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AirペイのCMに見る企画術(転載)

注:このnoteは過去に別アカウントで書いた物を統合のために転載したものです。

転職してから映像の企画を考えることが多くなった。
嬉しいことではあるんだけど、やっぱり自分には能力が足りてなくて悔しい想いをするばかりな日々が今続いていて。そんなことを話すと、友達は「成長痛やなぁ」って言ってくれて、頑張らなきゃなと改めて思うわけです。(強い意志は、1人で持ち続ける必要はないのかもしれない。)

そんなこともあって、最近は前よりもTVを「意識的に」見るようになった。やっぱりTVCMの影響力は侮れないし、「短い尺で面白いもの」をつくることはこれからより大事だと思うので。

で、最近気になったのがこれ。AirペイのTVCM。

オダギリジョーさんが夫婦で営むお店に、お金持ってそうな外国人が、ヘリでやってきて、お店の商品全部、カードで買います。といきなり言うCM。(その後、オダギリジョーさんが「カード使えません」と答えると、「じゃあいいですぅ」と去って行きます。)

これ、なんかクスって笑ってしまった。結構好きなCM。それをちょっと僕なりに解釈します。

HINT1:日常のあるあるを、大げさに描く

このCMの一番の面白さは、ここかなと。カードを持っている人(それはお店をやってる人も含めて)なら、絶対経験あると思うんだけど、「カード使えますか?」ってお店に入る前に聞きますよね?それで「うち、現金だけなんです...」って言われた日にはお財布と相談して「また改めます」なんてことありますよね?

このCMも描いているのは、それです。特に新しい要素もありません。でも面白い。それは、ありえない日常に振り切ってるからじゃないかなぁと。

個人経営のお店に、
お金持ってそうな
外国人が
ヘリでやってきて
お店の商品全部
カードで買う、と言う。

こんなおかしな要素てんこ盛りのシーン日常にはありませんよね?だから「コンテンツ」になるんだと思います。でも、本質的には日常の1シーンだから共感できる。いいCMだなと思います。

HINT2:笑える対象をつくる

これは、「ありえない日常」って部分と重なるところでもあるんだけど、面白いのは多分「笑える対象」が存在しているからだと思います。

このCMで言うと、「お金持ちの外国人」になるのかな。

やっぱり庶民からするとお金持ちは憧れの存在だし、なんでも買えそうって思うじゃないですか。それこそZOZOの前澤さんとかイメージしてほしんですけど。多分買えないものないですよね?

でも、「そんな人でも買えない(断られる)」という状況がなんとなく見ていて気持ちいいというか。最後外国人が言う「じゃあいいですぅ」と言うとときの「チッ」って思ってるだろうなって表情も絶妙。

笑える対象、と書いたけど、「仮想敵」とおいてもいいかもしれない。
「庶民とお金持ち」「日本人と外国人」といった風に対照的な存在を出すことで、「自分のことではない」と見てる人はわかるので、気持ちよく笑える、そんな感じ。(反対に、「あ、これ自分のことだ!」と思えて笑えるパターンもあるとは思います。)

これ以外の解釈もあると思う。むしろこれを企画したクリエイターが何を考えて企画したのか知りたい。でも、自分はこう感じたので備忘録として残したいと思った。

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