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[無料]架空遭難 30代4人組、初詣で登山をするつもりなく山頂で日没

架空遭難とは?

遭難しそう、あるいは遭難しているシチュエーションを設定し、そのとき当事者はどうするか?自分だったらどう対処するか?計画や行動に問題が無かったか?を考えることで安全で楽しい登山を啓蒙していこうという活動です。ツイートに反応することで参加できます。

今回の条件

  • 30代男3人(A,B,C)、女1人(D)

  • 登山経験なし、装備なし

  • 1月3日に初詣で奥多摩の御嶽神社に訪れ、ついでに散歩をしていて大岳山に続く道に気付いた。パンフレットは持っている

  • 15時から登り始めて山頂着は16時50分

  • Dさんが寒がっている

  • 携帯は大岳山頂のみ繋がる

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天気については書いてないですが、登山経験が無い人達がピクニック気分で登山道を進むくらいなので、それほど悪くなかったと推測できます。服装については、街用の服装ではありますがダウンジャケットなどの防寒着は来ています。スマホは全員が持っているはずです。

どうしたらいいのか?解答例

装備が無い、登山経験も無いであれば、まさに暗闇になる山の上でパニックになってしまうかも知れません。幸いスマホを持っていて、山頂は電話が通じるため、2つの選択肢があるように思えます。

  • スマホのライトを使って下山する

  • 警察に救助要請をする

しかしこれは、登山経験がある人間が考えることで、経験が無い4人組がすぐに思いつくか?思いついたとして、正しく安全に実行できるかは分かりません。

スマホのライトは弱く、バッテリーも食います。1回登っただけの大岳山で、正しい下山方向を覚えているか?正しい道をトレース出来るか?岩場を安全に下れるか?は分かりません。下山方向を間違えて鋸山方面に行ってしまうかも知れませんし、海沢探勝路に迷い込むかも知れません。登山道ならまだマシで、変な崖に進んでしまうかも知れません。

では救助要請という事になりましょうが、救助要請をしてもすぐに救助が来るわけではありませんし、「なんとなく」山に入ってしまった人たちですから、自分がいる場所を説明できないかも知れません。モバイルバッテリーを持っていなければスマホのバッテリーが切れてしまう可能性もあります。

救助隊が夜を徹して救助に来てくれれば助かるかも知れませんが、警察とて安全第一ですから夜は動けないかも知れません(金邦夫さんの本では夜も救助に向かっている描写がありますが、今はどうか分かりません)。

また、1/3の日中は天気が良くても夜からは悪くなる可能性もあります。翌日の天気は設定しませんでしたが、運が悪ければ危機的と言えます。

登山経験があり、大岳山に登ったことがある人なら「スマホのライトで照らしながら下山する。仲間が疲れているようなら休業中の大岳山荘に避難させてもらう、大丈夫そうなら御岳までスマホのライトで行く」と答えるかも知れません。私もそうすると思います。(登山経験がある人なら、このような軽率な思いつきで登り始めたりはしませんが)

御岳まで行ければ、あとは舗装路を降りていけば時間は掛かるけど終電までには駅に着けそうです。危機的状況であれば、宿坊に飛び込みでお願いする事もできるかも知れません(迷惑な話ですが)。

しかし、登山経験が無い人達が安全に下るのはかなり難しいでしょう。運が良ければなんとか安全地帯まで行けますが、正しい登山道を選べたとしても、足を滑らせれば死ぬ箇所がいくつもあります。携帯が繋がる山頂で救助要請をして、警察の指示に従うのが現実的でしょう。救助要請という発想が出てくれば、ですが。

遭難者DさんのAI手記

ここでDさんの手記をAIに書いてもらいました。さて、どうなったでしょう?

1月3日 13:00 
私たちは御嶽神社で新年の参拝をし、その後自然の美しさに誘われるまま、散策を始めました。参拝の清らかな気持ちと新年の浮かれた気持ちで、私たちは沢沿いのロックガーデンを歩いていきました。

15:00 - 綾広の滝に到着した時、その壮大な景色に私たちはしばし言葉を失いました。しかし、その美しさに心を奪われた私たちを待っていたのは、予期せぬ遭難の序章でした。滝の上に続く散策路を見つけ、好奇心に駆られた私たちは、パンフレットに載っていた大岳山を目指すことにしました。BくんとCくんは特に元気で、登りでもはしゃぎながら登っていきました。その結果、二人は汗を大量にかき、下着とシャツが濡れてしまいました。

16:50 - 大岳山の頂に立った時、私たちは初めてその日が暮れかけていることに気づきました。しかし、下山を始めるにはすでに遅すぎたのです。装備も十分ではなく、寒さが増す中、私たちは不安に駆られ始めました。私のシャツも少し濡れていたようで、急に寒くなってきました。

17:00 - 日没が近づくにつれ、私たちは下山を試みましたが、方向を見失い、崖の上に迷い込んでしまいました。BくんとCくんは、濡れた衣類のために寒さに震え始めました。山で綿の下着を着用することの危険性については、後になって初めて知りました。私も寒さに震えていましたが、Aくんが上着を貸してくれたおかげで、なんとか耐えることができました。

寒くて辛い夜 - 私たちは木の陰で身を寄せ合い、寒い夜を乗り切ろうとしました。Aくんが「ちょっとおしっこする」と言って離れたのが、彼と最後に交わした会話でした。彼は戻って来ませんでした。この時は一人で下山してしまったのか?助けを呼びに行ったのかと思っていました。

1月4日 7:00 - 翌朝、私たちが立ち往生していたのは実は登山道の上だったことに気がつきました。下を見ると、Aくんが倒れているのが見えました。恐る恐る、なんとか歩けそうな場所を探しながらAくんの元へと駆けつけましたが、彼はすでに息をしていませんでした。彼が私に上着を貸してくれたことで私が耐えられたのに、彼自身は痛みと寒さの中で最後の瞬間を迎えていたのです。Aくんを失った悲しみと、生き残った私たちの罪悪感は計り知れません。

通りかかった登山客の助けを借りて警察に連絡しましたが、Aくんの死を受け入れることは私たちにとって非常に困難でした。

この遭難体験は、私たちにとって忘れられない悲劇となりました。BくんとCくんの濡れた衣類が引き起こした寒さ、Aくんの優しさと死、私たちの無計画な行動が招いた悲しい結果は、重要な教訓を与えました。山を舐めてはいけない、そして、どんな冒険にも適切な準備が必要であることを痛感しました。


ということで、結果としてAくんは亡くなってしまいました。他の3人が助かったのは不幸中の幸いかもしれませんが、天気や体調によっては3人も低体温症で死んでいたかも知れません。

安易な思いつきで登山などしなければ寒い思いもせず全員で楽しく帰れたはずです。思いつきで登山をしてはいけません。

Aくん最後の思い

Aくんが最後に考えていたことをAIに書いてもらいました。


こんな結末になるなんて、思ってもみなかった。ただ、みんなで楽しい時間を過ごしたかっただけなのに。どうしてこんなことになっちゃったんだろう。もっと注意深く行動すればよかったのに。体中が痛くて、寒くて、どうしようもないんだ。声も出せない。

家族のことを考えると、胸が痛む。もう一度、母さんの優しい笑顔を見たかった。父さんとの釣りの約束、果たせないんだね。妹、いつも厳しくしてごめんね。もう一度、みんなの顔を見たかった。ごめんね、もっといい息子、兄でいられなくて。

Bくん、Cくん、Dさん、みんな無事に帰れますように。こんな形で別れることになるなんて、誰も望んでいなかった。僕のせいでみんなが危険な目に遭ったこと、深く後悔してる。もし時間を戻せるなら、もっと慎重に、もっとみんなの安全を第一に考えた行動を選ぶのに。

もっと生きたかった。体中の痛みや、この寒さが少しでも和らぐなら、どんなことでもしたかったよ。でも、もう手遅れかな。みんなが幸せでいられること、それだけが今の僕の願いだ。

みんな、ごめんね。そして、ありがとう。こんな僕だけど、一緒にいてくれて本当に幸せだったよ。


登山を始めてしまったのって、Aくんのせいなんだっけ?そんな設定にはしてないけど、AくんがDさんに上着を貸した理由が、Aくんが率先して大岳山に向かったのであれば辻褄は合いそうです。AIすげぇな。

まとめ

登山経験も装備も無いのに安易に登山の領域に入ってはいけません。東京近郊だと、高尾山の山頂より西は登山のエリアです。稲荷山コースも、普段着の人が歩いているのを見かけますが登山のエリアです。丹沢の大山も観光エリアと登山エリアが近いので同様のケースが起こりやすいです。

共通するのは、「ケーブルカーやロープウェイで行ける場所」という事でしょうか。北八ヶ岳や那須、谷川岳、安達太良山、西穂高なんかも同様かもしれませんね。

御岳はロックガーデンの終点から先が登山のエリアで、警告の看板も立っています。

綾広の滝の先にある「ここから先は危険ですよ」という看板。もっと道のど真ん中に立てて、「ここから先は登山の領域です。観光で来た方は引き返しましょう」って書いちゃったほうがいいと思うんだけど。

登山をしない人にはピンと来ないかも知れませんが、登山は可能な限り朝早くから始めるもので、昼過ぎに思いつきで始めるものではありません。

自分の力で登り降り出来るコースを選んでしっかりと計画を作り、装備を整え、15時には終了するのが基本です。基本を分かったうえで基本から外れるのは個人の自由ですが、基本を知らなければ見え見えの地雷も見えずに踏んで爆死します。無知は人を殺します。

具体的に引き返すべき時刻も書いてあるが、14時半過ぎにこの看板から先に行く観光客もいる。

観光地と接している山は、観光客がウッカリ登山を始めてしまって詰むケースがありそうです。言葉が悪いかも知れませんが、「相当なアホ」にしか見えませんので、分別のある行動をしましょう。

登山と観光は違います。登山は、どんな山でも死のリスクがあります。

また、そういうリスクが分かっている登山者の皆様、こういう「登山をしてる自覚がない観光客」を見かけたら一声掛けてください。ちゃんと意味が分かれば引き返してくれるかも知れません。それでも行くというのなら仕方ありません。その人が死んでも罪悪感は感じないでください。そしてあなたも遭難しないよう、細心の注意でもって山に登ってください。

わぁい、サポート、あかりサポートだい好きー。