見出し画像

御忌(ぎょき)について説明します

浄土宗の寺院では、1月から2月(または4月)にかけて、「御忌」法要が開かれます。

御忌とは、法然上人の命日の法要です。

御忌という言葉は、一般には使われることがありません。それは、皇室で使われる特別な言葉だからです。

なぜ、皇族でもない法然上人の忌日法要を御忌と呼ぶのかと言えば、大永4年(1524)に後柏原天皇が「大永の御忌鳳詔(ほうしょう)」という詔勅を出されたからです。

浄土宗では、法然上人の命日の法要を「御忌」と呼ぶことが許されたのです。

法然上人が亡くなったのは、建暦2年1月25日です。亡くなる2日前に書いたと言われる「一枚起請文」には、建暦2年正月23日と日付が記されています。

この日付は、旧暦ですので、慶運寺の御忌は、月遅れの2月25日です。お寺によっては、1月25日に行うところもあり、近くの寺院の住職が集まって法要を持つ関係で、少しずつ日程をずらして行うのが通例です。

御忌は、俳句の季語にもなり、江戸時代の俳人、与謝蕪村は次のような俳句を詠んでいます。

なには女(め)や京を寒がる御忌詣

江戸時代には、大阪の人たちは、知恩院の御忌に、京都まで船で参拝したそうです。精一杯着飾った女性が、京都の冬の寒さに辟易としている様子が伝わってきます。

今は、知恩院の御忌は4月ですので、寒がる人はいませんが、これは、各地の寺院から多くの僧侶が京都に集まれるように、御忌の時期をずらしているためです。

本山の御忌一覧(2021)
総本山知恩院 4月18日~25日
大本山増上寺 4月2日~7日
大本山金戒光明寺 4月22日~25日
大本山百万遍知恩寺 4月23日~25日
大本山清浄華院 4月21日~23日
大本山善導寺 1月25日
大本山光明寺 1月25日
大本山善光寺大本願 2月25日




「気に入ったらサポート」→金額を決めて「サポートする」ボタンをクリックしていただくと、慶運寺の賽銭箱にお金が入ります。