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油絵の具の世界

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日はアクリル、固形水彩に続いて、油絵の具の世界。

美術部で描いてました

中学時代、美術部で油絵を描いていました。
家だとなかなか扱いが難しい画材なので、触れる機会が得られて楽しかったですね。

特殊な画材ですし、自分も今はまったく触っていないのですが、
当時の記憶を頼りに特徴を見ていきましょう。

◆油絵の具の特徴

豊かな色彩と混色

何層にも重ねて描けますし、水彩と違って「濃い色の上に薄い色を乗せる」ことも可能です。
パレット上でも色を混ぜられますし、乾くのがゆっくりなのを利用して、キャンバスの上で混色していくこともできます。
描いてる途中と乾いた後で、色の変化が起こりにくいのも特徴ですね。
アクリルよりツヤがあるのもポイント。

様々な技法

筆以外にもパレットナイフなどのアイテムもありますし、
柔らかい色彩のものも、バキっとしたハイコントラストな作品も、自由に表現できます。

長期保存向き&修復しやすい

水彩のように、光や水で作品が色褪せないので、長期保存向きの画材です。
美術展で古くからの油彩画が、今もなお展示されているのを考えていただければ分かりやすいですね。(最適な保存環境あっての事なのは、言うまでもありませんが)

また、完成後も色を乗せることができるので、経年劣化した箇所の修復もできますし、まったく違う絵を上に描くこともできます。
よく「X線にかけると、違う絵が出てきた!」みたいなのありますよね。

画家の気分を味わえる

ちょっと方向性が違いますが、
イーゼルを用意し、キャンバスを立てかけ、パレットを左手に構えて描く様は画家そのもの。お手軽に気分を味わえます。

・・・

◆油絵の具の短所

油を使うこと

油絵の具は、描く時にはペインティングオイル、筆洗や手入れに使うオイルクリーナーと、いろんな種類の油を使用します。
そのため、部屋が油臭くなります。
個人宅かつアトリエを持っているならともかく、賃貸の家ではちょっと手を出すには厳しい画材です。
また、当たり前ですが引火性なので、取り扱い注意です。

乾くのが遅い&乾くと強固

メリットでも書きましたが、デメリットでもあります。
重ねて描く場合は、完全に乾くまで作業を止めざるを得ないので、完成までに数週間から数か月を要することも。

また、乾くのに時間がかかる部分、乾いた後は強固になります。
パレットをそのままにしておくと、こびりついて取れなくなったり、
絵の具も固まると使えなくなります。

お金がかかる

絵の具自体がやや高価…というのもあるのですが、
水彩やアクリルのように、簡単に水で筆についた色を落とせないので、
色ごとに筆を用意する必要があります。
また描く「キャンバス」もそこそこ値段がするので、道具を揃えるのにお金がかかってしまいます。
先に書いた「完成後の作品に別の絵を描く」というのも、「納得していない作品を潰すことで、キャンバス代を浮かせる節約テクニック」のひとつだったり。

主なメーカー

自分が使ってた時は、主にホルベインのやつだったような気が…。

また日本のメーカーさんも多くて、松田油絵具さんやクサカベさんのものも有名です。

扱いの難しさから「今日から油絵を始めよう!」とは、なかなかなりにくいのですが、面白い画材であることも確かなので、
存分に使える場所がある方は、ぜひ使ってみてください。

自分が使っていない間に、何かしら進化があったりするんでしょうか。
「いまの油絵の具界はこんな感じだよ!」というのをご存じの方は、教えていただけると嬉しいです。

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