今回は2024年3月に開催されたSAPのユーザーコミュニティであるChillSAPさんのイベント「SAP Inside Track Tokyo 2024」のアーカイブ動画から「SAP Datasphereで実現するデータの民主化」のセッションについて勉強します。ITの民主化と言われて久しく経ちましたが、その一つであるデータ分析の民主化がSAPでどう実現しているか興味津々です。

セッション講師
今関 郁弥
NECソリューションイノベータ株式会社
エンタープライズアプリケーション事業部

データの民主化とSAP Datasphere

データの民主化
・情報へのアクセスが誰もが平等に享受できる
・専門知識がない人でもデータを理解し活用することができる
・知識の壁を低くし多くの人がデータを使って意思決定を行えるようになる

SAP DataSphere
・データ活用に必要な機能をワンストップで提供

DataSphereの魅力
S/4のテーブルやCDS Viewが簡単に連携可能なこと
・スナップショット：実データをバッチ形式で連携
・リアルタイム複製：ほぼリアルタイムで複製
・仮想アクセス：ライブデータ節足
・ビジネスユーザー向けにビジネス名称を変更することもできる
・GUIベースでの開発

〜ITリテラシーが高いユーザを中心にデータの民主化が可能

データ民主化の落とし穴

・野良BIやデータマートの乱立
・データ品質の低下
・セキュリティ、権限の侵害
・・・・など

⇒民主化には法律（ガバナンス）がセット
　それをささえる仕組みがDataSphereには備わっている

データカタログ

データカタログ
企業や組織が持つデータ資源を管理し、アクセスしやすくするためのツールやプラットフォーム。データカタログを使用することで組織内のデータの所在、内容、利用方法などの重要な情報を一元的に把握し、効率的に管理することができる。

Datasphereのデータカタログ

Datasphereの利便性（検索・フィルタリング）を向上させる
・テーブルやビュー、SACのストーリー、モデルをグルーピング
SACからDatasphereのオブジェクトにわたるリネージ、インパクト分析
・SACとDatasphereの各オブジェクトの関係性を可視化

タグ階層
アセットにメタ情報・コンテキストを付与できる

範囲定義済みロール（Scoped Role）

Datasphereとスペース

Datasphere全体のリソースの中で個別に割り当てた仮想作業環境を作成可能

・スペースに割り当てることでユーザは初めてスペース内のオブジェクトにアクセスできるようになる。
・強い権限であってもスペースに割り当てられなければアクセスできない

設定済みロール（Scoped Role）が導入された

・従来はスペースとユーザが直接紐づく
・範囲指定済みロールの導入で範囲指定済ロールを介して紐づけ

メリット
・１人のユーザーに異なった権限を与えられる
　（Ex 会計は参照、販売は参照・更新）

　・・・柔軟な権限制御が可能になる

まとめ

・データの民主化を実現するためにガバナンスも蛍光して検討しよう
・Datasphereにはガバナンス機能である「データカタログ」「範囲設定済みロール」が充実
・Datashereは柔軟奈設定でガバナンスを実現できる一方工数や保守性とトレードオフ
・データの民主化のためには機能ではなく文化や人材の麺が大きい

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