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日記本を作りながら日記を書く

11月14日
先週はアーツカウンシルしずおか主催のプログラムで一週間御殿場に滞在し、その後三島で芸術祭撮影の仕事をしていたので、久しぶりに神奈川県にいる。
静岡での日々はなんだかんだ本当に忙しく、毎日したいことやらなきゃいけないこと、新しい出会いがいっぱいで目まぐるしかった。御殿場でやろうと持ち込んだ数々の作業は全く進まなかった。やっぱりその場にいることで精一杯になってしまう。

午後、制作中の日記本やZINEについてめぐさんと電話で話した。ときどきこうして話ができると、同じページ戻れる気がして心地いい。彼女が最近ペースを上げて進んでいる感じがして、私もまた背筋が伸びる。
夜、ほぼ毎日送られてくる泉からのラジオを聴いた。最近は寝ながら聴いて途中で眠ってしまうことが多いので、朝と夜に二回聴いている。今日はたまたま風呂に入りながら聴いたけれど、泉もちょうどペルーの街で四カ月ぶりの温泉に入った日の録音で、こんなこともあるのだなと笑ってしまった。最近泉は悩んでいることが多い印象だったけれど、久しぶりに清々しい声を聴いた気がして、最高だった。

11月15日
朝起きると、身体がだるく喉が腫れている。扁桃炎の兆し。静岡で結構無理をした生活をしていたことが原因だと思うけれど、滞在中には気を張っていたのか体調を崩さなかった。それなら大事な締め切りを終えるまではずっと気を張っておくんだったとか思ってしまう。この考えも自分に優しくない。

11月16日
抗生物質をもらうために病院へ。こうして一時的に扁桃炎の症状を抑え、熱が出ないようにする。そして元気になるとまた日々に没頭し、根本の解決を先延ばしにしてしまう。分かってはいるけれど、今はどうしても制作や仕事の締め切りが近く、寝込んではいられないので薬に頼ってしまう。

11月17日
今日も一日、扁桃炎の療養をしつつ日記本制作。熱はかろうじて出ていないけれど、痛みと腫れが引かない。普段だったら熱が出ているくらいの状態なので、ありがたいが不思議。
友人たちに送ってもらった日記を読んでいると、今作っている日記本では文量の関係で掬いきれないさまざまな描写や思考があることを痛感する。改めて日記という媒体の多様さと懐の深さに気づく。長い物語のような展開を見せる壮絶な記録も、なくしてしまいそうな小さな宝石を丁寧に集めるような記録も、どちらもやっぱり日記として存在することができる。
そんな私も日記本を編集として制作しながら、自分自身の日記を書いている。だから日記について日記に書くみたいな、変にメタ的な視点が生まれてしまって嬉しくない。

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