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電線を見上げて考える

TBSラジオの『アフター6ジャンクション』をほぼ毎日欠かさず聴いていて、3月5日の特集コーナーで「電線 OF LOVE リターンズ!by石山蓮華with樋口真嗣」というのがあった。石山蓮華さんのことは存じ上げなかったんだけど、それはそれは電線がお好きな模様。『電線礼賛』というDVDを出したりもしている。 樋口真嗣さんは言わずと知れた映画監督で最近だと『シン・ゴジラ』が代表作の一つ(庵野秀明さんは総監督)。石山さんが電線愛を語れば、樋口監督が電柱への思いを披露する、といった感じで大変面白いトークだった。

電線は日本らしい風景を描くための要素の一つである、ということで電線が効果的に使われている映画を紹介していたりもして「なるほどー」と思うことが多かった。確かに特撮映画で巨大な生物が街中で暴れると電線がバリバリと火花を散らしたりして、あれはいかにも日本の街っぽい表現になっているんだなと改めて知ったり。夕日をバックに電線を含めた情景もいわゆる日本らしい表現、とか。しかしながら電線一つでここまで話が広がるのもすごい。

そんな番組を赤坂(福岡)付近を歩きながらスマホで聴いていたわけなんだけど、当然のことながら見上げると電線がある。「電線だな」と思ってよく見てみると、意外と複雑な形態をしていたり、無数のトゲで覆われていたりしている。いやーこんなの気がつかないな。当たり前すぎてちゃんとみてない。でもそんな当たり前の風景の重要要素であるところの電線が破壊されるから、”巨大生物大暴れ”はリアルなんだろうな。

電線とか当たり前の風景になっているから意識してじっとみる機会は少ないけど、日本の風景表現の重要要素。この認識が薄いままで日本の風景は描けない。当たり前のことって大切なことばかりなんだけど意識しにくいから、意識して意識しないと大事なことが見えにくくなるぞってことを考えたりした。日常のデッサン力を鍛えておく、みたいな。

しかし写真は空がドンヨリしすぎ。

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