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色名を知ると知識が増える

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は『色名』を知ることの副産物について。

色名は「色」だけにあらず

最近、色彩関連の本をたくさん買って読んでます。
ジャンルは問わずですが、多くの人の「色彩の入り口」になりやすい、色の名前にまつわる本がやや多めですね。

色名と「それがどんな色か」を知るだけでも知識が増えますが、
それ以外の分野の知識もあわせて増えることがよくあります。

色の名前は様々な事象から成り立っているので、「色」以外の情報がたくさん載っています。
それが色名を勉強する楽しみでもあったりしますね。

繋がる色彩

色名を調べると、さまざまなジャンルに繋がっています。
日本の伝統色に限らず、他の国の色名でも同じで、
芸術、歴史、地理、文化、政治、宗教などが垣間見えます。

色彩は一番親和性の高い「芸術」にカテゴライズされることが多いですが、
色名の成り立ちに芸術が関係ないものもたくさんありますね。
その色の名前が持つ「時代背景」がよく分かります。

例えば「パープル」。
マンセル値では7.5P 5/12、16進数では#800080の色彩。
その紫はアッキ貝の一種から採れる色素で、約2000個で1gちょっとした得られなかったため高価な色とされました。
パープルもその分泌液を表すラテン語「プルプラ = purpra」からきており(諸説あり)、
ローマ皇帝、東ローマのビザンティン帝国では権威・権力の色とされ、特別な意味を持つ色でした。

これだけでパープルという色名と「どんな色か」が分かったほか、

  1. とある貝の分泌液から採れる染料

  2. 採れる量が少しで高価

  3. そのため権力の象徴になる

  4. 時代はローマ帝国

というような情報が得られます。
歴史や地理、政治などに紐づいてるのが分かりますね。
※例えまで紫にする、紫好きのなれの果てです。すみません。

学生時代に、歴史や地理など「社会」カテゴリの授業が好きだった方には、ハマる要素が多いかもしれません。

複数冊読むのがオススメ

本によっては文字数の制限などで、情報が取捨選択されている場合もあるので、同じ色を3~5冊くらいで調べてみると、知識が深まっていいですね。

自分が色名について調べる時、まず取り掛かりで開くのがこの2冊。

■日本の伝統色なら

■外来語も含めた色名なら

最近出ている色名の本の『参考文献』欄には、だいたい出てきます。
さらに深堀りするなら、この2冊の『参考文献』欄にあるものを遡っていくのも。
(とはいえ、直近のものだけで必要充分ですね。古い情報で、後年改訂されたものもあるかもですし)

比較して1冊だけにしか書かれてない情報がある場合は、もうちょっと深く掘らないといけなくなってしまいますが…。

また、とりわけ「なんでこんな名前に?」という色名は、
面白い背景を持っていることが多いので、調べてみると楽しいです。
その場合は、こちらがオススメ。自分も知らない色名が多かったので。

絵が好きな方は、色名という取っ掛かりから、知識を広げていくと興味を持って学べるのでオススメです!

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