近況 2023年4月3日(月)

なんだか大切な一区切りな気がするのでダラダラと文章を書いてみることにした。ダラダラと書いているので読みづらいと思うが、自分の為に書いた文章なので…じゃぁ公開するなって話だが、せっかくなので。

アーバンギャルドの15周年記念公演SOTSUGYOUSIKIを終えた。
10周年記念公演も中野サンプラザでおこなってその5年後だ。10周年の時はアーバンギャルドにメンバーとして参加して3年くらいだった。
2018年に10周年を行なって2019年に瀬々さんが脱退して、2020年にコロナ騒ぎが始まり、2021年に事務所から独立、2022年から準備して2023年3月31日に15周年ライブ。終わってみるとあっという間だけれど長い長い5年間だった。バンドとしてはコロナ騒ぎでの動員に悩み、独立したことによって金銭面での重きの置き方に悩み(何にお金を使って作るか?みたいな)、三人でのバンドとしての表現に悩み。しかし15周年のタイミングでコロナ騒ぎもひとまず終結したりと全てがなんとかいい方向に向かえるようになったのではないかと感じている。

個人的にはこの5年はバンドマンとしては2019年から頭脳警察に参加、大槻ケンヂさんのオケミスで演奏をする他にも作曲させていただいたり、2022年にはROLLYさんにお誘いいただきロッキーホラーショウに参加させていただいたりと憧れだった方達との共演も増えた。
2021年辺りから映画音楽をおおくぼさんにという形で依頼していただいたり、編曲や作曲の仕事も増え、表立って演奏するのも好きだけれど本来的に自分がやりたかった仕事をやれるようにもなってきた。
ただ、やはり2020年からのコロナ騒ぎは大変だった。その頃はまだライブを主に収入源としていたから生活もままならぬ状況に急に追い込まれた。
配信というその時は未知だったものを雨や雨でHitomiさんと試行錯誤したり、グッズを作って通販をしたり、作曲編曲ミックスマスタリングまで制作を完全に自分でやってみたりと今まで距離を置いていたことを積極的にやって、お客様に楽しんでいただきつつ僕らもきちんと対価を受け取れるような形をなんとかやれた。ここでやったことが今の編曲や作曲の仕事に繋がっていると思う。(何よりお客様に大感謝です。)
この2020年というのは他にも重要な年になった。少し時間が出来てしまったので七十二候のピアノシリーズを作った。これはずっと作りたいと思っていたピアノの曲集。ただ作りたいとは思っていたものの自意識というかどういう音楽に落とし込んだらいいか迷って結局作らずじまいだった。でも丸裸になってしまった気持ちだったので丸裸の作品を作った。アーティスティックに自分の表現を突き詰めるのではなく、(そういう作品も鑑賞者としては見たいけれど)自分は、興味あること全部やってそれが時間をかけて突き詰まって自分らしい表現になっていくようにしたいと思って活動してきたところもあったのが、なんとなく結実した感じはした。正直セールス的なものには繋がっていないけれど重要な作品を作れた。遠回りしがちなんだよな。

10周年の頃はバンドマンとしてなんとか立てるようになって来た頃だったが、15周年の頃にはミュージシャン、アーティストとして立てるようになってきた。それがこの5年の成長だと思う。成長出来たのかな、まぁ成長したかな。歳はその分とったけれど、遠回りしがちな自分がやっと真っ当な道へ入って来れた5年間だったかもしれない。

そんな一区切りのタイミングで坂本龍一さんの訃報があった。
やはり癌で闘病中のPANTAさんを応援するイベントで演奏した後に知った。
坂本龍一さん。
中学生の時に映画好きになって映画音楽を聞き漁っていた中でラストエンペラーの作曲家として知った。色々なバンドを聴きあさっていた時期でもあったのですぐにポップな作品も聞くようになった。この作品を作った人は音楽大学でしっかりと勉強したと知って自分もきちんと理論を学ぼうと音大受験には遅いと周りに言われながらも勉強して作曲コースのある大学に入った。坂本龍一研究本なんかから辿って先生に学ぶ前に理論書を読み漁ったりした。ハーモニーの積み方、逃れ方を学んだ。
でも大学に入ってからはどうやって影響から逃れようかということばかり考えていた。やがて教授の音楽は聞かなくなり、影響を逃れたいがゆえにルーツミュージックを聞いたり研究するようになり、シャンソンやフォークやロックを演奏するようになっていた。
でもやっぱり自分を形成してきたもの、自然と自分が発してしまうものが一番しっくりくる。アーバンギャルドにテクノポップと現代音楽的要素があってこれは加入を決めた理由の一つだ。
逃れながら自分で形成してきたもの、そして影響を受けていたもの。結局全部影響から逃れられてないじゃん…
そんな自分の音楽人生に影響を与えてくれた人の訃報はタイミングも含めて自分の今後の音楽人生の積み重ね方を見直すきっかけになりそうだ。

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