息のキャパシティを広げる。
こんにちは♬
今朝は突然の豪雨で、しかも登校時間直前・・・。
どうする?どうする?と思っていたら止んだので良かったのですが。
最近本当に豪雨が多い気がします。
トランペットの話です。
今から書く話は、時代の流れと全く逆行していることを書きます。
いま、管楽器、特に金管楽器の世界では「極力息は少なく効率的に楽器を吹く」というものが主流になってきていると思います。
それを頭に置いたうえでの話ですので、タイトルだけ見て「何時代錯誤なことを」と思わないでください(笑)
最近のレッスンで生徒さんにやっていただいていることは、マウスピースを外して、マウスパイプをパクっとくわえた状態で息、指、タンギングの練習をするというものです。
これ、息がものすごーくたくさん必要なんです。
マウスピースの抵抗がないので、息がストンとストレートに入ってしまうからです。
なので、たくさん吸って、できるだけ長持ちするように息を入れなければいけませんし、最初はとてもたくさんの空気を使います。
これは何を目的として練習しているかと言うと、
・唇を使わないで唇以外の練習をすること
・息のコントロール
の2つです。
1つ目は、唇を使わない練習です。
普段、楽器を吹いていて、うまくいかないときや、音を当てに行こうとする時、唇にキュッと力を入れてしまう人は多いと思います。
ある程度の力は必要なんですが、過度のりきみは息を止めてしまいます。
すると、よりたくさんの空気が必要になり、息を吐くことも疲れますし、唇に力を入れ続けることで筋肉は疲労しますし、また効率的に振動するためのフォームも崩れます。
木管楽器は振動部分がリードなので、リード部分に力をかけたりしないですよね。
そもそもリードに意思はないですから、そこを締め付けるということができません。
なので、金管楽器も同じようにリード部分である唇は基本的に常に同じセッティングであるといいと私は思っています。
どうしてもマウスピースをつけて吹いてしまうと、根本的な「息・指・タンギング」を忘れてしまうことが多いので、唇以外の練習としてやります。
2つめは、息のコントロールです。
この練習をするにあたって、最初に書いたとおり「少ない息で効率的に演奏する」というための練習であることを頭の中に入れておいてください。
でも、この練習はものすごいたくさんの息を使います。
真逆のことをしていますよね(笑)
この練習の意図するところとしては、「息のキャパシティを広げる」ということを目的としている部分もあります。
少ない空気で演奏したほうがいいのなら、たくさんブレストレーニングとかする必要ないじゃん!
って思う方は多いと思います。
でも、
・とても息がたくさん出せる人が少なく効率的に吹く
のと、
・もともと息が少ししか出せない人が少なく効率的に吹く
のでは、
大きく違いがあると思うのです。
これが大きなねらいなんです。
ブレストレーニングなんて必要ないよって思う方はやらなくていいと思うんですが、そもそも喋る時に息を使わないで効率的に喋る人って、「息をたくさん使って喋る」っていうことがどういうことかわからないんですよね。
たくさん使うことを知っている人が、ごく僅かな量で楽器が吹けるようになると、本当に楽に吹けるようになりますが、もともと少ない空気で演奏している人にとっては効率的ではなく、そのままの状態になりかねないのです。
そして、全く無抵抗な筒の中に息を入れ続けられるようにするには、コントロールが必要になります。
生徒さんの様子を何人も見ましたが、みなさんやはり最初に息がドカッと出て、その後すぐになくなってしまうのです。
「先生、息が続かないです〜〜」
ってなってる方が続出(笑)
私の肺活量は一般の人並みです。
よく、トランペットを吹いている、と人に話すと「肺活量がいるでしょ〜?」と言われますが、全くもって普通の肺活量しかありません(笑)
でも上の練習をすると、生徒さんよりは息が長く続きます。
それは、息のコントロールの仕方を知っているからなのです。
この練習を生徒さんたちにやってもらってから2〜3週間になりますが、他にもいろんな効能があって(温泉か笑)これをやるようになったら、高い音が出るようになったり、音に響きが出るようになったり、音が大きくなりました。
ただ、レッスンでは色んなエクササイズをやっているので、バランスよく色々やらないとなのでここでは書ききれないのが残念ですが。。。
ただ、ひとつ言えるのは、この「唇を使わないトレーニング」をすることで、マウスピースをつけて唇をセッティングした時に「唇に頼る割り合い」が減るということなんです。
ぜひ皆さんも試してみてくださいね〜。
ではまた。ばいば〜い!
トランペット奏者、作編曲家の岩田恵子と申します。 お仕事の話やトランペットの奏法などについて色々と発信していきます♬