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カラクリワークス営業日誌

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カラクリワークスの日々を個人的視点で報告します。
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記事一覧

美術とか映画とか本とかが、暮らしの近くにあってほしい話

コロナ禍において急沸騰したワードの一つに「メタバース」がある(個人的感想)。その背景はよくわかる。リアルでの出来事だけがリアルじゃない、かもしれないという感覚。あるいはその具体的装置のようなもの。わたし自身、メタバースには大いに期待していたし、今だってその期待がなくなった訳ではない。なんとなく以前の勢いとか話題性は弱くなった感じはするけど、相変わらず盛り上がるといいなと思っている。それは「地域の文化格差を少しは埋めうるかもしれない」と思っているからだ。 ここで書きたいのは「

長い長いドローイングのために場所が必要だと思った話

長い長いドローイングとの出会い2022年9月22日、Under Construction Center(福岡市大名)。David AtwoodさんとKatrin von Maltzahnさんのオープンスタジオにお邪魔した。そこで目の当たりにしたのは「きれいな作品」とかそういうものではなくて、どう捉えていいかわからないけど強い何かがある長い長いロール紙だった。 上記写真の右側からDavidさん、左側からKatrinさんがそれぞれ絵を描いている。支持体はグルグルと巻かれたロール

カレー・ラボ フェスティバル@キャナルシティ博多に出店する件

JR筑前前原駅から徒歩7分。商店街から少し入ったところで開店して、約4カ月。みなさまのおかげで「スパイスとめし しま香(しまこう)」(https://www.instagram.com/shimakoh2022/)、楽しく営業しています!ありがとうございます! そしてなんとこの度、キャナルシティ博多で開催される「夏とカレーのエンタメフェス『CURRY LABO FESTIVAL』」」に参加させていただくことになりました!関係者のみなさんありがとうございます!開催は2022年

1.2秒をじーっくり味わうカレンダーを作った話

あまりにも遅すぎる着手だった。 というか、いつも着手は遅い。 今回もそうだった。 おおがまめおさんと会ったのは、虚屯出版の開店を間近に控えたタイミングだったように思う。おおがさんは、2020年に虚屯で展覧会「404」を開催(企画しました)、その後なんと雑誌『ビッグコミックスペリオール』に作品が掲載され、なんだか忙しくなっている様子の漫画家(でいいのかな)さんだ。 福岡にいるということで連絡をもらって、manu coffeeで近況を話した。そこで思いついてしまった。「虚屯出

おおがまめお漫画展『404』@虚屯

虚屯イベントスペース(福岡市中央区平尾3-17-13)で開く展覧会企画第三弾、おおがまめお漫画展『404』が明日12月1日よりスタートします。 カラクリワークスの公式Facebookなどにも書きましたが、おおがさんとの出会いは同じ美容室に行っていることだったりして、でもその時の縁から展覧会まで漕ぎ着けたのは感慨深いものがあります。 本展覧会を企画した濱門のおおが作品との出会いは、福岡市の美容室「今山」でした。 そこに置かれた小さな漫画冊子に閉じ込められていた物語に惹き込ま

化学実験と造形芸術を行き来する/斎藤悠奈個展「うつわの化学式」展@虚屯

規則性のない割れ方。無造作にみえる滲み。 斎藤悠奈の作品は、一見無秩序な要素が多いようにも見える。しかし実はそれが自然の秩序の発見に真正面から取り組んだ結果生まれた作品だということは、よくよく話を聞いてようやくわかる。 2020年7月15日(水)〜21日(火)に虚屯で開催の「うつわの化学式」展は、斎藤にとって人生初の個展。タイトルは、この彼女のオリジナリティを表現するべく付けられたものだ。 出会いは2019年秋。私が愛知県立芸術大学陶磁専攻に非常勤講師として通う中で、当時4

愛知県立芸術大学で非常勤講師を務めた話(その5/最終回)

2019年10月から愛知県立芸術大学で務めた講義は、1年生むけに3回、その次に3年生向けに5回行った。大学での講義は初めてで、正直手探りのところも少なくなかったし、反省点ももちろんあるけどそれなりの手応えは掴めたところもある。(やることになった経緯や内容などはそれぞれ、その1、その2、その3、その4で詳しく) 1年生と3年生向けに合計8回行った講義の最後となる8回目は、弊社カラクリワークスの山﨑達樹(=以後、達樹)による、「戦略を考えよう」の授業。ここまでの授業では、社会の

愛知県立芸術大学で非常勤講師を務めた話(その4)

縁あって愛知県立芸術大学で非常勤講師を務めた、その経緯は「その1」で、基本的な内容については「その2」で、作品と社会の接点についての思いは「その3」でそれぞれ詳しく。 今回は1年生と3年生向けに、同じような授業を担当させてもらった。ただ違ったのは1年生が6コマ(2コマ×3週)で、3年生が10コマ(2コマ×5週)だった点だ。「作品と社会の接点」を考えるきっかけとして「マーケットイン/プロダクトアウト」という考え方の授業は、今回担当した1年生向けにも3年生向けにも行った。ただ3

愛知県立芸術大学非常勤講師を務めた話(その3)

熊本の美術予備校で一緒だった友人が准教授をやっている縁もあって、愛知県立芸術大学デザイン・工芸科陶磁専攻の非常勤講師を務めさせていただいた。その経緯については「その1」で、講義内容について「自分が学生時代に聞きたかったこと」を土台にして考えた、という話は「その2」で。 講義内容を考える時、もう1つ頭にあることがあった。それは「作品と社会の接点」について。芸大をはじめとする様々な学校では、「いかにいい作品を作るか」のテクニックやコンセプトの作り方について、かなりの時間を割いて

愛知県立芸術大学非常勤講師を務めた話(その2)

2019年10月から12月まで、愛知県立芸術大学デザイン・工芸科陶磁専攻の非常勤講師を仰せつかった。以前から学校の先生やってみたくて…の経緯は前回に詳しく。テーマは「自分をプロデュースする」。その内容をどうするか、試行錯誤してみた。 「自分が学生時代に聞きたかったこと」で講義を構成したいと思った。つまり「今はそれなりにわかったことだけど、その当時は知らなくて、今となってはできれば早めに知っておきたかったこと」を伝えたい、というコンセプトだ。それは例えば「世に言う仕事ってどう

愛知県立芸術大学非常勤講師を務めた話(その1)

いつの頃からだったか「いつか学校の先生みたいなことをやってみたい」という願望が芽生えていた。まさに漠然と「いつかできればいいな」と思っていたけど、本当に幸運なことに2019年10月から12月にかけて、その機会に恵まれた。大学の非常勤講師を務めさせていただいたのだ。 舞台は、愛知県立芸術大学。「福岡にいるのになぜ愛知で?」と聞かれることは少なくない。誘ってくれたのは、愛知県立芸術大学美術学部デザイン・工芸科陶磁専攻の、田上准教授。田上先生とは、熊本の美術予備校で浪人している時

カラクリワークス9期が始まった話

2019年10月1日。 カラクリワークスはおかげさまで9期目を迎えました。ありがとうございます。毎月全員集まる月例会を行っているのですが、期初ということでこの1年の振り返りと、この先1年どうやっていこうか、という話をしました。 色々話したいことはあったけど、でも個人的な思いも含めて一番共有したかったのは「それぞれが一番得意なことに一番時間使う」という仕事の仕方を理想としたい、ということでした。会社の業務的な話、営業的な話みたいなこともするにはしたんですけど、それって本当は優

「びぷれすイノベーションスタジオ」@熊本のコンセプトをカラーリングで考えた話

2019年10月にオープン予定の「びぷれすイノベーションスタジオ」のコンセプト構築にあたっては、「新聞社である熊日にしかできないこと」そして「新聞の未来」をずっと考えていた。新聞社はこれからどうなるんだろう、新聞社はこれからどうしていけばいいんだろう。熊日の未来は?…私なんかが何か答えを出せる訳ではもちろんなくて、抽象的に、ぼんやりと希望を思い描いたりしていた。希望っていうのは、「こうなったらいいなー」みたいなことだったりして。 熊本市中心部に「コワーキングスペース」 10

近い将来「熊本ってなんかすごくなってない?」という話が出てくることを目指して事業プランを考えた話

2019年7月9日。熊本日日新聞紙上で、ようやく発表された。熊本市の上通にある施設びぷれす会館7階に誕生する「びぷれすイノベーションスタジオ」だ。オープンは今年10月の予定。ただいま絶賛準備中。 WEBの記事でも紹介されてます。 熊本日日新聞社(=熊日)が準備してきたこのプロジェクトにプランナーとして参加してから約1年。事業企画立案から事業構築、クリエイティブ制作などなどで並走させていただいている。熊日としての事業立ち上げ動機というか背景みたいなことはありつつも、プランナー