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趣深い日本の色彩 #33 若竹色

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は竹のお話。

成長の早い竹

若竹色は、成長を始めたばかりの瑞々しい竹の色を指します。
爽やかでフレッシュな緑色。
成長した竹を表す『青竹色』よりも黄色がかった色彩です。

竹は成長が早い植物です。
筍(タケノコ)という字は「一旬(10日ほど)で竹になる」くらい成長が早いところから来ているそう。
日用品などを作る素材としても様々に活用される竹ですが、扱いやすく、育ちが早いのがよく使われる理由なんでしょうね。
そんな「健やかに早く大きくなる」様から、若者の色としても扱われます。

食と色で扱いが違う

食でいう『若竹』は『タケノコ』を指します。
また地表に顔を出したばかりの、茶色い皮まとった状態。
春の味覚であるタケノコは大好物です。
炊き込みご飯とか、煮物とか美味しいですよね。
旬は4月。

それに対して、色でいう『若竹』は、冒頭で述べたように成長をしている途中の竹の色なので、食用には適しません。
この色が表す季節は5月~6月です。
同じ表現でも、状態が違うのって面白いですね。

竹色いろいろ

竹を表す色は、他にもあります。
成長した青々とした『青竹色』。
歳月を経て老い鈍い黄緑になった『老竹色』。
囲炉裏でいぶされ茶色くなった『煤竹色』。
煤竹のバリエーションで『銀煤竹色』『藤煤竹色』『柳煤竹色』『肥後煤竹色』なども。

生活に根差した植物なので、成長具合や状態で、様々な色が生まれてきました。
縁起物の『松竹梅』に名を連ねていることからも分かるように、
愛されている植物、そして色彩だなと感じます。

観光名所でも、竹林があるところって、独特の風情があって楽しいですよね。

新緑とはまたちょっと違った趣の『若竹色』。
今の時期だけ楽しめる色彩なので、意識して使ってみたいなと思います。

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