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保険会社の起用方法について

企業保険のカバーするリスクの中には個人保険のカバーするリスクとことなり、時に巨大な金額となることから、保険会社一社で提供できるキャパシティを大幅に超過することもあり、その場合には共同保険や再保険という形で複数の保険会社がキャパシティを提供して、一つの保険プログラムを構成することがあります。

日本国内で元受保険契約を締結するには、日本において損害保険会社の免許を取得する必要があります。現在国内には54社の保険会社が登録されており、国内保険会社と外国保険会社があります。それぞれの保険会社には引受方針があり、全ての会社が企業保険の引受を実施しているわけではありませんし、引受可能種目も認可、リスクアペタイトにより異なります。

国内においては日系損保のシェアが高く、従業員数、サービス拠点、引受キャパシティも大きくなることから、多くの保険プログラムにおいて、Primary、幹事保険会社として証券発行、クレームサービスを含む起用されることが多いと思います。一方、外資系保険会社はExcess、または非幹事保険会社としてキャパシティ提供を中心にすることが多くなるものと思います。

大切なことは、幹事であれ、非幹事であれただ保険料の安い保険会社を起用することは望ましくないということです。大きなキャパシティを必要とする企業保険契約は、個人の自動車保険や火災保険と異なり、認可を持つ保険会社なら誰でも引受のできるリスクではありません。長期安定的に保険契約を維持、運営していくためには、信用力、サービス提供能力、アンダーライティング方針の安定性、そしてもちろん価格競争力とあらゆる観点からの総合評価を実施する必要があります。

一方で、契約者としても積極的なリスクについての情報開示を行なっていく必要があり、リスクマネージャーは契約更新の前にロードショーと呼ばれる、保険会社各社のアンダーライターに対して、自社のリスクの現状、改善に関する取り組みなどをプレゼンテーションを実施することがあります。これも、安定的かつ競争力のある保険料水準を獲得していくために重要な取り組みです。

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