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森林浴

先日行った岡本太郎美術館は
生田緑地という
大きな森の中にあります
美術館を出てしばらく散歩をした

日々の生活に疲れてるからなのか
自然というものが妙に心に響いた

人間にとって自然との共有は
必須なのかなと感じてしまい
普段ほとんど自然に触れてない生活が
とても異常に感じてしまった

雨上がりということもあり
葉っぱや土の匂いが充満して
とても心が満たされた

深呼吸がこんなにも心地良いものなのかと
そんな当たり前のことを忘れかけていた

やはり自分は正常ではない
生活をしてる事に気付いた

自分の本当の居場所ってどこなんだろ?
心からストレスなく暮らせる場所って
どこかにあるのだろうか?
ゆっくり歩きながら物思いにふけてしまった

静かで心が落ち着く
そんな安らげる場所へ
住んでみたいなと思ったりした

この空間ですれ違う人たちの表情は
生き生きと自然に輝いているように思え
それがとても羨ましく感じた

✳︎

森の中のベンチで座っていると
「まもなくプラネタリウム開演です」
という場内放送が流れてきた
とくに何も考えず足を向けてみることにした

入り口には小さな子供連れの家族や
楽しそうなカップルで溢れていた

その新鮮なエネルギーに吸い寄せられるように
チケットを買い入ってみる事にした

決して派手ではない
地味なプラネタリウムだったけど
昔ながらのプラネタリウムという感じで
それが堪らなく心地良かった

45分間の星空ショーが終わり
ゆっくり場内が明るくなった

しばらく椅子に背をもたれながら
そういえば俺は宇宙が好きだったな…
ということを思い出した

好きだった事を忘れてしまっていた自分自身を
何だか情けなく感じてしまった
普段、何を考えて生活をしていたんだろうと
自分の日常がよく分からなくなってしまった

そして何かやってみたい
という欲望が久しぶりに湧き上がり
席を立ち大きな森とサヨナラをして帰宅した




【後記】

昭和の時代に実際に使用していた
昔の電車が止まっていた
ふらっと中へ入ってみると…

「お客さん乗りますか?」
と運転席で母親と遊んでいる
小さな男の子に声をかけられた
「はい。お願いします」
と言って中へ乗り込んだ

分厚い窓や座席のシートや
古いタイプの扇風機など
車内は懐かしさに溢れていて
まるでタイムスリップしてるようだった

過去に浮かぶようにして
ふかっとした座席に座り
しばらく窓の外を眺めていた

すると運転席の方から
「出発しまーす!」
という甲高い声が聞こえてきた

”なんてクソ素晴らしい休日なんだ”
と笑顔になった休日のひと時でした


それではまたCiao!

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