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そうだ、ポップスを、やろう

こんにちは♬
大型の台風が近づいてきました。。。
どうかみなさまご安全にお過ごしください。
我が家周辺も突然ザーッという大雨が降ったりしています。
お出かけされる方はくれぐれもお気をつけて。


先日娘と話していた時に、「コンクールが終わったら文化祭の練習始めなきゃなんだよね。ポップスいっぱいあるし」みたいな話をした訳ですよ。
あ、高校生はそういう時期だよなあ、中学生も場合によってはそういう時期になるなあとふと思ったのです。

ホント、マジで、ポップスナメちゃあかんぜよ。
「知ってる曲だし〜」
「よく聞く曲だし〜」
「わかるわかる」
てな感じでやって
「わー、それっぽくなったわ〜」
「まあちょっと変な気もするけど、ポップスだしいっか
ってなってませんか?

いやいや、ほんと、ポップスこそ頑張りたいジャンルなんです!

ポップスを練習するメリット

何より曲を知っている
原曲を聞ける
正しいイメージがしやすい
リズムの感じ方が細かくなる
音の長さに敏感になる
タンギングや息の使い方、ニュアンスの別角度のアプローチができる
歌ものであれば歌詞があるからフレージングが取りやすくなる
などなど・・・キリがないぐらいいっぱいあります。

では逆にポップスを練習するデメリットは?

・・・見当たらない(笑)

よく昔から言い伝えみたいになってますが、
「一度ジャズを吹くとクラシックに戻れない」
なんてのは、嘘です。
それはニュアンスの吹き分けができない、セッティングを変えられない、などの技術的な理由に最もなことを言っているだけです。
(あー、いま色んな人を敵に回した感)

この件に関しては以前書きました。

要はニュアンスの吹き分けができれば可能なんです。
セッティングを変えている場合はちゃんとクラシックとポップスやジャズは分けないとならないですが。


ポップスにはクラシックにない概念がたくさんある

ポップスやジャズにはクラシックと大きく違うことがあります。
それは、音符ひとつのニュアンスがクラシックのようなホールを利用した響き作りではなく、マイクを通すことを前提としたものであったり、狭い空間(ライブハウスなど)を意識したニュアンスであるということです。

クラシックでは「パーン」と吹くものが、ポップスだと「ダーッ」という発音だったり、スタッカートにしても「タッ」というものではなく「ダッ」という感じであったり、発音が違うんです。

そして楽譜には書いていない「暗黙のルール」なんかもたくさんあります。
ウエイトの取り方、テンポの感じ方、音の長さ、様々なものがクラシックとは大きく違っています。

ポップスには学ぶべきリズムがたくさんある

クラシックにマーチ、ワルツ、ポルカなどのジャンルがあるように、ポップスにも様々なリズムやジャンルがあります。
むしろ、ポップスのほうが多いんじゃないかな。
ポップスと言って一括りにしてますが、ジャズ、ラテン、フュージョン、ロックなどの大きなジャンルもありますし、その中にも4ビート、8ビート、16ビート、シャッフル、スウィングなど様々なリズムがあります。

それらのリズムの吹き分けができるでしょうか?
ドラムセットであればリズムパターンがありますが、さて、トランペットの吹き分けは?

例えばクラシックならワルツは1拍目にウエイトが来て、「ズンチャッチャ」のようなリズムの取り方をしますよね。
ではポップスならどうなんでしょう。
スウィングとシャッフルは非常に似たようなリズムですが、演奏の仕方は全く違います。
同じように三連符の3つ目にウエイトは来るものの、ウエイトの乗せ方がスウィングとシャッフルでは違います。

例えば、

スピッツはシャッフルのリズムが多いですね〜。

花束を君に、の後半部分はシャッフルです。

同じように速い三連符、としてセレクトしたThe blues Walkですが、同じリズムでも全然違うように聞こえますよね。

知ってる人からしたら「同列にするな」と思われるかもしれませんが、楽譜としてみるとあまり変わらないんですよね。特にトランペットのような単音楽器の楽譜の場合。


閑話休題、そういう「ニュアンスの違い」っていうのをものすごーーーーく細かくジャンル分けされているポップスやジャズの中から少しずつ真似をして学んでいくしかないんですよね。


ポップスやジャズで習得したリズム感覚はクラシックに還元できる

で、ポップスやジャズで培った「細かなリズムニュアンス」っていうのはクラシックを演奏する時に大いに役立つわけです。
結局のところ、ジャズもポップスも、クラシックから派生して生まれた音楽ですから、そこに通ずるものは必ずあるんです。
「あ、これジャズっぽいニュアンス」とか「このフレージングはあの歌のああいう感じに近いな」とか、色んなものを感じられるようになってきます。

あとはアドリブですね。
私がそもそもアドリブを始めた理由は、「頭の中で瞬時に組み立てられたものを楽器で自在に吹けるようにする」トレーニングからなのです。
つまり、アドリブというのは楽器が意思のままに操れるようにならないとできないもので、そして更にコードという和音も頭の中に常に入っていて、更に更に、常にスケールやアルペジオなどの練習も欠かせないのです。

結論:ポップスのトレーニングは必要

以上に挙げた通り、ポップスができるようになることで、音楽の幅がとても広がることがわかります。
「ポップスだからノリで」
ではなく、
「ポップスだからこそ考えて」
練習できるようになると、飛躍的に色んな事ができるようになると思います。
是非ポップス、真剣にやってみてくださいね。

ではまた。ばいば〜い!

トランペット奏者、作編曲家の岩田恵子と申します。 お仕事の話やトランペットの奏法などについて色々と発信していきます♬