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電気のおはなしその7・力はどのように存在するのか(力の釣り合い)

ではいきなりですが、小テストいきまーす!

次の文章の(  )内に当てはまる正しい語句を答えよ。

  1. 電気の正体は(①)であり、(①)が力を受けて移動している流れのことを(➁)と呼ぶ。

  2. (➁)は、電気の性質と(③)を持っていて、力と(③)、(④)の間の関係を表した式を「運動方程式」と呼ぶ。

  3. 運動方程式が示すとおり、力は物体を(⑤)させる働きをもち、(⑤)の大きさは、力の大きさに(⑥)し、(③)の大きさに(⑦)する。

  4. 力は物体同士が接触している点で発生するが、物体に与える力は、必ず同じ大きさで押し返す力とのペアになっている。これを(⑧)の法則と呼ぶ。

はい、それでは正解です。
①…電子
➁…電流
③…質量
④…加速度
⑤…加速
⑥…比例
⑦…反比例
⑧…作用反作用

電気の性質を持っているのは、電子だけではなく原子核(陽子)もだったりしますし、運動方程式はどんな場合でも成立するわけではない(物体に力をずっと与え続けていれば、やがて光速を超えてしまう…これはおかしい)など、厳密にいえばおかしな点も多々あるのですが、今は

図1・こまけぇこたぁいいんだよ!! by やる夫

さて。
前回「作用反作用の法則」の話をしましたので、「力の釣り合い」の話をすることにしましょう。

いま、この画面を見ているあなた自身から画面を見ると、画面は静止していると思います。(寒くって自分が((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル小刻みに震えてるよ!なんて人もいるかもしれませんが)
しかし、宇宙空間から見たらどうでしょうか。あなた自身も目の前の画面も、地球の自転や公転といっしょに、高速で移動しているように見えるはずです。

別の例を挙げると、走っている電車に乗っている場合です。電車の中で、同じ電車の中に乗っている他の人を見ても、お互いに静止して見えます。しかし、電車を外から見ている人からは、電車の車体と、中に座っている人たちは、同じ速さで同じ方向に一緒に移動しているように見えます。

はてさて?「静止」っていったい何だろう。

運動方程式のおはなしで、

物体に力が掛かれば、物体は加速する。力が掛かっていなければ、物体は静止している。

みたいなことを書きましたが、この「静止」っていうのは、

観測者から見て、力の作用によって加速することがなく、同じ位置に止まって見えること

なんです。だから、地球の外から見ている人からすると、地球上にいる人間は地球の自転と一緒に凄い勢いで移動しているのですが、すべて同じ速さで同じ方向に移動しているため(これを等速直線運動なんて呼びます)、地球上にいる人どうしは相対的に止まって見えるわけなんですね。
(逆に、地球上から「地球の外から見ている人」を見ると、高速で移動しているように見えます)

厳密にいえば、地球上の物体は等速直線運動はしていません。本当に直線的に動いたら、だんだん地球から離れて行ってしまいます…。
でも、地球の大きさと人間などの大きさを比べれば、地球の自転と一緒に動いている我々の動きは、ほぼ直線と見なせる、ということで「等速直線運動」としました。

人類の歴史上、最初は地球が宇宙の中心に固定されていて、太陽とかほかの星が動いていると思われていました。これを天動説と呼んでいます。今では科学が発達し、実は地球が動いているということが分かり、これを地動説と呼んでいます。ガリレオ・ガリレイが地動説を唱えて糾弾されたとき、「それでも地球は回っている」と言ったとかで有名な話です。

では、天動説と地動説、どちらが正しいのか。

実は、物理的には「どっちも正しい」んです。何故なら、

  1. 観測者が地球上にいれば、地球が中心で止まっていて天が動いて見える。

  2. 観測者が太陽上にいれば、太陽が中心で止まっていて地球などが動いて見える。

  3. 観測者が太陽系の外の宇宙のどこかにいれば、自分が観測している点が止まっていて太陽も地球も動いて見える。

の3つは全部正しいからです。一時期話題となった話で、

こんなのがありましたが、べつだん驚くことはなく、上に挙げた3番目の立場から太陽とか地球を見たらそうなりますよー、ってことなんですね。
うむ。21世紀の現在、「天動説も正しい」とか言い出す俺氏。


…話が逸れすぎました。

ええっと、「物体に力が掛かっていなければ、物体は静止している」という話でしたね。この「静止」っていうのは、観測者目線で止まって(=加速度が発生せず、動きだしたりすることがない状態)見えればそれは静止ですよってことでね。

今これを読んでいるあなたから見て、目の前の画面は静止している。
静止しているということは、目の前のモニターにはまったく力が掛かっていないということになりまs…

…(; ・`д・´) それは変じゃないか?


前々回、

地球上では、物体は地球に引っ張られて、手を離せば地球表面に落ちていくという性質を持っています。これは誰でも知っている通りで、「万有引力」なんて呼んでいます。

そう、目の前の画面も、そしてあなた自身も、質量を持っている原子で構成されている以上、地球が引っ張る力、つまり引力を受けています。しかし、地球の中心に向けて落ちていったりすることはなく、地球の表面上に立っていられますよね。
これは何故かというと、あなたの足とかモニターの台とかが、体などを地球が引っ張る引力と同じ大きさの力で押し返しているため、力がプラスマイナスゼロとなって打ち消しあっているからなんです。

図2・人間が地球上に立っていられるわけ

このように、複数の力が掛かってはいるものの、それらを合計したら打ち消しあってゼロとなり、なにも力が掛かっていないように見えること(=加速して動き出すようなことが起きていない)を

力の釣り合い(力が釣り合っている)

と呼んでいます。

高校の物理基礎で「作用反作用の法則」と「力の釣り合い」の見分け方が良く分からず、「同じ位置から矢印が逆方向に出ているのが作用反作用の法則、矢印が離れているのが釣り合い」なんて覚えたりするんですが、これまでの話でそれぞれ全然別の概念だってことが分かってもらえればうれしいです。男女の仲もなかなか釣り合いが取れないね。むずかしいですね

さぁ~て、次回は

  • ニュートン先生、力学にハマる。

  • リンゴ氏、空気を読んでニュートン先生の前で落下する。

  • ニュートン先生、万有引力を発見し大興奮!

の3本でお送りします!んがくっく。

以上。

(実はこの記事、一度最後まで完結して書き上げたものの、操作ミスで大半を消してしまい、仕方なくリライトしたものです。しかし、一番最初に書いたときの勢いやエネルギー、瞬発力はどうしても出せなかった…。
物書きって不思議ですよね。ビデオ講座とかもそうなんですが、一番最初に産み出したとき特有の魅力みたいなのって、どうやれば維持できるんでしょうね。自分の頭の中の回路をどうにかするしかないんでしょうけどね)


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