5「ガラケーという自信」

 携帯電話が壊れた。スマートフォンだ。二、三年前までは、いわゆるガラパゴスケータイは「携帯電話」とよばれ、スマートフォンは「スマートフォン」で、「携帯電話」とは一応別物として区別されていた。数年前、スマートフォンとガラケーの所持者の数が半々だった頃、『隠し事』という小説を書いた。賃貸マンションの2DKに同棲(どうせい)する社会人カップルが、お互いの携帯電話を盗み見て浮気を疑ったりするという話だ。

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