

「何やればよいですか?」と尋ねられても、「僕たちも教えてほしいです!」というのが実は登壇者みんなの本音だったりします。

僕自身、事業を立ち上げるのはあまり得意ではないのですが、良い事業というのは業界の盲点を突くようなものが多いです。
そのため、業界にドップリでもそれが当たり前になっていて気がつきにくいですし、業界を知らなさ過ぎても思いつきません。

そのため、僕は素直に、儲かっている企業のマネをすることをオススメします
身近なところにある儲かっている企業の真似をすれば、何かしら形にはなってくるはずです。

それをやりながら、自分で思いついたことを少しずつ取り入れていき、徐々にオリジナリティを取り入れていくことが、なんだかんだで近道なのかなと思います。

マネかよって思うかもしれませんが、そもそも上手い人のマネをすることって難しいんですよ。
例えば、イチローのマネってできますか?できないでしょう、、って話です。
でも、マネしようとすることによって色々見えてくるものがあり、イチローほどにはならないにしても、それなりに上達はするものです。

そのため、何の事業をやろうか決まっていない人は、まずは自分の身近にある儲かっていそうな企業を50個くらいリストアップすることから始めてみると良いと思います。

実は、ここら辺の具体的な事業立ち上げのステップは自分の中で方法論としてはあるのですが、ちょっと書くの疲れてきたので、またの機会にします。

ただ、僕が何を言いたいかといいますと、すごく儲かる事業立ち上げのネタを見つける魔法みたいな方法はありませんし、僕らでもやはりそこは常に考え、悩んでいるポイントなのだということなのです。

そのため、何の事業をやるかは、正直深く考える必要はないのかなと思います。
まず失敗すると思い、上手くいく事業が出てくるまでやってはやめて、やってはやめてを自分に確信が出てくるまで繰り返せば良いと思います。

事業を何もやったことがないのに、最初に思いついた、当たるかどうかもわからない事業に賭けようとするのはある意味リスキーです。

**資本政策においても、事業選びにおいても、最初の1回目で100点を取ろうとしない心の余裕が大事です。
僕なんて7回目くらいのチャレンジですが、100点なんて取れたことありません。

これから先、10回くらい起業する中の1回の起業だと思い、あまり深く考えずにやってみてください。**

それが、連続起業家としての生き方です。

そもそも、起業したことない人が起業について色々考えたり人から聞いたりしてみても、やはりピンと来ないものだも思います。

事業選びに関しては、まとめますと、身近な儲かってるものを色々手を出してみることってのが僕からの回答になります。

今回の福岡トウリュウモンの感想は、こんな感じです。
それでは。

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コメント1件

今月登記する大学生です。
もろもろ共感する部分が多かったです。参考になりました!
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