見出し画像

固形水彩の世界

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は画材シリーズから『固形水彩』のお話。

固形水彩とは

水彩絵の具は、馴染みの深い画材の1つだと思います。
小学校の授業から使いますし、大半の人は一度は触ったことがあるかなと。

そんな水彩絵の具ですが、よく目にするのはチューブタイプですよね。

今はぺんてるさんか、サクラクレパスさんが主流なのかな。
そういえば、自分が小さい頃は金属製のチューブでしたが、
今はポリチューブが主流になってますね。

金属製のは「錫張り鉛チューブ」か「アルミチューブ」が一般的。
あまり人体や環境に優しいものとは言えないので、とりわけ小さな子が使うものには避けたい素材と言えます。

ちょっと話が脱線しましたが、
固形水彩は、チューブタイプとは異なる形状をした水彩絵の具です。

年季の入った手持ちの固形水彩。中学生の頃から差し替えて使ってます。

小さなキューブ状に固められた絵の具ですね。

水を含んだ筆で、この表面を溶かしながら使います。
すでにパレットに色を出してるのと同じような状態ですね。
もちろん混色も可能です。
絵の具の表面が汚れても拭き取れば元の色に戻せるので、気軽に色を混ぜることが可能です。

チューブタイプとの違い

固形とチューブ、どちらも水彩画材ですが、
わざわざ別の形状が用意されているのから分かる通り、それぞれに特徴があります。

固形のメリットは、主に以下の3つ。

コンパクトに持ち運べる

固形水彩はそもそも持ち運びで考えられているのか、ケースにパレットが付いているものが大半。
形状もコンパクトなので、広げる時も省スペースで済みます。
水筆があれば筆洗バケツすら不要なので、ボディバックでも持ち運び可能です。

すぐに描けて、しまえる

描く時に「チューブから絵の具を出す&しまう」という工程が省けるのですぐに描けます。
汚れも水があればさっと流せばいいですし、なければ帰って洗えば済むので、しまうのも簡単。

結構長持ち

チューブのように中で固まるという事がないのと、見た目の割に減るスピードが緩いので、長持ちします。

あと、見た目が可愛い&カラフルというのも、色彩好きにはたまらないポイント

一応デメリットも書いておくと

大きな作品、広い面には不向き

絵の具のサイズが小さく、筆もそれに相応したものしか使えないので、
大きな作品を描いたり、広い面を塗ったりする場合は向いてません。
平筆なら10号くらいが限度でしょうか。

お高め

チューブタイプに比べると、単価は高め。
メーカーによりますが、有名どころだと500円 / 1色くらいします。

少なくなると割れやすい

絵の具を使っていくと、中央から溶けていくので穴が開いたような感じになっていきます。その状態で衝撃が加わると、割れてしまうことがあるので注意。

こんな感じで減っていきます

・・・

主なメーカー

各社出ていますが、いくつか有名どころをピックアップ。

ウィンザー&ニュートン

自分が持っているのは、ウィンザー&ニュートンさんのもの。
中学生の時に買ったケースを今でも使ってるので、見た目全然違いますね。(笑)

ホルベイン

アクリル絵の具でもお世話になってるホルベインさんからも。

サクラクレパス

手始めにはこれ!という感じですね。
水筆も付いてますし、パレットも上下左右と自分が扱いやすい位置にセットできるので便利です。

・・・

ということで、馴染みは薄いけれど、
「ちょっと水彩やってみようかな?」という時に大活躍な「固形水彩」のお話でした。

実体験&勉強から得た色彩のお話を発信しています。 よろしければサポートいただけると嬉しいです。 心躍る色彩のご紹介に繋がる様々なアイテムの準備に活用させていただきます。