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J-R&Bオタクが選ぶ2018年の名作アルバム50選(全レビュー)

あけましておめでとうございます!ケンイチです。昨年も色々とお世話になりまして、感謝感激でした。

今日は、毎年恒例の「個人的名作をカウントダウンしてみよう」のコーナーをお届けします。いつもは楽曲とアルバムの両方をレビューありで総括しているのですが、今年はアルバムオンリーで(お気に入り楽曲の方は追ってプレイリストで公開予定です)。

プレイリストの普及によって、音楽がますます自分の意のままに聴けるようになった反面、アルバムという形態の有り難みが減退しているような気がしなくもなかった2018年。そのアンチテーゼ、とまで言い切ってしまうと大げさですが、アルバムを介さなければ味わえない妙もあるし、音楽好きならその辺のアーティストの意図を無下にしないようにしたい、という自戒も込めまして、あえてアルバムのみをじっくりと紹介してみることにしました。

各作品ごとにレビューをしています。割と手間暇かけて書いたので、ぜひチェックしていってくださいませませ!

【2018年 アルバムTOP50】
*5曲以上収録のEPはアルバム換算

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No.50 MIE『GALAXY』
関東のクラブシーンから快作が登場。オールドスクールなムード満点の「Addiciton To Xxxxx」を経て、トラップを取り入れた「Unknown」、噛みつくようなボーカルワークにSOULHEADの影を見た「High Life」など、やんちゃなアティテュードに裏打ちされた濃厚なヒップホップソウルの数々に心クラクラ。

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No.49 ディープファン君『PRIVATE BLUE』
奇抜なブランディングでも注目を集めつつある彼らは、この1stミニアルバムで遊び心に富んだ実力を確たるものに。とりわけ、甘美なリフレインが心地いい「All My Love」は、ORIGINAL LOVE、FLYING KIDSあたりの懐かしきファンクバンドを思わせる渾身の一曲。

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No.48 古内東子『After The Rain』
昨年デビュー25周年を迎えた恋愛の教祖、6年ぶりとなるオリジナル作。サウンドには90年代に彼女の名曲を数多く手がけた小松秀行やIncognitoのBlueyら、都会派マエストロが集結。うっとりするような恋愛劇も健在で、リードの「Enough is Enough」や「Answer in the Seashell」あたりの恋に恋い焦がれる女性像はさすがの一言。

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No.47 カコイミク『Asleep』
有機的なギター演奏と、ややシニカルに聞こえるボーカルの好コントラストが魅力のポップアルバム。ネオソウル〜ロッキンソウル〜ファンクと刺激的な横断を見せる中、打ち込みのチキチキビートを敷いた「sing for」がひときわ存在感を放ちます。

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No.46 UKO『ONE LOVE』
デビュー作をリリースした頃から注目しているUKO。5曲入りのEPである本作をもって、その豊かなメロディセンスと自由度の高い音楽性をはっきりと再確認。BASIとのコラボチューン「Magic」、LUCKY TAPESのKai Takahashiプロデュースのブギーポップ「lure」など、2018年の名仕事人も多数参加。

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No.45 BENI『CINEMATIC』
EDM、ブギー通過後の「現代のR&B潮流」を艶っぽく表現し、リスナーからの再評価を勝ち取った節目作。お家芸である胸キュンポップやバラードも満遍なく収録していますが、個人的なオススメはMichael Kanekoとのデュエット「No one else like you」。プリミティブなアレンジのもと、両者の美声が爽やかな融合を果たしています。

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No.44 Umemura Ryo『Room』
知る人ぞ知る男性R&Bシンガー、決意の処女作。歌声の本質こそまだマチュアな域には達していないものの、Brian McKnightあたりを彷彿とさせる深遠なメロウジャムや盟友の女性シンガー・未来とのデュエットなど、やらんとしていることはとても頼もしい。バンド映えしそうミドル〜スロウが主軸なのも好印象。

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No.43 mabanua『Blurred』
二名のフィーチャリング・ボーカル(Chara、Achico)がもたらした絶大な安心感は言わずもがな、その他の楽曲も柔軟なクリエイターらしいユーモアに溢れており、オルタナティブ・ポップのさらに先を行く良い意味でのカオス感。自身初となった日本語詞とサウンドの調和もお見事。

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No.42 SPiCYSOL『Mellow Yellow』
AOR特有の穏やかなサウンド展開に胸ときめく表題曲をはじめ、涼しい夏がそこかしこで産声をあげた2ndフル作。聴かせる要素も一層加速度を増し、ジャジーな演奏が牽引する「SIST」などバンドの底力を感じさせる名曲もふんだんに。

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No.41 小袋成彬『分離派の夏』
J-R&Bファンの心を掴んだ「Lonely One」も収録。日本語の風流を重んじた詞世界、繊細な押韻、ジャンルを意図的に取り払った色彩豊かなサウンドスケープなど、プロデューサーである宇多田ヒカルとの共通項も携えながら、ことごとく芸術志向な個性を爆発させる驚異の一作。白眉は、低音ボイスとエレピが穏やかに薫る「GOODBOY」など。

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