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美術私手帖

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#美術

『なんていうか、SFっぽい展』の空間でイメチェンにチャレンジした話

展覧会を観た。舞鶴(福岡市中央区)の美容室「今山(イマサン)」で行われている展覧会『なんていうか、SFっぽい展』だ。まめこ・F・まめおさんの個展。以前このお店でまめこ・F・まめおさんが描いた「今山」が登場する漫画を拝見したことがあるけど、今回の展覧会ではその新作や原画などが展示されている。 展示インスタレーションは、奇を衒う感じも既視感もなくて、だけど惹きつけられて心地いい。壁に展示されている作品も、ひとりよがりな印象がなくてすーっと感覚に入ってくる感じ。決して大きな空間で

ラジオで福岡市美術館リニューアルオープンについて話しました

カラクリワークスの山ちゃんこと山本真己と出演するラジオ番組『大名!ナカユビコゾウ』は今回が5回目の放送。改めて紹介しておくと、この番組は福岡市天神にあるコミュニティ「コミてん」 で、毎週水曜日21時から放送しているもの。毎週いろんな人たちがゲストやメインパーソナリティーとして出演していて、カラクリワークスはほぼ月一くらいのペースで出演させていただいている。この番組に出演させてもらうことになったのは、高校時代からの友人が番組の作家をやっていて「月一くらい出る?」的なお誘いをうけ

やっぱりもう少しだけ福岡市美術館オープニング展覧会の続き

福岡市美術館のオープニング展覧会に行ったことは前回書いて、その続きは27日21時からのラジオ(大名ナカユビコゾウ)で、と思っていたんだけど、やっぱり書き足りなくて補足的に少し。 今は「デイトペインティング」で有名な河原温が、20歳くらいで描き続けていた『浴室シリーズ』が観れるのはすごくいい。今、このタイミングで実物観れる機会ってそんなにないのかもしれない。わからんけど。観ていい作品。あと視界に入って「おー」ってなったのは、モーリス・ルイスの絵画。作品自体はもう少し色が強いも

リニューアルした福岡市美術館に行ってきた!続きは27日のラジオで。

オフィス引越しによる腰痛が悪化してはいたものの、いち早く!という思いでヨタヨタと行ってきました3月21日にリニューアルオープンした福岡市美術館。大濠公園はどこかの国から来た人たちがたくさん、それはもうたくさんいて、ランニングしている人も避けながら走ってる感じ。桜を見に来たんだんだと思うけど、まだそこまでは咲いてないっすよね。 福岡市美術館リニューアルオープンに関して、私的結論。美術館は何が変わったかあんまりピンと来てない。オープニング展の展示作品はすごくいい!「リニューアル

東京アート探訪

かつて銀座にSONYビルというのがあって、その跡地でアートブックフェアをやっているというので時間の合間に行ってきた。その名も「TOKYO ART BOOK FAIR Ginza Edition」。展覧会も同時開催していて、ウロウロウロウロしてしまうイベント。会場横には噂の「THE CONVENI」もあって、さらにウロウロ。台湾のあのアーティストの作品も印刷物で販売されていたりして、かなり楽しい。 実は国立西洋美術館の「ル・コルビュジエ」とか、原美術館の「ソフィ カル ─ 限

座右の銘の話

「あなたの座右の銘はなんですか」と聞かれたことはないけど、随分前から聞かれる準備だけは万端だ。今、誰にも聞かれてないけどあえて言えば「人間万事塞翁が馬」である。以前は「どうでもよいことは流行に従い、重要なことは道徳に従い、芸術のことは自分に従う」という映画監督・小津安二郎氏の言葉だった。座右の銘ってちゃんと調べたこともなかったけど、日々思い出す言葉というような意味だとしたら上記に間違いはない。本当によく思い出す。 「人間万事塞翁が馬」って受験シーズンにこそぴったりの言葉だし

ベルント&ヒラ・ベッヒャー私史/3の3

(タイトル写真はTHE ART STORY Modern Art InsightのWEBサイトより引用キャプチャー:[https://www.theartstory.org/artist-bernd-hilla-becher.htm]) ドイツのデュッセルドルフ美術アカデミーに入りたい、と思うも、どうやったら入れるのか皆目見当がつかない。ベッヒャーシューレになりたいけど、なる方法がわからない。色々調べたら、どうも推薦人が2名以上必要、ドイツ語の試験がありそう、みたいなことまで

ベルント&ヒラ・ベッヒャー私史/3の2

(タイトル写真はPHILLIPSのWEBサイト引用キャプチャー:[https://www.phillips.com/detail/BERND-AND-HILLA-BECHER/UK010117/10]) 大学生協の書籍コーナーで出会った1枚の写真から、すっかり心酔してしまったベルント&ヒラ・ベッヒャーの作品。調べていくと「1990年のベネチアビエンナーレではあの写真の作品で彫刻部門の賞を受けたらしい」みたいな話も出てきて、余計に「ベッヒャーかっこいい!」って気持ちは高まってい

ベルント&ヒラ・ベッヒャー私史/3の1

(タイトル写真はMOMAのWEBサイトより引用キャプチャー:URL=https://www.moma.org/collection/works/127884) 大学に入って間もなくした頃だっただろうか。大学生協で本を立ち読みしている時、衝撃の写真と出会った。それは小さな写真だったが、私にはとんでもなく強烈だった。そこにはたぶん「ベルント&ヒラ・ベッヒャー」と書いてあっただろう。それがベッヒャー夫妻との出会いだった。 それがなんていう本だったか、どんな本だったかも全然覚えてい

熊本市現代美術館の展覧会の話

熊本市現代美術館の展覧会を2回連続で観ることが出来た。1本目は『魔都の鼓動 上海現代アートシーンのダイナミズム』<2018.9.22(土)〜 2018.11.25(日)>、2本目が『バブルラップ:「もの派」があって、その後のアートムーブメントはいきなり「スーパーフラット」になっちゃうのだが、その間、つまりバブルの頃って、まだネーミングされてなくて、其処を「バブルラップ」って呼称するといろいろしっくりくると思います。特に陶芸の世界も合体するとわかりやすいので、その辺を村上隆のコ

台湾旅行①アートの旅

ずーっっと台湾に行きたい行きたいと思っていて、北海道旅行と同様、強引に2018年11月上旬にスケジュールを組んだ。台北のみ、特に目的地を決めるわけでもなく行ってみた。結果的に訪れたのは、飲食店と美術系の場所がほとんど。美味しかったし、楽しかった。 最初に訪れたギャラリー「朋丁 pon ding」は1階が書籍とカフェ、2階と3階が作品展示するギャラリー機能を持つ。そんなに大きくはないんだけど、雰囲気がいいし、書籍のチョイスからセンスの良さが感じられる。 小さなワタリウム美術