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「あなたは何をファシリテートしていますか?」という問いへの暫定解

先日、あるクライアントの方々とファシリテーション研修をご一緒した。

ファシリテーションを学ぶ切り口は様々あり課題に応じてカスタマイズして提供している。この研修では「ファシリテーションのノウハウを学ぶのは勿論重要だが、その前提となる『私たちは何をファシリテートしたいのか』という問いを大事にしませんか?」と最初に呼び掛けた。

ともすると、ファシリテーションは、客観的にクールに場をまとめる役割を担う人だと思われがちだ。しかし、ファシリテーター自身が情熱を持って向き合いたい問いがあるからこそ、時としてカオスを伴う場の変容に伴走できる。そう伝えたくて、この問いを投げかけた。特に、今回ご一緒したのは、社内で変革を担われる立場の方々だったので、活動を通して何を導きたいのか一緒に考えるのを楽しみにしていた。

ソロワークやOSTを通して検討を重ねた後、ある方が真摯な眼差しで投げかけて下さったのが次の問い。

「遠又さんは、何をファシリテートしようとして、この場に立たれているのですか?」

具体的な内容にはここでは触れられないが、その時にお答えしたのが以下のような内容だった。

「そもそも僕は一人で考えるのが好きなので、自分で考えて答えにたどり着ける課題についてはファシリテーションは不要だと思っている。ただ、僕だけでは答えにたどり着けない課題と出会うことがあり、共に向き合い創造的な答えを導きたいと思っています」
「今日の場の関与に対してお声がけいただいた時、事業計画に書かれている経営課題の解決が必要であることは理解しました。しかし、その課題解決をファシリテーションを通してどう実現するのか、僕には答えが分かりませんでした。ただその課題に向き合うプロセスに共感し情熱を持ったので、皆様と場を共にしています」


この仕事をしているとお互いの哲学や大事にしていることに触れ合う場に出会う。それが参加者同士の相互作用として起きることもあるし、その相互作用にファシリテーター自身も飛び込むことがある。僕自身が飛び込むその瞬間は、心がキュッとするが何ものにも代え難い経験だ。

そんな縁に、僕が飛び込むことを誘ってくれた未来の変化を担うファシリテーターとの出会いの場だった。

経営もチームづくりも場づくりも、一人ではたどり着けないところに、たどり着くために試行錯誤しながらファシリテートするのではないだろうか。あなたは何をファシリテートしていますか。

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