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美術私手帖

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美術・芸術について
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#美術館

1999ベルリン→2019東京

「魂がふるえる」。 このタイトルは、決して大げさではない。森美術館で開催されている「塩田千春展:魂がふるえる」を鑑賞した感想だ。最初の部屋に入った瞬間思わず「あっ」っと声を出した。 塩田さんは1972年生まれ、私は1974年生まれ。ほぼ同世代と言っていい彼女の作品を、1999年のベルリンで観た。その時、私はぼんやりとベルリンで過ごしていて、彼女の作品は美術館に展示されてた(…はず、そう記憶している)。当時、その落差に愕然としながら、また同時に作品のクオリティの高さに驚愕して

ラジオで福岡市美術館リニューアルオープンについて話しました

カラクリワークスの山ちゃんこと山本真己と出演するラジオ番組『大名!ナカユビコゾウ』は今回が5回目の放送。改めて紹介しておくと、この番組は福岡市天神にあるコミュニティ「コミてん」 で、毎週水曜日21時から放送しているもの。毎週いろんな人たちがゲストやメインパーソナリティーとして出演していて、カラクリワークスはほぼ月一くらいのペースで出演させていただいている。この番組に出演させてもらうことになったのは、高校時代からの友人が番組の作家をやっていて「月一くらい出る?」的なお誘いをうけ

やっぱりもう少しだけ福岡市美術館オープニング展覧会の続き

福岡市美術館のオープニング展覧会に行ったことは前回書いて、その続きは27日21時からのラジオ(大名ナカユビコゾウ)で、と思っていたんだけど、やっぱり書き足りなくて補足的に少し。 今は「デイトペインティング」で有名な河原温が、20歳くらいで描き続けていた『浴室シリーズ』が観れるのはすごくいい。今、このタイミングで実物観れる機会ってそんなにないのかもしれない。わからんけど。観ていい作品。あと視界に入って「おー」ってなったのは、モーリス・ルイスの絵画。作品自体はもう少し色が強いも

熊本市現代美術館の展覧会の話

熊本市現代美術館の展覧会を2回連続で観ることが出来た。1本目は『魔都の鼓動 上海現代アートシーンのダイナミズム』<2018.9.22(土)〜 2018.11.25(日)>、2本目が『バブルラップ:「もの派」があって、その後のアートムーブメントはいきなり「スーパーフラット」になっちゃうのだが、その間、つまりバブルの頃って、まだネーミングされてなくて、其処を「バブルラップ」って呼称するといろいろしっくりくると思います。特に陶芸の世界も合体するとわかりやすいので、その辺を村上隆のコ