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熊本市現代美術館の展覧会の話

熊本市現代美術館の展覧会を2回連続で観ることが出来た。1本目は『魔都の鼓動 上海現代アートシーンのダイナミズム』<2018.9.22(土)〜 2018.11.25(日)>、2本目が『バブルラップ:「もの派」があって、その後のアートムーブメントはいきなり「スーパーフラット」になっちゃうのだが、その間、つまりバブルの頃って、まだネーミングされてなくて、其処を「バブルラップ」って呼称するといろいろしっくりくると思います。特に陶芸の世界も合体するとわかりやすいので、その辺を村上隆のコレクションを展示したりして考察します。』<2018.12.15(土)〜 2019.3.3(日)>。
当たり前の感想だけど、2本目はタイトルが長すぎてやや迷惑だ。それはともかく、双方全く違うアプローチで、それぞれ面白かった。

『上海現代アートシーンのダイナミズム』は、まさに上海の「今」を見せてくれてるのかな、という感じ。メインっぽく展示されているジャン・ホァン〔張洹〕《Q Confucius No.2》という孔子の立体作品は、見応えがあった。一番長く鑑賞した作品だったかも。他にも面白い作品がたくさんあったけど、もう一つだけ記載するなら熊本で制作したというルー・ヤン〔陸揚〕の特撮映像の作品《器世界の騎士》もよかった。

『バブルラップ』は、長いタイトルのままの村上隆が唱える説について、村上自身のコレクションを通して検証してみようという試み。なんだと思う。この展覧会がその説と対になっているかどうか、みたいなことはまあどちらでもいいんだけど、展覧会の流れとしてはとても興味深かった。特に途中、大量の陶芸が出てくるのには面食らった。いい意味で。思わずぼんやり佇んでしまった。そこで目の前に並ぶ何かについて、そういえばそうだな、と思った。それは村上が言いたかったそれとは違うのかもしれないんだけど、そういえばそうだな、と思った。

何れにしてもパンチ力があって、鑑賞欲が満たされる展覧会だった。その前にも『渚・瞼・カーテン チェルフィッチュの〈映像演劇〉』<2018年4月28日(土)~6月17日(日)>とか、正直チェルフィッチュ自体は知らなかったけど実験的な展覧会で面白かったし、熊本市現代美術館の展覧会はどれも満足感高い。次に何が観れるか楽しみだな。

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