皆さんご存知なので書くまでもないが、前半戦を終えて、東京ヴェルディは勝ち点37（11勝6敗4分け　28得点・14失点　得失点差+14）で3位につけている。昨季と比較しても守備面では飛躍的な向上を遂げており、14失点は首位町田（12失点）に次ぐ2位と、堅牢さが目立っている。

　逆に攻撃面では、28得点はリーグ全体で9位となっており、やや物足りなさを感じる結果となっている。得点とアシストは下記の通り。

【得点】
《4得点》　DF深澤
《3得点》　FW阪野
《2得点》　FW山田
　　　　　 MF梶川／斎藤／バイロン／北島／稲見
　　　　　 DF林／山越
《1得点》　FW河村
　　　　　 MF綱島
　　　　　 DF平／綱島
　　　　　 オウンゴール1
《ポジション別》　FW：6得点　MF：11得点　DF：10得点

【アシスト】
《3アシスト》　MF北島
《2アシスト》　FW河村
　　　　　　　 MFバイロン
　　　　　　　 DF宮原
《1アシスト》　FW阪野
　　　　　　　 MF森田／斎藤
　　　　　　　 DF平／林

　FW全体で6得点と元気がない。昨季はFW合計で20得点となっており、うち佐藤凌我（現・福岡）が13得点を挙げている。MF全体では11得点となっており、一見すると多めにも見えるが、実際には昨季はMFで合計25得点となっており、昨季に比べてやや少ない事が分かる。DFについては昨季合計が12得点という事もあり、確実に上回りそうだ。今季は主に「なんでそこに深澤」と、アンカー起用時の林の活躍が目立っている。
　期待されているMFマリオ・エンゲルスが未だノーゴールとなっており、新たな得点源の補強は急務といえよう。マリオ・エンゲルスのプレーに改善点が見られるものの、正直今後得点を量産しそうな気配は全く見られない。しかし、単純に点取り屋を獲得する事で、FWからのチェイスを中心としたプレスバックにも影響が生じる可能性もあり、個人的には日本人選手を中心とした補強が望ましいと考える。

東京ヴェルディの「外弁慶」ぶり

　3位につけている東京ヴェルディだが、ホームとアウェイでの成績をみると、愕然とするような結果が垣間見える。

【ホーム　トップ5】　勝ち点／実際の順位
①町田 　26（8勝1敗2分け）　1位
①大分 　26（8勝1敗2分け）　2位
③甲府　 22（7勝3敗1分け）　5位
④長崎　 20（6勝2敗2分け）　4位
⑤栃木　 18（5勝2敗3分け） 20位
⑤群馬　 18（5勝2敗3分け） 10位
⑤清水　 18（5勝1敗3分け）　7位

⑪東京V　16（4勝3敗4分け）　3位

【アウェイ　トップ5】　勝ち点／実際の順位
①東京V　21（7勝3敗）　　　 3位
②町田　 20（6勝2敗2分け）　1位
③磐田　 17（5勝2敗3分け）　6位
④仙台　 16（4勝3敗4分け）　9位
⑤熊本　 16（4勝2敗4分け）　8位

　ホーム・アウェイ共に顔を出しているのは町田のみであり、このデータで町田の盤石ぶりが再認識できる。今後も勢いが衰えそうな要素も少なく、自動昇格圏内は固いと言えよう。2位につける大分もホームでは強さを見せているが、アウェイでは勝ち点14（4勝4敗2分け、8位タイ）と苦戦している。特筆すべきは栃木で、ホームでは5位という強さを見せているが、逆にアウェイでは未勝利で、勝ち点3（8敗3分け、21位）しか得られていない「内弁慶」ぶりが目立っている。また最下位の大宮も、アウェイでは未勝利（9敗1分け、22位）が続いている。
　東京ヴェルディに目を向けると、アウェイにおいては東京ヴェルディが何と町田を抑えて首位となっているものの、逆にホームでは11位という「いつもの順位」となっており、アンバランスさが目立つ。因みに昨季のデータでは、ホームで勝ち点35、アウェイで勝ち点26となっており、既にアウェイにおいては昨季を大きく上回りそうであるという事が分かる。

なんでホームで勝てないのか

　それでは、何故ホームで勝てないのか。まずは前半戦終了時点での、ホームでの成績は以下の通り。

　4勝3敗4分け　10得点・8失点
《得点者》　DF深澤②　DF平①　DF林①　DF加藤蓮①　DF山越①
　　　　　　MF綱島①　MF稲見①　MF北島①PK　FW山田①

　なんと、FW陣に関しては第21節の山田剛綺のゴールがホーム初ゴールという有様である。綱島や山越のゴール、平のゴールもそうだが、殆どがセットプレーからのゴールであり、流れの中からのゴールは極めて少ないという事が分かる。全体でも10得点と1試合あたりの得点は1点を下回っており、味スタでの得点力不足が顕著となっている。
　ホームでは4/12に開催された第9節以来2カ月以上勝利が無く、前半戦終了時点で6戦勝利無しの状態が続いている。また400分近くに渡り、ホームで無得点という失態も。

　少なくとも、アウェイと同様の勝ち点を得られていれば、現時点では単独2位の座を走っていたはずだ。今季はPO圏内が大混戦となっており、自動昇格圏内をキープする事が至上命題といえる。

　何故ホームで勝てないのか。ホームで勝つにはどうしたらいいのか。サポーターにできる事は何なのか。試合後の記者会見でのコメントを見るかぎりでは、課題となる点は明確になっており、改善も見られる事から、チームが成長を続けている事は確かだ。しかし、ホームゲームで勝てないという点においては、誰もフォーカスできていない（していない）。

　芝が原因なのか。サポーターが作る雰囲気なのか。原因を突き止めない限り、ホームでの勝利は増えないであろう。ここは一度立ち止まって、チーム全体で考える必要があると提言する。