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色の濁らせ方

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は色をどう濁らせるかのお話。

美しく濁らせる

昨日、落ち葉のお話を少し書きました。
改めて落ち葉を観察していると、あの枯れた色みを出すには、色を濁らせる必要があります。
「美しい」と「濁る」は、両立しないような雰囲気ですが、
濁らせ方にもいくつかポイントがあって、意識するとちょっと変わります。

1. 黒は最終手段

手っ取り早く濁らせるには、黒を使うことが多いと思います。
…が、個人的には最終手段だと思っています。
黒を混ぜると、濁るというより汚れる感じがして。
一気にダークトーン、それもダークグレイッシュな雰囲気になるので、「作った色に暗さや濁りが足りない!」という時までとっておきます。

ただし「色みは不要、より暗くグレー調の色を作りたい!」という場合は、黒を混ぜる方が最適です。

2. まずは茶色を足してみる

黒を後回しにする場合、(オータムカラー的な)色味や鮮やかさを保った渋い色を作りたい場合は、茶色から足していきます。
茶色も最初は明るめのものから。

黄色と緑のバリエーション

左端が元の色、右端が混ぜるベースの茶色、中央が混ぜた色。
茶色を少し足すだけで、雰囲気の良い色が作れます。
これをベースに、割合を変えたり、色を足したりしていく感じですね。

3.他の色も入れてみる

今回は3色の水彩カラーインクを使ったので、あまりバリエーションがないですが、他の色も足していくと面白い効果が得られることも。
ただし、色味が増えるごとに、グレーがかっていくのでご注意を。

混ぜ方としては「近い色同士で混ぜてみる」「補色で混ぜてみる」などが定番ですね。

4.水でのランダムな混色を試してみる

水彩絵の具やインクに限った話ですが、
水に溶ける画材の場合は、パレットで混ぜずに、
紙の上に水を敷いて、その上に絵の具をのばして混ぜる手法もあります。

水で混ぜた色

5. 塗り重ねてみる

水で溶くことのできない色鉛筆などは、違う色を何層にも重ねて塗ると、似たような濁りの表現ができます。
緩いストロークで筆圧強めで重ねていくと、思わぬ効果に出くわすことも。
水彩も影の部分を先に塗っておいたり、油絵やアクリルも特性を活かして重ねることで、無駄に汚さずに重ねていけます。

・・・

絵の具は基本「減法混色」なので、混ぜるたびにどうしても濁っていきます。元の色より明るい色は作れません。
逆に言えば、その濁りを意識的に調整できれば面白い色が作れて、そこが混色の最大の面白さだと思います。
絵の具使う時は、あれこれ試してみてください!

インクがもったいないので、適当に描いた葉っぱ

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