備忘録最終回 プロフィールの書き方

プロフィールの写真は大事だが、文章はもっと大事だ。そしてより難易度は高い。写真はとりあえず清潔感があれば許されるが、文章はさらに知性とユーモア、そして誠実さが求められる。女性は写真を見てあまりタイプじゃないと思っても、文章で気に入ればメールに返事を書く。しかし見た目がタイプでも、文章で不信感を持てば返事どころかブロックすることがある。わかりやすいのは下ネタだ。プロフィールに下ネタやセックスを連想させる事柄を書いてはいけない。少しでも書けば、それだけで即アウトになる。「私はマッサージが得意です」は、本職のマッサージ師以外書くべきではない。それが性的なものではないただのマッサージで、あなたが本当に得意だったとしてもだ。少しでも女性に不信感を抱かせたら、このゲームはあなたの負けだ。あなたが本気で彼女が欲しいのならば、文章は写真以上に気を使い、そして本気で取り組もう。

書いてはいけないこと

プロフィールに書いてはいけないことは三つある。一つ目は性的なことは書いてはいけない。二つ目は嘘を書いてはいけない。以前何かの調査で、「プロフィールで男性なら年収、女性では年齢で嘘をつきやすい」というのを読んだ。気持ちはわかる。しかし私の目的はナンパではなく、結婚を視野に入れた真剣な交際だ。将来の夫になるかもしれないような相手に対し、年齢という基本的な情報ですら嘘をつくような女性なんて信用できるのか?自分では嘘をつきながら、「誠実な男性が良い」なんて通るはずがない。プロフィールに嘘を書くということは、自分の現実を受け入れていないということでもある。そんな人間は魅力的ではない。私は「嘘はつかない、相手の嘘も認めない」を基本方針とした。

三つ目は、後ろ向きではいけない。「誰か側にいて欲しい。さみしいよ・・・」「一人では不安で寂しくて」などと書いてはいけない。どんなにさみしくてどんなに辛くても、プロフィールに書くことは前向きでなければならない。「今のままでも十分幸せだけど、誰かと一緒ならもっと幸せかもしれない。俺はhappyだけど、happiestになりたいんだ!」みたいな感じにしよう。バカな男は嫌われるが、人生観に関しては少々バカなくらい楽観的で前向きな方が好感を持たれやすい。ネガティブは例外なく嫌われる。

言い訳がましいのも駄目だ。「こういうの初めてで、自己紹介に何書けばいいのかわかりません」という女性のプロフィールは何度も見た。「ネットで必死に彼氏探すような、惨めな女じゃありません。今回はたまたまです」というアピールなのかもしれないが、ちっぽけなプライドにしがみつく人は魅力的に見えない。「見た目は20代ってよく言われます」も駄目だ。気持ち悪い。外見や印象を評価するのは相手であり、そしてどんな人でも、年相応にしかならない。メイクや服装である程度はごまかせても、首や手、ひじやひざはごまかしがきかない。30代は30代にしかならない。でもそれでいいのだ。人間とはそういうものなのだ。現実と向き合い、そんな自分を受け入れ、その上で前向きに努力する人が魅力的なのだ。努力とは現実から逃げることではない。

ユーザー名

具体的なプロフィールの書き方に移ろう。ユーザー名は基本的に偽名だが、わかりやすいものがいい。ランダムな文字列では記号的すぎて、相手の頭に少しも残らない。しかし本名ではやりすぎで重すぎる。だからニックネームを考えよう。私の場合は料理がテーマだったので、japanesecookingやamteurchefなどという名前にした。テーマに沿った、何となく意味がわかるものがいい。釣りが好きならtrout_lover、スポーツが好きならYankee_Fanなどだ。住んでいる地域や職業、身体的特徴などをうまく組み合わせて、Florida_Surfer、Engineer.jpなどと考えよう。ただし、あまりに長いのも覚えにくく、サイトによっては文字数制限があるので注意しよう。私は最初japaneseresearcherにしようかと思ったが、文字数がオーバーしてしまい使えなかった。

ヘッドライン

ヘッドラインはニュースと同じで、あなたを表す一行の見出しだ。女性には、まずあなたのメインの写真、ユーザー名、そしてヘッドラインが表示される。そこで彼女の興味をひき、クリックさせてプロフィールを読ませられなければ、もうそこで彼女に関してはゲームオーバーだ。ゲームはメールを送る前からもう始まっている。ヘッドラインにはその人のセンスと知性が表れるので、手を抜くことは許されない。「Hi!」だけでは駄目だ。努力もセンスのかけらもない。「初心者です」「こういうサイトは慣れていません」などと言い訳するのも駄目だ。自ら弱さを見せるメリットは何もない。それは甘えているだけだ。当たり前すぎるのも良くない。「素敵な女性を探しています。」全員そうだ。これは男女共に言えることだが、使い古された当たり前すぎるフレーズは何度も何度も見た。まったく面白くない。みんなプロフィールを書くことは下手で、うまく書く人はほとんどいない。だからこそ本気で考え、少しでも面白い文章を書くのだ。見た目があまりよくなくても、多少ハゲでもデブでも、文章で挽回できる。「知的で個性的な人」と思わせられれば、女性からの返事は来る。そのくらい面白いプロフィールは強力だ。

何か目を引くようなヘッドラインを考えよう。私の場合は料理がテーマだったので、「Amateur Japanesecook available」とした。「料理ができる」だけではなく、「あなたのために作ります」という意味を含ませた。笑いを取る必要はないが、ユニークなものでなければならない。大喜利だと思って、真剣に考えよう。何でも良いが、私が他の人のを見て面白いと思ったのは、「Pickme! Pick me!」「Ten reasons you should date me」「Happybut looking for happiest!」「I’m here for the interview」などがある。個人的には「Madein Japan」も使えるかなと思った。これでおわかりだろう。プロフィール書きはあなたの知性を問うテストなのである。

プロフィールはWordに書く

基本的なことだが、スペルミスは許されない。知的に見えないからだ。プロフィールを書く時は必ずWordで書き、よく推敲し、スペルチェックしてからサイトにコピペしよう。オンラインデートサイトのプロフィールの項目はどこも似通っているので、Wordにあらかじめ書いておいて、それを使い回すことができる。どのサイトでも出てくる頻出の項目や質問があるので、まずそれについて考えよう。

Recently read

最近読んだ本についてはよく聞かれる。寝ぼけていても「私は本は読みません」などと書いてはいけない。知的でないからだ。これは知性を問うテストだと言ったはずだ。私は「本を読まない人=バカ」だとは思わない。実は私もほとんど読まない。しかし、世間ではそう思われがちだ。もしあなたが「最近読んだ本は?」と聞かれて頭に何も浮かばないのであれば、まず何か興味ある本を読むことから始めるべきだ。何でそんなことまでしなくちゃいけないんだって?知的でない男には知的でない女しか来ないからだ。「私は本を読んで、知識と教養を蓄えていますよ」と示さなければならない。ということは、ここで挙げる本のタイトルも重要になってくる。「『オンラインデートサイト攻略法』を読んでここに来ました!」なんて書くバカはいない。自己啓発書や宗教関係の本は、興味ある女性以外からは敬遠されてしまう。「ハリーポッターの最新作が面白かった」は悪くはないが、児童書のイメージがあるので、知性という意味ではちょっと微妙だ。しかし、単に世界の文豪の本をタイトルだけ「Warand Peace, Crime and Punishment...」などと列挙するのは退屈なだけだ。会話のネタにしにくいし、感情も見えない。この項目は意外に難しい。

ひとつの戦略としては、「感情が見えるようなエピソードを話す」ということだ。例えば、「私は子供の頃シャーロック・ホームズが大好きだった。その時読んだのは日本語訳されたものだったけれど、もう一度読んでみたくなり、最近原著を読み始めた。でもちょっと苦戦している。と言うのも、時代が古いので環境も出てくる英単語も全然わからない時があるんだ。wagonetteとかgigとかbroughamとか、わからないので調べたら、全部馬車なんだよ。当時は車がなくて馬車で移動していて、しかも色々な種類の馬車があって名前が違ったんだね。そんなのわからないよ。あと、お金もよくわからない。ホームズが馬車を捕まえて、『前の馬車を追え、sovereignをやろう!』とか言うんだけど、『sovereignって何?イギリスってポンドじゃないの?今のUSドルでいくらくらい?』なんて考えてしまって、全然先に進めないんだ。」といった具合だ。その本を読んだことがなくても、感情が見えて共感できれば、好印象につながるし会話のきっかけになる。「私もこんな本で苦労したの」と女性も返事をしやすい。エピソードがあれば、ハリーポッターは有名で誰でも知っているので、むしろ良いタイトルだ。料理本を読んで作ってみたらこうだった、旅行本を見て行きたくなって実際行ったらこんなことがあった、この本を読んだら昔のこんな経験を思い出したなど、感情が見える、共感できるような話を書こう。もちろん作り話はいけない。

この項目では、たくさん本のタイトルを挙げればよいというものではない。知性を見せつつ、読んだ人の感情を動かし、何かしら印象を与え、かつ会話の糸口になりそうな文章を考えよう。このことは、どの項目でも使うべき戦略だ。

Hot spots

これは、要するに自分がよく行くお気に入りの場所だ。何でもいいので、あまり難しく考える必要はない。住んでいる町の行きつけの店でもいいし、旅行に行った時に気に入った場所でもいい。話のきっかけとして使いやすいので、町のお気に入りの店の方がいいかもしれない。「エジプトのピラミッド」と書いても、「私も行ったことある!」とは言われにくい。どこそこの何々がおいしいよ、くらいで十分だ。

Favorite things

何が好きか、休みの日に何をするかなどもよく聞かれる。自分のテーマがしっかりあれば、そんなに難しくはないはずだ。私の場合は、「食べることは私の楽しみです。だから、もしあなたが月曜日はピザ、火曜日にハンバーガー、水曜日はホットドック、木曜日にまたピザ・・・などという食生活を送っているなら、私とはうまくマッチしないでしょう。世の中にこれだけ美味しいものがあり、食事をする機会は一日三回と限られているのです。楽しまなければ損ですよね」というようなことを書いた。

About you

要するに自己紹介。これが一番自由度が高く、一番難しい。短すぎてはいけない。手抜き感が出てしまう。あなたが普段何をしていて、何が好きで、将来何がしたくて、どんな女性を求めているのか、テーマに沿ってわかりやすく書こう。ここで個人的に面白いと思ったのは、①誰かの名言を書く。書き出しに著名人の名言を持ってくるのは良いアイデアだと思った。「誰それは○○と言っていて、私もそう思います。私は・・・」というのは書きやすく人目も引きやすい。②理由の列挙。「あなたが私とデートするべき10の理由」というように、何かの理由を列挙するのはわかりやすくて面白い。しかし、かなりのセンスが問われる。私は挑戦したが、良いのができずに結局断念した。うまく書ければかなり効果はあるはずだ。③FAQ。質問と答え。私はこれを使った。例えば、「あなたは伝統的な性別の役割を果たすことを重視しますか?」といった設問を自分で書き、その答えを自分の言葉で書くのだ。「遠距離恋愛はできますか、それとも無理ですか?」「子育てにはどのくらい参加する意思がありますか?」「交際中の『一人の時間とスペース』はどのくらい必要ですか?」「あなたが怒る時はどんな時ですか?」「あなたが考えるロマンチックなデートは何ですか?」など、様々な質問を用意した。書きやすく読みやすく、自分という人間を理解してもらいやすい。自己紹介の最後に、「それでは新規ユーザーのために、私の取り扱いに関するFAQを載せておきましょう」と言って、十個くらい質問と答えを書くと良いだろう。

いざ戦場へ

自分のプロフィール写真と文章を書いてアップしたら、準備は完了だ。女性をSearchしてプロフィールを読み、メールを送り、アポイントを取り、デートをして、交際を始めよう。実は私は、ここから先のことはまだよくわからない。まだ「○○すべきだ」と言えるほど経験も実績もない。出会うまではゲームで、プロフィールの書き方までは何となくわかってきたが、会ってからはゲームではなく、普通の恋愛だ。とりあえず今までわかった注意点について書いた。ここから先は私はまだ勉強中ということだ。何かわかったことがあれば、また書くことがあるかもしれない。

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